ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵

【監督】窪岡俊之
【声の出演】岩永洋昭/櫻井孝宏/行成とあ/寿美菜子/藤原貴弘/松本ヨシロウ/矢尾一樹/豊崎愛生/三宅健太
【公開日】2012年 2月4日
【製作】日本
【ストーリー】
暗黒の時代。富と領土を巡って百年の長きに渡る戦争が続く荒廃の地で、ガッツは己の剣のみを頼りに戦場を渡り歩く傭兵として育ち生きていた。特定の軍に所属する事無く、常に他者を拒絶しながら戦ってきたガッツ。彼はあるとき、戦場の猛者たちの間でも敵に回したくないと畏怖される傭兵団・鷹の団と出逢う。そしてその団を統率していたのは、類まれなる強さと美貌を兼ね備えた、自分と同じ年頃のグリフィスだった・・・。
『黒い剣士』こと、ガッツの復讐の物語を20年以上の長期に渡って連載している三浦健太郎の『ベルセルク』。その壮絶な世界をなんと全て映像化するというビッグプロジェクトを聞いた時は驚いたもので、故に今年の劇場アニメ関連ではエヴァや細野作品と言ったビッグネームよりも楽しみにしていたのですが、ただ『全て』と言われるとどーも途方も無いプロジェクトにも聞こえるので不安が無いと言えば嘘になっちゃうというのも然りですね

まあ先の事は兎も角として、そんな壮大なサーガの先陣として打って出た今回の『黄金時代篇』ですが、イチファン視点としては合格点で面白かったです♪
3部作として2012年度中に公開予定となっているこの『黄金時代篇』は、主人公のガッツが少年~青年期に在籍していた傭兵団『鷹の団』での栄光と悲劇を描いた物語。鷹の団を率いているグリフィスとの出会い、不死のゾッドとの戦い



ストーリーの展開も一応後々のエピソードに繋がる重要なポイントはちゃんと抑えていたのでさして問題は無かったですけども、尺の関係上ガッツの鷹の団での初陣やフォス大臣の存在などが省かれていたため、いきなり3年が経過したり、ユリウスの悪巧みが唐突過ぎたりと『ん?

それと個人的にはアニメーションも良くてこれも見応えがありましたね♪冒頭の城攻めから大勢の兵士が入り乱れる合戦シーンなどは、3DCGと手描きの混合アニメーションとやらが結構斬新で、激しいアクションに上手く活かされてると思う(慣れるまで時間が掛かりますけど)。原作でもガッツの強さなどは音や映像が無くとも十分に伝わる『凄味』がありましたけど、今回の映像で観ると改めて分かる常人離れの腕っ節



作品の上映時間は80分とやや短めではあったものの、体感時間的にはそれ以上にも感じてしまい、端折りがあっても何だか濃い80分に思えてしまった本作。・・まあベルセルク全体の魅力としましてはまだまだま~だ全然明かされていないですし、ファンタジーの片鱗もせいぜいゾッドくらいなんですけど、それでも『掴み』としては申し分なく、アニメーションのクオリティもこのまま維持できるなら、6月の『ドルドレイ攻略』も期待していいのかもしれませんね

・・しかしベルセルクの世界を描くといっても、原作が未だ完結していない以上どこまで映像化するのか定かではありませんが、オープニングにシールケや狂戦士の甲冑などが一瞬垣間見えたので、少なくとも『千年帝国の鷹篇』まで行く算段は立ててるのかな?ひえー

評価:◎