4分間のピアニスト

【監督】クリス・クラウス
【出演】モニカ・ブライブトロイ/ハンナー・ヘルツシュプルング/スヴェン・ピッピッヒ/リッキー・ミューラー/ヤスミン・タバタバイ
【公開日】2007/11.10
【製作】ドイツ

【ストーリー】
ピアノ教師として刑務所にやってきたクリューガーは、問題児とされている少女・ジェニーが机を鍵盤代わりに無心に指を動かす姿を見つける。愛に裏切られ続け、過ちを犯したジェニーの類まれなる才能を見抜いたクリューガーは、それを花開かせる事こそが、残り少ない自分の人生の使命だと考え、所長を説得して特別レッスンを始める。その日から全く違う世界に生きていた2つの魂のぶつかり合いが始まった・・・

【コメント】
ピアノの美しい演奏にも癒されましたが、反面暴力描写もなにかと多くて気が滅入る部分もあった本作。恨みに嫉妬といった負の感情が渦巻いてるドロドロした展開も多く、途中から『期待してたものとは・・・』なんて思った瞬間もありましたけど、タイトル通り最後の4分間では見事に盛り返したような感じが致します。

老女性教師と元・天才ピアニスト少女。この構図だけ見るとなんか『ミリオンダラー・ベイビー』のマギーとフランキーのような温かい師弟関係をふと思い出してしまったのですが、実際観てみたら自分が思っていたのとは全く違う真逆の関係性。『魂と魂のぶつかり合い』と言うのも妙に納得なフレーズであり、2人は事ある毎に衝突を繰り返していきます。
無実の罪で刑務所に服役しているジェニーはとにかく素行がひどく、その口の悪さや気性の激しさ、そして過激な暴力行為は、まるで剥き出しのナイフのような危なっかしいギラギラした印象を観る者に与える。冒頭でも目の前で首を吊ってる人がいるのに、然も平然とその首を吊ってる人のポケットからタバコをくすねて吹かす辺り、色んな意味で『只者じゃない・・・』とも思ってしまいました(^^;)

ピアニストとしての才能を見出した老教師のクリューガーとのレッスンの時もその性格はなかなか直らず、自分はいつかジェニーが我慢の限界を超えてクリューガーに暴力を振るうのではないかと終始ハラハラしており、内心とても落ち着いた鑑賞は出来なかったような気がしますね。・・・・・結果的に終盤で一瞬ぶち切れてワンパンかましてしまったジェニーなんですけど
けど彼女が人に対してあそこまで反抗的になるのは幼い頃の過去に原因があるわけで、劇中の彼女の語りから親の愛情や人からの優しさを与えられず育ったと言うことが大体想像付くのですけど、やはり個人的にはそういった原因の発端となった部分は、分かり易さも含めまして回想などを加えた方が彼女の辛さや苦しみといったものがより理解できたような気もしますねぇ。
クリューガー先生の過去だけは断片的に回想シーンとして次々映し出されるのですが、前半はずっと『この映像は何か意味があるのだろうか・・・』と、頭にマークが付きっぱなしだったのも正直な所です(汗


しかしラスト4分間で奏でるジェニーの最後の演奏は、弾き方こそ物凄い独特でしたが、彼女のありったけの感情や気持ちをそのまま表現したかのようで荒々しく、それでいてとても力強い正に『魂の叫び』とも言えるような曲だった。歌や曲で盛大且つ優雅なフィナーレを飾る作品は結構涙腺脆くしてしまう事もある自分なんですが、今回は涙ではなく全身の毛が逆立つような感覚を覚え圧倒されてしまいました。
あと、音楽に関する知識も豊富だとこの作品はもっと楽しめるかもしれませんね。自分は疎いので、クリューガーと看守のミュッツェの詩のやり取りのようなものが、残念な事に全然意味分からなかったです

