プロメテウス

【監督】リドリー・スコット
【出演】ノオミ・ラパス/シャーリズ・セロン/マイケル・ファスベンダー/ガイ・ピアース/イドリス・エルバ/ショーン・ハリス/レイフ・スポール
【公開日】2012年 8月24日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
科学者エリザベスが、地球上の時代も場所も異なる複数の古代遺跡から共通のサインを発見した。それを知的生命体からの招待状と分析した彼女は、巨大企業ウェイランド社が出資した宇宙船プロメテウス号で旅立つ。2年以上の航海を経て未知の惑星に辿り着いたエリザベスらは、砂漠の大地にそびえ立つ遺跡のような建造物の調査を開始。やがて遺跡の奥深くに足を踏み入れたエリザベスは、地球上の科学の常識では計り知れない驚愕の真実を目の当たりにするのだった・・・。
エイリアンシリーズはそれほど好きではなく残酷で痛々しい描写が多分にあるせいでむしろ敬遠しちゃう方なのですが、その一方で偏愛するデヴィッド・フィンチャー監督を知るきっかけを作ってくれたという点では感謝をしているとも言えますし、シリーズに関連しているのでは?と言う前口上もかなり気にはなってたのも確かなんですよねぇ。なのでイチファンとして期待していたというよりは、どこか臭いもの嗅ぎたさ感覚の興味本位の鑑賞っていうのが正直なトコかもしれません(汗
しかし冒頭のタイトルロゴが徐々にあらわになるような出方からして1作目を踏襲しているので、初っ端から本作がエイリアンに深く結びついているであろう事が容易に想像出来てしまったわけなのですが、物語が進むとその想像もより一層濃いものとなり、それは本作の監督がリドリー・スコットじゃなければモロパクリなのでは?と疑ってしまうほどにリンクしていますね。謎の色白マッチョな人物が何か飲んだと思ったら体が崩壊すると言う出だしこそ意味が分かりませんでしたけども、その後の長期航路の睡眠から目覚めるくだりや三日月のようなフォルムをした巨大な物体、更には『ウェイランド』エトセトラエトセトラと、どこか記憶に覚えがあった分ニンマリ要素も多数で、そういうのを観ちゃっただけにもはや人類を創造したのは誰なのか?というストーリーのキモよりも、あの怪物を創造したのは何なのか?という所に自分はシフトしちゃってたような気もしますねぇ・・。
あとエイリアン色が濃厚だったのもあり残虐で過激なシーンも多くて、自分のチキンハートも久々に前面に出てしまったかなと・・^^;。エイリアンシリーズでもフェイスハガーの寄生するシーンとか体内の強力な酸で人間の体がグズグズになっちゃうシーンなどは心理的にもちょっと堪えてたのですが、どうやらそれは本作でも健在でしたねぇ。特にフェイスハガーに似た生命体みたいなのは見慣れてるヤツと大分違っててホント寄生虫(もしくはミミズ)がそのまま大きくなったみたいな感じでしたし、寄生方法もダイレクト過ぎるのでォエォエ~で嫌悪感極まりないっ-ー;また、お腹を突き破る事でも有名なチェストバスターにしても同様に似た生命体が出て来ましたが、こちらはむしろエリザベスの痛々しく生々しい腹部切開の方が強烈過ぎて、そこだけに到っては『SAW』に負けてないのでは?とふと思ってしまったほどです。
でも同類ではないにしろ、チェストバスターってエイリアンシリーズでもほぼ回避不可能ともいえる存在だっただけに、それをあんな荒い処置で切り抜けてしまったエリザベスのタフネスさには驚いてしまった。ここら辺もやっぱりリプリーの精神性みたいなのが受け継がれているんでしょうねっ
人類誕生という謎は現実的に見ても神秘に満ち溢れていますけど、リドリーの考える『ソレ』はなんか異星人らの生物兵器の開発が根底に含まれていたせいもあってか、自分は創造者達の傲慢さが目にも付いてしまって結果的には神秘もへったくれも無かった気がする・・。その逆に起源を知りたいという知的欲求に駆られた故に悲劇に見舞われた人間側も一概に被害者とは呼べないような気がしますし、とどのつまり異星人もその遺伝子を持つ人間もまた愚かしい部分があると言う事なのかな?
それと最後に出て来たアレに関しましては、登場したことでちょっと整合性がズレてしまった気もしますね。あの最後の1人が1作目の仰々しい台座に座ってた人物だったとしたなら、あそこでお腹が突き破れるのは変な気がしたんですよねぇ?
もっとも、ここからまたエイリアンをリブート、もしくは再構築する何らかの準備があるのなら話は別なのですけどねっ( ̄ー ̄)