大いなる陰謀(評価:○)

【監督】ロバート・レッドフォード
【出演】ロバート・レッドフォード/トム・クルーズ/メリル・ストリープ/マイケル・ペーニャ/アンドリュー・ガーフィールド/ケヴィン・ダン/デレク・ルーク
【公開日】2008/4.19
【製作】アメリカ
【ストーリー】
対テロ戦争をプロパガンダにし、大統領選へと野望を抱く上院議員のジャスパー。その裏に巨大な陰謀を感じ取ったTV番組のジャーナリスト・ジャニーンは、上院議員との会話の中から真実を暴こうと画策する。また、意義ある人生を送りたいと願う若者たちは、アフガニスタンで対テロ戦争に命をかける選択する。その若者たちの選択に誇りを感じながらも戸惑いを隠せない大学教授のマレー。
今、それぞれの思惑がひとつに繋がろうとした時、何も知らずにアフガニスタンで戦う若者たちの未来が、大きな陰謀のうねりに巻き込まれようとしていた・・・
ロバート・レッドフォードが久々にメガホンを取った本作は、アメリカが現在も抱えている『対テロ戦争』の問題とその裏側で関わる様々な人物の思想や思惑を描いた非常に骨太い作品。出演も兼任したレッドフォードに加え、メリル・ストリープ、そしてトム・クルーズの3人の豪華出演者のおかげもあってか、小難しい社会派ドラマの内容でも結構引き込まれるものがありました。
観終わったあと後ろのカプールが『ちょっとハズレだったね』と言っていたのは、内容を知らずに鑑賞したからなのか?はたまた純粋に肌に合わなかっただけなのか?その辺りは良く分かりませんが、観る人を選ぶというのは確かかもしれませんね。
対テロ戦争に勝利するための新作戦を口実に、更なる地位に上りつめる事を画策するジャスパー上院議員と、ジャスパーの本音を暴こうとするベテランジャーナリストのジャニーン。無駄に毎日を過ごしている学生のトッドと彼の才能を見抜き説得をするマレー教授。そしてマレーの教え子であり、ジャスパーの立案した作戦に参加する志願兵のアーリアンとアーネスト。・・・本作はこの3つのエピソードが同時進行で交互に展開されていくのですが、ジャスパーとジャニーンの討論にはじまり、マレーとトッドの対話と3つのうち2つが会話中心で進んでいくため、映画としての娯楽性は極めて低いように思えますね。議論も結構めまぐるしく、中には専門用語・・・と言うか難しい単語も少なくないので、付いて行けない人もいるかもしれない(--;)
それにこういったジャンルの作品は自分も正直苦手

でもプライベートでは政治家と同じくらい色々と叩かれてたトムだけど、いざ役を演じるとやはり雰囲気のようなものが違って見える。本作でも腹黒さ満点のジャスパーを熱演しており、メリルとの討論も言葉の駆け引きが幾重にも張り巡らされてるように感じ、終始地味なシーンだけどなんかハラハラさせられるシーンでもあったんですよね。そこが個人的には見応えがあって良かったです♪
テレビでも良く耳にする対テロ戦争の現状と現地で犠牲になっている米兵達の報道には胸を痛めるものがありますが、しかしそれとは逆に遠くで起こっている出来事で自分には直接関係ないと思っていた部分もあったため、『無関心』という言葉がアメリカの若い学生たちのみならず、自分にもグサッと突き刺さる的を射た

アーネストたちのように現状を憂い、志願兵となって行動を起こす事はさすがに出来ないけれど、問題提起のように投げかけた本作を観て、トッドみたいに考えや見方等を変える事は出来るかもしれませんね。
『大いなる陰謀』公式サイト

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