【監督】クリント・イーストウッド
【出演】 マット・デイモン/セシル・ド・フランス/フランキー・マクラレン/ジェイ・モーア/ブライス・ダラス・ハワード
【公開日】2011/2.19
【製作】アメリカ

【ストーリー】
パリで活躍するジャーナリストのマリーは、恋人と一緒に休暇で訪れていた東南アジアで津波に遭遇。波に飲まれて生死の境を彷徨ったものの、何とか一命を取り留める。だが帰国した後も、呼吸が停止した時に見た不思議なビジョンを忘れることができず、仕事が手につかなくなってしまう。しばらく休暇を取ることになったマリーは、自分が見たビジョンが何だったのかを突き止めようと調査を開始する。一方サンフランシスコでは、かつて霊能者として活躍したものの、死者との対話に疲れきったジョージが過去を隠して工場で働いていた。彼は人生を変えようと通い始めた料理教室で知り合ったメラニーに好意を寄せるが、自分の能力が原因で彼女は彼の前から去ってゆく。そしてロンドン。母親と双子の兄と一緒に暮らすマーカスは、突然の交通事故で兄を亡くす。母と別れ、里親に預けられたマーカスは、もう一度兄と話したいと霊能者を訪ね歩くものの、本物の霊能力者には出会えない。だがある日、彼はジョージの古いウェブサイトに行き当たる・・・。
 
【コメント】
御年80になろうとも、監督としては未だ衰えぬ製作意欲・・・いや、今回は挑戦意欲と言った方がいいのでしょうか?死者とのコンタクトや臨死体験といった要素を加えたこの『ヒアアフター』は、多くの感動や共感を与えてきたイーストウッド作品からすれば、パッと見『異質』な感じを受ける作品にも思えたのですが、観てみたらなんてことはない、今までと然程変わりないイーストウッドらしい(?)感動作でもありましたねぇ。
まあ死生観諸々につきましては実際それほど深く考えた事は無いんですけども、この死を身近で体験した人達の思いがどんどん絡み合っていくような内容は結構良かったと思います

霊能力者のジョージにジャーナリストのマリー、そして薬物依存の母と双子の兄とで暮らしているマーカス。最初こそこの3人の主要人物たちは住んでいる場所や環境にまるで接点の無い人達ではあるのですが、冒頭の大津波の被害に遭うマリーにはじまり、ジョージは死者との会話、マーカスは兄のジェイソンの事故というように、『死』に間近で干渉した事をきっかけにして、次第に3人の運命が1つの道に繋がっていく過程、そしてその演出が個人的には上手いなぁと感じたんですよねぇ。三者三様のドラマにしても全然飽きませんでしたし、いつ自身の身に降り掛かるかも分からない津波や自動車事故といったものもリアリティがあるから、突発的な災害や事故によって引き起こされる『死』の場面なども、どこか他人事とも取れない気持ちにもなってしまうのです
だからなのか、そういった点では共感と言うか感情移入してしまったのはマーカスの物語でして、兄のジェイソンの突然の死によって大きな喪失感を全身で体現してるマーカスの姿はなんかもう観てるだけで切ない・・。ジェイソンとなんとか話をしたい一心で色んな霊能力者に相談に行くシーンにしてもその霊能力者が全員胡散臭いもんだから、徒労に終わってしまう姿が尚更可愛そうに思えてしまいます。

けど前半部はマーカスだけじゃなく、ジョージとマリーも人生に疲れちゃってるような雰囲気を漂わせていたので、その3人が引き寄せられるように同じ場所で遭遇する後々の展開は喜ばしい気持ちにもなってしまった。やっぱり『死』って誰かが亡くなるという事を想像するだけにネガティブなイメージが先行する所があるでしょうし、時としては自身の周囲にも少なからず何かしらの影響を与える時があると思います。マリーも臨死体験をしたことで死後の世界の存在を信じ始めるようになったものの、職場の同僚らに変人扱いをされ栄光から挫折を味わう羽目になれば、ジョージは自身の能力を呪いと呼んで疎ましくさえ思ってたりと、これまたネガティブでどんよりとしている。でもたまたま同じ場所で似たような(?)境遇を持つ人と運命的な出会いを果たすジョージとマリーは、現実的に考えちゃったりするとかなりドラマチックであり、マーカスも最後に本物の霊能力者のジョージを通して兄と会話が出来たシーンでは久々にジワッと来るものもあった。
イーストウッドの作品ってちょっと重苦しいオチもたまにあったりしますから、お先真っ暗だった3人がそういった運命的な出会いを経て、生きる事や人生に前向きになって行こうとするラストはとても晴れやか♪ジョージの妄想こそ唐突でしたけど、暗くなるよりは良かったですね


本作は何かと非現実めいた設定が目立ってはいましたし、自分も公開前はそんな風に思っていた部分が無きにしも非ずですが、霊的云々や死後に人はどうなるのか?なんて話よりも、本筋は『死』という人にとっていずれ訪れる必然的なものを下敷きにしたジョージたち3人の再生の物語のように見えましたので、これまでのイーストウッド作品同様『ハズレなし』ではあったと思います。
・・ただ、時折のシーンで気になるっちゃあ気になるシーンとか多々あったのもまた確か。メラニーの過去とかマリーに宛てた手紙が一体どんな内容だったのかな~?・・なんて考えちゃうものの、そこはジョージが言ってたように『知り過ぎない』事も大切なんでしょうね~?

評価:◎
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