私は貝になりたい
【監督】福澤克雄
【出演】中居正広/仲間由紀恵/柴本幸/西村雅彦/平田満/武田鉄矢/伊武雅刀/六平直政/荒川良々/笑福亭鶴瓶/上川隆也/石坂浩二/他
【公開日】2008/11.22
【製作】日本

【ストーリー】
清水豊松は高知の漁港町で理髪店を開業していた。家族は女房の房江と一人息子の健一。決して豊かではないが、家族三人理髪店で何とか暮らしていく目鼻が付いた矢先に、豊松にも赤紙=召集令状が届く。豊松が配属されたのは本土防衛の為に編成された中部軍の部隊だったが、そこで彼は思いも寄らない過酷な命令を受ける・・。
終戦。豊松はやっとの思いで家族の元に戻る。二人目の子供も授かり、平和な生活が戻って来たかに思えた。しかし、それも束の間、突然やって来たMP(ミリタリーポリス)に従軍中の事件の戦犯として逮捕されてしまう。そして待っていたのは、裁判の日々だった・・・。
【コメント】
『Vフォー・ベンデッタ』のナタリー・ポートマンのように丸刈りにするシーンは失敗が許されないので、中居正広が仲間由紀恵に頭ジョキジョキされる所は『あーあーあぁ~・・・・やっちまったぁ・・』と、衝撃受けながらもかなり見入ってしまったシーンでもありましたが、本作の物語も平凡な男の1つの悲劇から当時の理不尽さや不条理さが痛烈に伝わり、戦争を知らない自分もまた同様に見入ってしまいました・・。

半世紀も前のドラマのリメイク作なのでどこが忠実でどこが異なっているのかは分かりませんが、少なくとも自分にとっては『貝になりたい・・』という反戦を伝えるメッセージ性、そして豊松と房江の夫婦愛や家族愛といった人間ドラマは良く出来ているように感じ、その点では非常に骨太で且つ感動も与えられた作品のように思えましたね。他の戦争映画同様本作も結構重い内容ではあるものの、個人的にクスッとさせられる場面が何度かあって肩肘張ったような鑑賞にならなかったのは、ノドに食べ物を詰まらせてポン!と勢いよく吐き出すシーンや、どことなくアンタッチャブルの山崎似なジェロのおかげがあったかもしれず、不思議と観終ったあとあまりどっとした疲労感が無かったんですよねぇ。オリジナルの方は豊松の視点にひたすら焦点を当てて描かれていたとサイトに書いてあったのですが、それだと相当重く変化に乏しい作品になって自分も多分飽きっぽくなってたかもしれない。軍隊の訓練で目の敵にされてしこたまボコボコにされる姿とか絞首台に向かうシーンなどは、例え映画とはいえ観ててあんまり気分のいいものではないですし、そういうシーンばかりだけだとやはりちょっと辛い所がある・・だから豊松視点の他に妻の房江視点も本作に加えた事で、ドラマ部分も深みが増し、そして豊松をひたすらに想い信じ続ける夫婦の絆も一層強調されていたと思いますね。

今回主役の豊松を演じた中居正広は、『模倣犯』以来実に6年ぶりの映画出演。まあ模倣犯の方は自分もあんまり好きな映画では無かったので、本作でも最初に彼の演技を観た時はその6年前を彷彿とさせるような鼻のつく演技に見えちゃったのですが、戦犯容疑者としてジープに連れて行かれる場面や、房江と面会室で対面して泣き崩れる場面などは、素人目だけどなんとものこもった演技を見せてもらえた。なりきり役者の定番メニュー(?)である体重増減(約マイナス10kg)を敢行して挑んだ最後の遺書を書くシーンも、憎悪とも取れる目付きと痩せこけた頬がとても印象的です。
一方妻の房江を演じた仲間由紀恵は中居とは違い、ドラマだけじゃなく多数の映画で場数を踏んでるだけあって、非常に自然体で安定した演技を見せてくれる。しかし本作を観ると、中居の肉体改造とは異なり、仲間は中居のノーミス断髪や豪雪の中を歩いたりするシーンなどといった『度胸』と『忍耐』が求められるような演技が印象的だったように思う(笑
『巧妙が辻』見て無かったので、房江のような妻役ってのも自分にはどこか新鮮に見えてしまいました。