『4分間のピアニスト』公式サイト

ブログランキング
↑FC2ブログランキングに参加しています。良ければクリックを♪
 
(原題:Vier minuten) 「いやあ、久しぶりに重量級の傑作を観たね。 ただ、困ってしまうのがこういう映画の場合、 そのよさを言葉で伝えにくいんだな」 ----ん?確か、この映画って 女性が手錠で縛られていて 後ろ向きにピアノを弾いているビジュアルのヤツだよね。 ち?...
■動機 MOVIX CINEMA SELECTION ■感想 驚いた。 ■満足度 ★★★★★★★ まんぞく ■あらすじ 80歳になるクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も貯金して新しいピアノを購入するが運送に失敗し、そ?...
  狂気的で、刺激的だけど、天才ピアニストジェニーの魅力に翻弄された誰もこの作品を観たら、絶対感動で震えが走るに違いない。絶対に・・・・・。 ? ? 「ボーン・アルティメイタム」鑑賞後、はしごした映画でした。同じシアターでの上映です。珍しくシネコンでこの...
映画館にて「4分間のピアニスト」 2007年ドイツアカデミー賞作品賞受賞作。 おはなし:80歳になるクリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は60年以上女子刑務所でピアノを教えている。刑務所内でジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という逸材と出会い、彼女の才?...
JUGEMテーマ:映画 2006年/ドイツ 監督:クリス・クラウス 出演:モニカ・ブライブトロイ(クリューガー)    ハンナー・ヘルッシュプルング(ジェニー)    スヴェン・ピッピッヒ(ミュッツエ) 予告を見て、けっこう気になっていた作品です。
評価:80点
人気ブログランキングの順位は? 類まれな才能を持ちながらも、 人生は過ちばかり 自由をつかむために 彼女に残された演奏時間は、 たったの4分間だった──。 弾く時だけわかる。 何のために生まれてきたか。
なんとも,洒落た・・・というか意味ありげな,センスのよい邦題だ。加えて,手錠につながれたヒロインの後姿のポスターに,ひどく興味をそそられる。 あらすじ: 80歳になるトラウデ(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も...
【VIER MINUTEN/FOUR MINUTES】2007/11/10公開製作国:ドイツ監督・脚本:クリス・クラウス出演:モニカ・ブライブトロイ、ハンナー・ヘルツシュプルング、スヴェン・ピッピッヒ、リッキー・ミューラー、ヤスミン・タバタバイ “弾く時だけわかる。何のために生まれてき?...
あらすじ刑務所で受刑者たちにピアノを教えるクリューガーはある日、稀に見る才能の持ち主ジェニーに出会う。反抗的で暴力的なジェニーは、幼い頃から神童と騒がれた天才少女だったが、今では刑務所内随一の問題児となっていた。嫉妬心と憎悪を露にする看守や受刑者仲間の...
2010年一本目の作品はテレビ録画版の本作。
VIER MINUTEN / FOUR MINUTES 2006年:ドイツ 監督:クリス・クラウス 出演:ハンナー・ヘルツシュプルング、スヴェン・ピッピッヒ、リッキー・ミューラー、ヤスミン・タバタバイ、モニカ・ブライブトロイ ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガー?...

コメントの投稿

非公開コメント

緊迫感に飛んだ映画でしたね。
ジェニーを演じた女優は、彼女に魂が乗り移ったみたい。
また、クリューガー先生の方も、
その視線の一つひとつが観る者を納得させてくれる。
恐るべしドイツ映画界。
次から次に傑作を輩出している裏には
役者層の厚さもあるんだなと思わずにはいられませんでした。

ホント恐るべしです

>えいさんこんばんわ♪

お恥ずかしながらドイツ映画を殆ど観ていない自分なんですけど、本作を観て改めてドイツ映画の素晴らしさみたいなものが分かったような気がします。
ジェニーを演じた女優さんも新人とは思えない熱演振りでしたし、クリューガー先生を演じた女優さんも、実年齢より老いた設定の老教師を特殊メイクで演じたらしいので、双方とも役作りの徹底さという面も伺えました。
ドイツ映画って娯楽的要素を含んだ映画よりも、こういった深いテーマを持った作品が多いから、最近話題になってるんでしょうね。

メビウスさん
今晩は☆彡
コメント・TBどうもです!
今パソコンのネットが繋がらない状態で(^_^;)
違う場所でコメント書き込んでいます。
迫力のある作品でしたね。主人公を演じたハンナーは
ピアノは弾けないらしいですよ。少しは練習したとは
聞いておりますが。またパソコンが直ったら宜しくです!!

