バイオハザードIV アフターライフ

【監督】ポール・W・S・アンダーソン
【出演】ミラ・ジョボビッチ/アリ・ラーター/ウェントワース・ミラー/キム・コーツ/ショーン・ロバーツ/スペンサー・ロック/ボリス・コジョー/中島美嘉
【公開日】2010/9.10
【製作】イギリス、ドイツ、アメリカ
【ストーリー】
東京・渋谷からT-ウィルスが感染し始めて5年・・アンデッドが街を埋め尽くす荒廃した世界。感染を逃れるため、生存者たちは唯一の安全地帯とされる“アルカディア号”への乗船を目指していた。しかし、アンデッドに完全に包囲されたロサンゼルスの刑務所には逃げ遅れた生存者がいた。アリスは彼らをアルカディア号へ乗せるため、刑務所の脱出を試みるが・・・。
原作のゲームバイオは来年で15周年

・・でも前作では監督さんがバイオをあんまり知らなかったせいなのか、ど~も前2作とは違う毛色に見えてしまって『先が思いやられるな~』と少々見切りを付けかけてしまったのですが、今回はその不安を一旦掻き消すかのように色々な点で盛り返していた感じはするっ。『怖い』といった感覚はもはや超薄味になってますけど、しかしそこはさすがバイオ大好きアンダーソンとでも言うべきなんでしょうか?その分3D効果やドンパチアクション等をこってり盛り込んでる娯楽アクションとしては面白く観れました。
前作のⅢに難色を示した部分としましてはアリスのクローンなんていう仰天設定もそうですが、それ以前に地球規模のバイオハザードが起きてしまったにも関らず、元凶のアンブレラ社はしつこいと言うか懲りないと言うか、未だウィルス研究をせっせこせっせこ続けていたりなんだりしており、正直闇市場の取引とかバイオテロの必要性も無いくらいのカタストロフな世界でそんな事してまだ何かメリットがあるんかいな?なんて疑問を抱くようなストーリーだったから、ややつまらない印象を抱いたんじゃないかなぁと思っちゃったりするトコなんですよねぇ

そんな穴だらけと言うかちょいと無理矢理感のあるストーリーは本作でも無きにしも非ずで、そちらの悪い方面もまたまた引き継いでしまってる感じではありますね。冒頭の東京からしても些か奇妙に見え、あの女性はどういった経緯で感染したのか不透明でもあり、ポッと出て来て惨劇も突飛だから最初から軽くつまずいてる気がしないでもない。前作以降一番気になってたアリスクローンの存在やアリス本人の超人的な能力にしても、ああいう風に軽く突っぱねてしまうトコなんかにもちょいと首傾げ

まあそれでも個人的に前作よりも好きだった理由として、ゲームから引っ張って来ているものが今回かなり多かったもんですから、イチファンとしてはそこら辺で非常に好感

観た限りだと劇中では昨年発売された『5』の要素を多く取り入れているように思い、アリス達が過去散々相手にしていたゾンビも口がパックリ割れたり集団になって全速力で襲ってくる場面などを観ると、ゾンビではなくむしろゲーム中に出て来たマジニに見えるんですよねぇ。・・とは言っても本編でそのマジニの説明が全く無かったもんですから、恐らく映画の方ではマジニと言うよりTウィルスで更に変異をした新手


その他のクリーチャーでは斧を持った処刑マジニにお顔が真っ二つ犬のアジュレ(造形お見事♪)、それ以外ではクレアに胸に埋め込まれてた赤い装置といったものも確認。そういった細かい所にもなんか自分はニンマリ

中でもとりわけ印象深かったのがラスボスであるウェスカーの存在。この人に到ってはアンダーソンら作り手の熱意と愛情を感じてしまうくらいの忠実な再現度で、驚きを貫通して笑いが込み上げてきたw演じてるショーン・ロバーツという人がゲームの方のウェスカーと同じくらい似せているって言うのもありますが、それ以外にもグラサン



・・でもこのシリーズってそこそこヒットはしてるものの、次を作れば作るたび粗もどんどん目立ってるような感じがするのもまた否めないんで、エンド後のオマケ映像観ても『おおっ!』より『また作るの?』って思う人の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか?

幸い自分はゲームのネタが多かった事や3Dでの鑑賞も踏まえてⅢよりは面白かったですし、オマケにしても金髪verのアノ人が出て来たりもすれば(あんまり似てない・・)、アリス計画のほかレッドフィールド兄妹にも干渉するアンブレラの思惑に、次回作はアリスではなくレッドフィールド兄妹が活躍するベロニカ絡みとかにもなるのかな~?なんて色々想像もしてしまって『おおっ!』な終わり方ではあったのですけども、逆を考えればそういうファン要素が多くなかったら今回もまたⅢと同じ結果になっていたのかもしれない。
ゲームから引っ張ってくるネタの数々はまだあるにしても、内容がそのゲームと全く違う様相を呈してきてるので、出来ればファンの方だけではなく作ったカプコンにも呆れられる事のないよう次回作も尽力

評価:○