・・でも減刑から一転して絞首刑に戻ってしまうと言うこれ以上ない絶望感は、理不尽を通り越してもう訳が分からない個人的にはなんでそんなに判決がコロコロ変わってしまうのか劇中で説明して欲しかった所でもありましたが、けどそれくらい当時の占領軍の裁判もずさんだったと言う事でもあるんでしょうねぇ・・。あれだと嘆く豊松の気持ちも分かる気がします・・。
あとも1つ不満としては、劇中の月日の経過がちょっと曖昧で分かり辛かったですね。『蝉しぐれ』の記事の時にも書いたんですが、長い年月が経ったのなら横でも下でもいいので『○○年後』とかいう親切設定があれば自分は嬉しかったです。

『私は貝になりたい』公式サイト

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メビウスさん、こんばんは!

頭ジョキジョキシーン、私も見入りましたよ。

簡単なあらすじは知っていたけれど、かなり理不尽な話ですよね。
戦争はこんなものといえど、主人公に感情移入させられました。
そう重い内容でも、和みもあってみやすかったです。
面会のあたりとか、涙は出っぱなしでした^^ゞ

違った結末だったかも?

>アイマックさんこんばんわ♪

豊松は人を殺してないのに、それでもA級戦犯の扱いを受けてしまって絞首刑になってしまうというのは、もう差別にも似た理不尽さに見えましたね。・・でも豊松も裁判の説明で兵士はすでに死んでいた事を説明していればまた違った結果になってたんじゃないのかな~?とか思っちゃいました(汗

面会シーンは劇中で2度ありましたが、最初の面会はかなり胸を熱くさせられました。見てる側としては大体1時間くらいでしたが、豊松や房江の立場からして見れば約1年ぶりの再会でもありますから、号泣する気持ちも分かります。

こんにちわ

不朽の名作と呼ばれる『私は貝になりたい』を、私は本作で
初めて鑑賞したのですが、テーマ性としてもお話としてもとても
完成度が高かったです。

丸刈りシーンは「NG出したらどうすんだよう!?」ってな
意味不明なドキドキ感で私も見入っちゃいました(笑)。
中居さん本人曰く、刈られているときは相当に痛かったみたいです
ね(笑)。

中居さんの演技も、脚本も素晴らしいとは思ったのですが、
どうも過剰な演出や音楽が気になって、興ざめしながら観ていた
感じでした。おかげで思ったよりも全然泣けなかったです。

こんなにエンタメ色濃くしなくても良かったのでは?と思えたのが
残念だったかも。

こっちがオリジナル

>睦月さんこんばんわ♪

オリジナルの作品は今から半世紀も前のものなので、見てる方は結構少ないのではないでしょうか?それに見てたとしても克明に覚えてる人も限られてそうなので、どっちかと言えば本作が自分や睦月さんにとってオリジナルのようにも感じますね。

でも音楽の曲の過剰な演出は自分も気になる所がありました。豊松が絞首刑宣告をされるシーンなんて凄いうるさいですもんねぇ・・(汗)

こんばんは

中井正弘が予想外に良かったです。
オリジナルのフランキー堺とは異なる豊松像ですが、彼の物まねではなく、独自のキャラクターをしっかりと演じていたと思います。
テーマ的にも、最下層の人々が一番理不尽な立場におかれるという設定にしても、決して古びてはいないですね。
まあ根本的にな部分で、ちょっと引っかかる部分もあるのですが、良く出来た映画だと思います。

現代でも通じる

>ノラネコさんこんばんわ♪

なんでも中居自身はオリジナルの作品を見てないみたいなので、旧作に縛られない新鮮な中居豊松を演じていたと思いますね。
でも最下層の人々が一番理不尽で不当な扱いを受けると言うのは現代でも通じるところがありますよね。豊松のように上官の命令に逆らう事が出来ず、やりたくも無い事をやらされるというのは、会社で上司や先輩の言う事に逆らえず雑用などを嫌々やらされてしまうのに似てるかも・・・?(汗

