幸せへのキセキ

【監督】キャメロン・クロウ
【出演】マット・デイモン/スカーレット・ヨハンソン/トーマス・ヘイデン・チャーチ/エル・ファニング/パトリック・フュジット/コリン・フォード/アギー・エリザベス・ジョーンズ
【公開日】2012年 6月8日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
半年前に最愛の妻を亡くしたベンジャミン、彼の14歳の息子と7歳の娘は、いまだ悲しみと混乱の中にいた。ベンジャミンは仕事を辞めてしまい、息子は問題を起こして退学処分に。新しい場所で新しい人生を始めようとベンジャミンは郊外に家を買うが、なんとそこは閉鎖中の動物園と言うオマケ付だった。早速ベンジャミンは動物園の再オープンに取り組むが、慣れない事業にトラブル続出、莫大な修理費や薬代で資金も底をついてしまう。だが、飼育員と地域の人々、亡き妻からの贈り物に支えられ、ベンジャミンは再び冒険に立ち向かう。妻とのある約束を果たすために・・・。
タイトルにはあまり惹かれず、その代わりとばかりにマット・デイモンのパパっぷりには興味を惹かれたので鑑賞しましたが、うん♪これはなかなか良かったですねっ。経営難の動物園と家族の喪失感を乗り越えるダブル再生物語は、実話と言う大好物ジャンルも重なってか笑って泣けてをテンポ良く味わう事もでき、尚且つほんわかな気分にもなれた気がする。そしてそこに動物も加わると『感動』も鉄板になりますから、正に手堅い作品とも言えますね。
主人公ベンジャミン・ミーの奮闘を描いたこのお話は元ネタがイギリスの方なんだそうですが、本作では舞台をアメリカに移しており、細部にもアレンジが加わってるみたいなので大分食い違いもあるようですけど、それでも映画としてはドラマチックな仕上がりになってますね。生活環境を変えるべく息子・娘と共に引越し、行き着いた先が『動物園付き一戸建て』という特殊な物件で、そこで新たなスタートするべく常駐スタッフらと力を合わせて動物園再建に乗り出すベンジャミン。しかしオーナーにはなったものの動物園の事に関してはド素人もいいとこで、動物の飼育や脱走云々で早くから四苦八苦。おまけに開園検査や資金難、更にはプライベートでは息子とも関係がぎこちなくと、後から後から雪達磨式に積み上がっていく苦難の連続には苦笑いしかでませんねホント^^;
でもこうした不幸のオンパレードにも見えるベンジャミンのトラブルの数々は観てて悲観的になるかと言えばそうでもなくて、シーンの合間に思わず笑っちゃうシーンとか登場人物のユーモア溢れるセリフなどが加わってむしろ自分は全編通してニンマリしてた方が多かったかもしれない。例えばベンジャミンの兄貴は現実的に物事を見定めてて弟思いな一面、ウィットに富んだセリフ回しも多くて出て来るたんびに笑ってましたし、農務省のフェリス検査官の露骨な嫌味っぷりや彼を恨んでる巨漢飼育員のピーターの暴走も何かと面白い。無垢ゆえにゲス野朗の意味を平然と問うロージー嬢の空気の読めなさも終盤の極め付けとばかりに吹いてしまったほどで、とにかく魅力的な人達が多かったのも良かったですね。
同様に主演のマット・デイモンも魅力的。・・ただし今回は自分も半ば定着してしまったボーンシリーズのような引き締まった姿ではなく、ふくよか体系で真面目なパパさん姿に意外性も感じての意味でイイ役所だったと思う。自身も結婚して子持ちになるとやっぱり通じる所もあるんでしょうかね?それほど違和感感じさせなかったのが少し不思議だったw父親役も似合うような年齢に達してきてるというのもモチロンあるんでしょうけども、なんにせよ子供達との触れ合いや悲しみ辛さを真正面から向き合うベンジャミン役は様になってたと思います。
(でも後で実在のベンジャミンさんの写真を見たら全然違ってましたww)
まあ最初こそ従業員とか増やさなくて再建成り立つのかなぁ?とか筋道の不自然さを指摘しちゃうとこもあったのですけども、細かい部分を言ってしまったらハートウォーミングな雰囲気も台無しになっちゃうし、何より亡き妻の最後のセリフは理由や理屈は然程重要じゃないと言うシンプルな結論をも示してるようで、それを聞いた時不自然さの1つだったベンジャミンの動物園購入もなるほど♪と妙に納得しちゃう部分もあって、何だか微笑ましい終わり方にも見えてしまいましたね。
そいえばその最後であるカフェの場面を観てた時、自分もオトンとオカンの馴れ初めって聞いた事が無いなぁ~なんて事をふと思い出してしまった。聞いても別にどうもしないってワケじゃないのですが、ただいい年ぶっこくとどこか気恥ずかしさもあるのは自分だけでしょうかね?^^;
本作にも出て来る『20秒の勇気』とやらで、自分も何時か両親に切り出してみようかなと思っちゃった次第です。