ホビット 思いがけない冒険

【監督】ピーター・ジャクソン
【出演】イアン・マッケラン/マーティン・フリーマン/リチャード・アーミテージ/ジェームズ・ネスビット/ケン・ストット/シルベスター・マッコイ/ケイト・ブランシェット/クリストファー・リー/ヒューゴ・ウィービング/アンディ・サーキス/他
【公開日】2012年 12月14日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ある日ホビット族のビルボ・バギンズは、魔法使いガンダルフからスマウグという恐ろしいドラゴンに奪われたエレボールのドワーフ王国を取り戻すための壮大な冒険に誘われる。伝説的な戦士トーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフたちとともに旅に出た彼の行く手には、ゴブリンやオーク、凶暴なワーグや魔術師たちが跋扈する危険な荒野が待ち構えていた。目指すは東にある“はなれ山”の荒れ地。険しい山々を越え、エルフ族のエルロンドやガラドリエルとの出会いを経て旅は続き、そしてゴブリンのトンネルでビルボは自分の人生を永遠に変えることになるゴラムと遭遇する・・・。
今年は未公開作品の方もあまり鑑賞せず、それこそこういった本格的なファンタジー作品は自分にとっては去年のハリー・ポッター以来だと思うので、やはりどこか待望していた気持ちと言うのは強かった気がしますね。・・とは言っても前3部作のロード・オブ・ザ・リングに到ってはもう1作目から10年も歳月が過ぎてますし、公開に備えての予習もしないで挑んだもんですから単語や人物等はかなり記憶から飛んじゃってるとこもあったりと、ここら辺はハリポタと同じ轍を踏んでいる自分でもあったりで・・(汗
ただそれもまた良かったのか、懐かしさよりもむしろまた新しい気持ちで中つ国のもう1つの物語を堪能できて面白かったです。
前3部作ではホビット族のフロド・バギンズがサウロンの指輪を捨て去る使命を背負いながら壮大な旅を続けていましたが、本作ではその60年前が舞台となり、主人公もフロドから彼の養父のビルボ・バギンズへと交替。指輪を巡っていた時の物語とも少し違い、今度は遥か遠方にあるドワーフ王国に巣くう邪竜の討伐を終着点(?)としているようで、その内容も行く先々の神秘的な光景や幻想的なキャラクター&クリーチャーに彩られていて、改めてとても魅力に溢れてる世界だというのも感じてしまいます。原作の方は未読ですのでどこが省かれていてどこが映画のオリジナルなのかといった詳細な所までは分からないものの、それでも観た感じとしては『丁寧』に作られている感じは抱きましたねぇ。ホビット庄にはじまり、ビルボの家へと押し掛けるドワーフの仲間達にガンダルフ。旅の合間にはドワーフ王国の若き王子トーリンの壮絶な過去と因縁も盛り込み、また前3作を観た人には懐かしい顔ぶれもチラホラとっ。そして後半にはあのゴラムと指輪も登場したりと急ぎ過ぎでもなく緩過ぎでもない展開は個人的には見応えがたっぷりだった♪
・・まあその『たっぷり』と引っ掛けると、上映時間が170分で約3時間近くもあって時間的に余裕もあるからそう見えただけかもしれませんが、しかしこれもまた長大故にだるくなる印象を自分は抱きませんでしたね?むしろトーリン一行の旅は一難去ってまた一難という窮地が立て続けにも見えたので、次がどうなるのかワクワクしてたほどっw
そんな窮地のようなシーンがたくさんあったせいか、アクションの方もオーク軍団とのスピーディなバトルや足場の悪い山脈での巨人との遭遇、トロルの巣窟での集団戦と実に多彩♪ハリポタの魔法バトルも好きですが、スリリングな場面での戦いも多くて興奮出来る分だと自分はやはりこちらのシリーズの方が好きかもしれない。トロルの巣窟でのバトルなんかだと狭い路地をどんどん進みながら敵を倒しては時々の障害を利用して先に進んだりなんだりとテンポも良くて、本作の中では一番好きな場面♪別な見方でなんかピタゴラスイッチのようにも見えちゃったのは自分だけかなぁ~?と(汗
あと意外と言ったらアレですけど、トーリン率いるドワーフたちもかなりカッコ良かったですね。中つ国のドワーフのイメージはそれこそ前3作でレゴラスといいコンビでもあったギムリを嫌でも思い浮かべちゃうもんですから、何といいますかまさかあそこまで俊敏で連携も含めた華麗な戦いが出来るとは・・という意味での『意外』^^;リーダーのトーリンも壮絶過去相まってまるでドワーフ版アラゴルンのようにも見えちゃいましたし、取り敢えず今の所は主人公のビルボより魅力に富んでるキャラクターに見えちゃったのでした。
・・シリーズモノの1作目は何かとキャラクターの自己紹介的な感じだったりあらすじなどに消化されてしまう場合が無きにしも非ずですが、本作はフロドの物語の前日譚でもあるからか、後々に繋がる伏線もちらほらあってそこもまた楽しめたりしましたね。ラスボスになるであろう邪竜スマウグもシルエットは限定的ですので、その凶暴であろう姿も次のストーリーへの楽しみとして持たせているようで今からかなり気になってしまう存在。掴みはOKにも見えますから、次も期待出来そうな予感です♪
※そういえば今回は3D映像の新しい手法で秒間48フレームの撮影を可能にしたという『HFR(ハイフレームレート)』なるもので鑑賞をしましたが、この映像は確かに驚きもありました。あまりに滑らかで映画を観ているという気分はすんごい薄れていましたけど、その分映画の世界へと入り込ませるかのような臨場感は格段に上がってたと思う。HFRは作品のジャンルによってはもう一度体験してみたい映像でもありますねっ。