【監督】桑原智、西田正義、出崎統(名誉監督)
【声の出演】大塚明夫/水谷優子/坂本真綾/中村悠一/柿原徹也/堀内賢雄/朴叙ミ美/小林清志/関俊彦/島本須美/森久保祥太郎
【レンタル日】2011/12.16
【製作】日本

【ストーリー】
ピノコが突然激しい痛みを伴う発作に襲われる。だが検査では何の異常も見られなかった。そんな時、BJの元に手術の依頼が舞い込む。ビノコの容態を気にし断るBJだったが、患者の名前を聞いて愕然とする。西園寺ゆりえ。かつてBJが手術を施したその女性は、ピノコと関わりのある特別な患者だったのだ。蘇るピノコとの出逢い。BJはピノコを救うため、伝統ある舞の宗家家元、ゆりえを訪ねるのだが・・・。(『おとずれた思い出』より)
 
【コメント】
去年はぶっちぎりな忙しさのせいで劇場版アニメ等もかなり見逃していたため、恒例(個人的)の年初めアニメ鑑賞はチョイスに迷うなぁと色々探していたらふと目に飛び込んだブラック・ジャックOVA最新作。BJのOVAを最後に鑑賞したのは何時だったか?と、今となっては定かではありませんが、記憶が曖昧なほど昔なのも確かではありますから、2012年栄えある(?)新年最初の鑑賞に相応しいとばかりに迷わず本作を借りて鑑賞。去年惜しまれつつも亡くなった出崎統監督へ自分なりに追悼も込めての鑑賞となりました。

本作は故・出崎統監督最後のラストワークとも銘打たれてはいたのですが、正確には出崎監督は名誉監督。総監督を担っているのは別の監督さんではありましたけど、それでも出崎監督特有の演出はチラホラと見受けられてはいたので、この作品だけ特別変わったような違和感めいたものはあまり感じなかったかなと。
ストーリーは『おとずれた思い出』、そして『美しき報復者』の2話構成オリジナルストーリーとなっており、最初のエピソードである『おとずれた思い出』は、原作にもあるピノコ出生のエピソードに様々な解釈を加えた面白い内容となっています。
ピノコの出生と言えば、原作では奇形腫を患ったピノコのお姉さんのお腹から人間1人分の臓器やら何やらを取り出し、それを培養液に浸してBJが用意した人口の身体に入れ替えて誕生させたのがきっかけ・・・と、今振り返ればもうとんでもない設定ではあるのですが、そんな壮絶な誕生を果たしたピノコの発作を発端にして、ピノコのお姉さん・西園寺ゆりえの宗家の伝承との関連性や、何故ゆりえがあの時自身の奇形腫の切除をBJに頼んだのかと言う色んなサイドストーリーが散りばめられていて、個人的には見応えのあったエピソードだったと思う。それはピノコの元の家柄(無事生まれていれば?)である西園寺という家元の双子の伝承の追加といった大胆なものなども挙げられますが、自分が特に一番気になったのは姉のゆりえとピノコの関係性かもしれない。原作の方だとお姉さんの方はそれはそれはピノコを毛嫌いしていて、顔も見たくない妹なんて私にはいないみたいなぞんざいな扱いだったのに対し、本作のゆりえは宗家の忌まわしい伝承に捉われまいと、亡き妹の分まで神事の舞を正に命を削る思いで舞い踊る・・。その姿は原作の方とは真逆に見えてしまい、むしろ自責の念すら伝わってきます。大胆解釈ゆえ原作との関連性を含めれば大分かけ離れたエピソードになってはいるものの、それでもシーンの中にはゆりえがBJを訪れて奇形腫切除を依頼する原作さながらの場面もあったりするので、その辺で自分もちょっとニンマリさせられちゃいました(おたふくみたいなお面が能面に変わってるのもちょっと良い変更点でしたし)。
・・ただもう一つのエピソードである『美しき報復者』ですが、コレは正直な所あんまり面白くありませんでした
てっきり原作にある『報復』かとも思ったのですが、フタを開けてみたらかの将軍様の独裁国家さながらの世界観でう~ん・・と首捻り。去年は最後の最後でトップの突然の訃報が世界を驚かせましたけど、このエピソードでも重病人の将軍様に後継者問題アリとまるで狙いすましたかのよう。ひょっとしたらリアルでも裏でこんな感じだったのかも・・?
しかし大切だからそばに置いたと言ってた割に簡単にヒロインのLを撃ち殺しちゃう将軍の心変わりの早さも少々鼻についちゃったかな?粗い所ばかり目立ってて良い所無かった感じがします


2話構成なもんですから、90分の収録を45分で分割しなければならない手前、どうしても急ぎ足なトコも見受けられましたけど、今回個人的に上記の『美しき報復者』があんまりのめり込めなかった分、どうせなら『おとずれた思い出』を90分まるまる使った方が最後のエピソードとしても、そして出崎監督のラストワークという意味でも何かとが付いたんじゃないかと鑑賞後に思った次第。これで本当に終わりなのだとしたら、少し寂しいかもしれませんねぇ・・

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