こんにちは

『模倣犯』の時の中居君は、少々残念な印象でしたが、今回は迫真の演技という言葉がふさわしい熱演でした。手紙のシーンでの視線は本当に恐ろしかったです。
仲間由紀恵も、今までの役柄とは異なる肝っ玉母ちゃんを演じていましたね。
物語の内容だけでなく、役者の演技も大変見応えのある作品でした。

オリジナルを知っていますが

でも,これも別の味わいで成功した傑作だと思いました。
訴えてくるテーマはオリジナルと同じですし
オリジナルはモノクロってせいもあってひたすら暗く,怖く,そして惨くて・・・
それが傑作になった所以ですけど
リメイクは軽やかになってましたね。
でも自分としては,受けた感動は同じでしたよ。
中居くん,がんばっていたと思いますし
夫婦愛や家族愛をしっかり描いていたのもよかったと思いました。

こちらにも。
確かに音楽は過剰気味な感じもしましたね。
私は中居くんの演技は好きなのでちょっとひいき目で見てしまいましたけれど迫真の演技には泣かされました。
重いテーマのお話でしたが、時にクスッと笑えるシーンがあったのは良かったですね。

ノミネートするかな?

>えめきんさんこんばんわ♪

まあ模倣犯の頃は中居くんも今みたいにたくさんドラマに出て実績を積んでいませんでしたからしょうがない所もあるんですけどね~(^^;)でも本作では正に鬼気迫る演技を見せてくれて、遺書のシーンもその1つだったのではないかと思います。
出来れば来年の日アカにノミネートして欲しいものですが、キムタクみたいにジャニーズ関係者なもんですから辞退という可能性もありますね・・(汗

>ななさんこんばんわ♪

モノクロはずばりそのまま暗い映像ですもんね(^^;)軽やかになっていたのはキャスティングもそうですが、映像に色が付いてるおかげでもあるのかも?(汗
比較して自分も半世紀前の傑作を鑑賞したい所なんですけど、生憎どこにも置いてないんですよねぇ・・・。でも94年のテレビドラマでは所ジョージが演じてたそうで、ちょっと驚いてしまいました。

>ゆかりんさんこんばんわ♪

覚えてる限りでは豊松が絞首刑を言い渡されるシーン、そしてMPに連行されていくシーンがちょっと音楽過剰w個人的に音楽に関しては全編ほぼサイレントでもしっくり来たんじゃないかと思いますが、それでも豊松の絶望する心情を表現する意味では効果的に使われていたと思いますね。

戦争映画

重苦しくなりがちなテーマを、ノリの軽い中居君に演じさせたのが、良かったのかもしれませんね。

演技に魅せられた

>ひらりんさんこんばんわ♪

やっぱり中居くんはバラエティなどにもレギュラー出演してるせいか、こういう戦争映画でも妙に軽い感じで見られてしまう部分があるんでしょうね~(^^;)実際自分も最初はそんな感じでしたが、MPに強制的に逮捕されてからは普段の軽いイメージを払拭させる素晴らしい演技が色々と見れた気がします。特に面会室でのシーンとラストの遺書を書くシーンは必見ですね。

中居くんの代表作

メビウスさん、こんばんは^^
オリジナルは未見なので比較出来ませんが、
観て良かったと思える作品でした。
この映画を観る前、中居くんがTVで、泉ピン子さんらと貝のカブリ物をしながら市場で宣伝して歩いているのを見ちゃったんです~ なので「入り込めるかな・・・」と危惧しましたが、徴兵される辺りから、そんなことはすっかり飛んでしまいましたよ。
渾身の演技でしたね。特に死刑執行が確定したからの豊松。
誰の想いも報われない救いのない物語でしたが、
そういえば私も、どっとした疲労感は無かったかも・・・
草なぎ君演じる大西さんのシーンも印象に残るものでした。

思わぬ宣伝効果

>Anyさんこんばんわ♪

そいえば中居くんもバラエティ以外で本作を宣伝してましたが、ピン子さんの時同様あんまり真面目に宣伝してなかったよーな・・?(汗)疲労感無く見れたのは、中居くんのあっけらかんとした宣伝効果も含んでいるのかもしれませんね~w
でも彼の演技は久々に自分も目を見張るものがありました。中居くんの出演ドラマをなんにも見ていなかったせいもありますが、鬼気迫るものが観る側にも伝わりましたね。

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