こんばんは☆
ドイツ映画は結構重たくて、くらーい作品が多いですよね;
フランスパンは皮はパリッと中はフワフワですが、ドイツのパンはずっしり重くなんとなく味も酸味があるというか…。
映画もパンみたいだわーなんて思っていたりしたのでした。笑

最後の4分間を体感する為に色んな演出が効いてくるのかなあ…なんて。ホント鳥肌ものでしたよね。こういうジャンルの生演奏はすっごいですよ。大迫力で;
一度こんな演奏を目の前で聴いてしまうと、他のピアノ曲が物足りなく感じます;ただのクラシックじゃないところが◎でした。

こんばんわです。
あの詞のやり取りはクラシックとかオペラとか、そういう類のものですかね、やっぱり。
気になってはいたんですが、気にしすぎるとキリがないので諦めちゃいました^^;
色々と知っている人は、もっと深く楽しめる映画っぽいですね。
奥が深いです。

鍛えたいところっ

>mezzotintさんこんばんわ♪

ジェニー役のハンナーはピアノが弾けなくとも、劇中では凄くピアノが上手い雰囲気を作ってた辺り、編集の上手さと言うのも感じ取れますね。これでピアノもプロ級で演奏してるのが全てハンナーだったら、自分も最高評価を付けていたでしょうね~♪
それとパソコン早く直るといいですね。自分も1日1回は繋いでるので、壊れてしまうとちょっと困ってしまいますw

>シャーロットさんこんばんわ♪

ドイツ映画は内容が重い反面、作品のテーマが凄く深くて考えさせられるものが多い気がしますね。表面上の鑑賞が多い自分には正直肌に合わなそうな作風ですけど、根底にあるテーマを見抜けばより一層面白く観れるのも事実。ドイツ映画をもっと鑑賞して、着眼点を鍛えたい所ですね。クラシックもあまり聴かないしそこも・・・・・って鍛える事ばかりのような・・・(汗

>あるきりおんさんこんばんわ♪

クリューガー先生とミュッツェの詩のやり取りは分からなかったものの、聞いた感じではあるきおんさんの言うようにオペラ奏者が歌いそうな詩の内容に感じますね。オペラすらまともに見たこと無い自分ですけど(滝汗
あまり笑わせる要素が盛り込まれていなかった分、こういう細かい部分でも楽しめればと思いましたが、自分もお手上げだったので諦めちゃいました(^^;)

TB&コメントありがとうございました

メビウスさん、こんばんは♪
そちらでは今公開中ですか?
金沢のフィルムがそちらに行ったかな?(笑)
音楽がフィーチャーされた作品って無条件にポイントが高いんです。
ラストの演奏ですけど、驚きましたね~。
コンクールの行方が気になりました。
あの意地悪看守も、彼なりにクリューガー先生を崇拝していたんですよね。
ジェニーに嫉妬してたんですんね~。

乗り遅れですw

>ミチさんこんばんわ♪

短い期間の上映でしたが、自分もやっと観れました。ホント、金沢のフィルムが順次で回ってきたのかもしれませんね(笑)
本作は2週間の上映だけだったのでもう終わってしまったのですが、その代わりのように『ヒトラーの贋札』が公開されましたよ。と言いますか、ドイツとフランスの映画は地元だとかなり遅いんですよね・・。おかげで自分だけ乗り遅れているような気がします(汗

ジェニー最後に取り押さえられてしまいましたけど、あの後彼女の演奏が口コミなどで話題になって有名になってしまったのではないでしょうか?無実の罪の容疑も晴れて、第2の人生がスタートしてる事を祈りたいものですね♪

なんといっても最後のあの4分間は凄かったですね。
自分としては、あの演奏をどう反応していいのかわからず・・・
でもしばらくたった後から拍手がわきあがったとき、
なんだかホットしましたね~。
全身全霊で演奏したんだと感じました。

鳥肌が・・

>えふさんこんばんわ♪

最初の方こそしっかりと弾いていたジェニーでしたが、途中から曲がガラリと変わってしまって自分も混乱してしまいましたね(^^;)最後の最後までクリューガー先生の期待を裏切る気なのか?と思いましたが、どんどん聞いていくと自然と鳥肌が立っていたのが分かりました。
斬新なのもそうですが、全身全霊で演奏したジェニーの姿も見たからこそ、その場にいた観客は胸を打たれて拍手を贈ったんでしょうね。それに対してお辞儀で敬意を表した最後のジェニーも印象的ですね♪

