人喰殺人鬼
【監督】ブラニー・ラッチャイヤブ/ニダースタット=ナ・アユタヤ
【出演】ドゥアン・ロン/チャッチャイ・プレンパニット/プレムシニー・ラタナソファ
【公開日】未公開
【レンタル日】2008/9.12
【製作】タイ

【ストーリー】
第二次大戦後の1946年、貧しい中国本土から遠縁の叔父を頼りにタイに移民としてやってきた青年シーウイは、タイでの仕事や新生活に僅かな希望を持っていた。しかし、彼を待ち受けていたのは過酷な労働と激しい差別だった。劣悪な環境の中で持病の喘息も次第に悪化していき、精神的にも肉体的にも追い詰められた彼は、唯一慕ってくれていた幼女を誤って死なせてしまう。
その時、善良な男の心が壊れ、幼児を狙った未曾有の猟奇殺人が始まる・・・
【コメント】
映画のジャンルで自分はスプラッタ系やグロいものが少々苦手で、実話モノが好みなんですけども、その2つのジャンルが見事にミックスされたのがこの『人喰殺人鬼』。なんとも直球なタイトルで、グロい部分もそれなりに含んでるだろうな~・・と懸念していましたが、若干怖いもの見たさの欲求と好きジャンルの魅力が自分の最後の躊躇いを吹き飛ばし、思い切って借りてみました。
そんな本作は、今から半世紀以上前にタイで実際に起きたという連続幼児殺人事件を基にした作品です。

しかし冒頭から自分の懸念はモロに的中。喘息持ちの主人公(殺人鬼)シーウイ(本名リーフイ)が、頻繁に咳き込みながら何かを捌いてるシーンから始まるのですが、その捌いてるモノを見た時自分は顔を思い切り顰めてしまった
薄暗い部屋と不気味な音楽も相乗して、早くもその異常性にドン引きしてしまいましたが、劇中ではリーフイがどういった経緯で幼児ばかりを狙う殺人鬼へと変貌したのか?その足跡を彼の過去などを絡めながら描かれていきます。

リーフイも最初は人殺しなんて行為とは無縁だったものの、ある1人の少女を誤って殺してしまった事がきっかけで彼の中にある『タガ』のようなものが外れてしまう・・。そこからは働き口や場所を転々としながら幼児を狙い、臓器を抜き取って喘息の発作を抑える飲み物を作るという凶行を繰り返すのですが、喘息を治すために人間の臓器を使うなんていう事を誰から教わったんだろうと思ったら、最後の最後でそのルーツが明らかになって『アンタが原因かよっ!!』と激しく突っ込んでしまいましたねぇ~
まあ世界大戦などが勃発していた当時は、喘息の薬を買うお金も無かったくらい貧困の時代が続いていたのもあるので、薬の代わりに何かを代用し、治そうとしたりするのは何となく分かりますけどね。愛する息子のためともなれば、正に藁にもすがる思いだったのではと思います。

また、本作でリーフイ役を演じていたドゥアン・ロンというタイの俳優さんの演技も鬼気迫るものがあって結構印象に残りましたね。殺人鬼のきっかけともなる少女のメイを殺してしまって泣き崩れるシーンや、気弱な性格から狂気の心を宿し形相を一変させるシーンなど、なんか演技の幅の広さを感じ取れました。タイの俳優さんはトニー・ジャーくらいしか知らないので、ドゥアン・ロンももしかしたらこの先頭角を現す俳優さんになるかもしれませんね~?


幼児の殺人描写もリアリティがあり、リーフイのサイコキラーっぷりも常軌を逸しててかなり怖かった内容でもあったのですが、それとは別にリーフイの不遇な立場にもちょっと同情してしまい、個人的には悲しい作品のようにも見えましたね。
メイの死の他にも、タイでの過酷な労働や人種差別から来る嫌がらせと言った彼の取り巻く劣悪な環境。そして貧困や戦争の後遺症など、様々な要素が重なり合ってリーフイを殺人に手を染める引き金となっていたみたいだったし、最後にダラという女性記者が言うように、彼は殺人者でもあると同時にその時代の犠牲者でもあったんだと思いますね。
悲劇の殺人鬼リーフイは1959年に処刑され、連続幼児殺人事件は幕を降りましたが、なんと処刑されたリーフイの遺体はその後ミイラ化され、今もなおタイの博物館に展示されているんだとかっ?!
う~む・・ちょっと悪趣味じゃないですかソレ?

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