こんばんは

ドイツの音楽映画は,癒し系や,達成系ではなく
ほんとにハードな一面がありますね。
背景にナチス・ドイツがぷんぷんするものが多いです。
私も,二人の女性の過去がもっと詳しく知りたかったですね。
特にジェニーのあのキレやすさの原因をもっと書き込んでほしかったかな・・・。
でも,強烈な余韻のある,素晴らしい作品と音楽だったと思います。
あの看守と教師との謎かけのようなやりとりは,いろんなオペラの中の有名なセリフですね~~。半分くらいは聞き覚えがありました。

背景

>ななさんこんばんわ♪

背景にナチス・ドイツ・・・(^▽^;)確かに自分もドイツと聞いて真っ先に思い出すものの1つとしてナチスがありますね。けどそれっておそらく自分だけじゃないと思うし、ドイツ国民もそうであると思うから、ドイツ映画の多くは自国の歴史に関係する作品が多数占めているんでしょうね~・・。
重い内容ではあるんですけど、ドイツ作品は色んな映画祭で素晴らしい実績を上げたりもするので、自分も目が離せないです・・・・といっても公開するときは大抵単館なので、なかなか手が出せません・・(汗

こんにちは、お久しぶりになってしまいました。
いやー、ラスト4分間は印象に残るシーンでしたね。
普通に感動ものだと思ってたらいい意味で裏切られました。
なかなか好みの作品でしたよ。

深イイ

>ゆかりんさんこんにちは♪ご無沙汰しております

個人的に今までピアノといった音楽を扱った作品は結構感動モノが多かったのですが、本作に限ってはちょっと違う雰囲気がありましたね。最後の4分間に到るまで暴力描写がとにかく多い事多い事(^▽^;)でもドイツの映画は単純なものがなく、深い作品ばかりだから、後になってかなり印象に残るものが多いんですよね。この作品もそうでしたっ♪


コメントありがとうございました

私は逆に、回想シーンが分かりやす過ぎなので
もっと分かりにくくすれば良いのにと思いました(笑)
あまり説明過多のものより、想像する余地を残すぐらいが
個人的には好みなもので。
あのお辞儀は鳥肌が立ちました。

整理出来ず・・

>YOSHIYU機さんこんばんわ♪

回想シーンがぶつ切り間隔だったので、自分はちょっと脳内整理が追い付きませんでしたね~(汗)でもクリューガー先生の過去もそうですが、ジェニーの過去も出来れば分かり易い回想付けて欲しかったな~と思いましたね。自分であれこれ考えるよりも、やっぱり映像に頼ってしまいます・・(汗

こんにちは。
最近ブログをはじめました
ジェニーは実にかっこよかったですねえ。
美的固定観念やら音楽のスタイルやら棚やらミュッツェやら、
あらゆるものをぶち壊す!

ジェニーのとりこになりましたよ。

天と地

>gさんこんばんわ♪初めまして。

ピアノとかで連想する作品として自分が印象深く残ってるのは『戦場のピアニスト』だったので、その戦場のピアニストで奏でられた繊細で美しい音楽と、本作のジェニーの荒々しい音楽と比較すると正に天と地だったんですよねぇ~w
でもジェニーの音色は荒々しくも解放的で自由な音楽でしたし、聴いた後は凄い圧倒されてしまいますよね。突出した才能を持つ人物の感性などは、たまに凡人には到底理解できないものがあったりしますけど、ジェニーもその部類に入るんじゃないでしょうかね~?あれで真っ当な人生を歩んでいれば、きっと凄いピアニストになれたでしょうね。

ドイツ映画

日本に来るドイツ映画は、どこか第二次大戦を引きづってる作品が多い気がしますね。
だから重苦しい雰囲気を感じちゃうんですね。
真面目で勤勉・・・という国民性は日本人に近いものがありそうだけど、
そんな中にも、同性愛があったり、DVがあったり・・・
行き場のない青春があったり・・・
なかなか見ごたえはありました。

疎遠気味

>ひらりんさんこんにちは♪

エンタメ系に凝り固まってるせいで、最近は重い作品や社会派な作品が疎遠になってしまい、必然的に本作のようなドイツ映画からも遠ざかってる感じがする今日この頃だったりします・・(汗

でもドイツはナチスやヒトラーといった黒歴史がある分、やっぱり戦争映画のような重厚な作品に寄ってる傾向はありますよね。そこに色々な社会的暗部なども織り交ぜて、衝撃的で印象的な内容に仕上げてるから、重苦しくとも絶賛出来る作品が多いんだろうとも思いますし、本作もまた然りですね♪

PAGETOP