アメリカン・ギャングスター(評価:◎)

【監督】リドリー・スコット
【出演】デンゼル・ワシントン/ラッセル・クロウ/キューバ・グッディングJr/カーラ・グギーノ/ジョン・オーティス/RZA
【公開日】2008/2.1
【製作】アメリカ
【ストーリー】
1970年代初頭のニューヨーク。ハーレムを仕切っていたボスの運転手をしていたフランク・ルーカスは、ボスの死後、東南アジアの麻薬を独自のルートとビジネスによって成功を収め、瞬く間にハーレム一帯を仕切る麻薬王へとのし上がる。一方、相棒を麻薬中毒によって失った刑事のリッチーは新たな麻薬捜査班を組織し、こちらも独自の捜査方法を用いて供給ルートの追及に心血を注いでいた・・・
革新的なアイデアで運転手から麻薬王へとのし上がった黒人ギャング、フランク・ルーカスと、彼を追う不正嫌いの刑事、リッチー・ロバーツの攻防を描いた本作。互いの進む道を交互に映し出し、その2人の道がやがて1つに交わっていく過程の見せ方が上手くて、2時間半と言う長丁場でも全然飽きず、自分もどっぷり引き込まれていました。
裏の世界で成功を収めたと言う点では、以前観たニコラス・ケイジ主演の『ロード・オブ・ウォー』もありましたが、本作のフランクの麻薬ビジネスも武器商人ユーリー・オルロフの時と同様、普段絶対お目に掛かれない職業なので興味深く鑑賞出来た部分がたくさんありました。
実際麻薬の事は知ってるようで全然知りませんし、それをフランクの半生を通しながら色々と見せてもらった気がする。主としてはベトナム戦争時に多数の兵士達が麻薬を服用してた事や、作業場で麻薬を盗ませないために衣服を脱いで仕事をさせていたりと初耳な事ばかり。
純度そのままで生産元から軍用機を隠れ蓑に利用して直輸入するフランクの密輸方法も大胆で驚かされ、家電量販店の方法をそのまま応用したというビジネススタイルも、裏の世界のやり方としては変わっています。
刑事のリッチーも汚職や賄賂が当然の如く行われている同僚達を尻目にし、不正や誘惑に負けないベテランの刑事たちを集めてフランクの足取りを追っていく。途中トルーポら悪徳刑事たちの横やりあり、プライベートでは息子の養育権で妻との戦いありと悩みや苦労のタネが尽きないリッチーなものの、粘り強い捜査と仲間達の協力もあって徐々に追い詰める緊迫なムードもまた見応えありですね。
・・・しかしリッチーのもとに集まったあの刑事たちも、後々になってリッチーの元相棒のように麻薬の誘惑に負けて思わぬトラブルが発生する・・・なんて場面も想像して内心ハラハラ

彼らとの連携プレーも素晴らしく、ブルーマジックの作業場に潜入するシーンでその無駄の無い動きが垣間見れる。そしてそこから一気に部屋に突入して銃声、叫び、逃げ惑う人々で乱れる室内銃撃戦が凄い迫力で圧倒されてしまいましたね。フランクの弟をリッチーが追うシーンも迫力ありましたが、カメラ

そうそう、『気持ち悪い』と言えば、少し前のとあるディスコの場面でもライトがパパパッと点滅するシーンがありそこも非常に目に悪い。リドリー・スコット監督はおそらく『バベル』を観ていなかったんでしょうね(汗
好みもあるでしょうけど、実話に基づいた作品は自分の好きなジャンルの1つですし、それに女性の裸が露になってるセクシーなシーンも何かと多かったので、そう言った部分も含めて個人的には見応えのあった作品ですね(笑)
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターの演技対決も必見ですし、終盤の取調室の様な部屋で2人が面と向かって話し合うシーンもただならぬ雰囲気に溢れ、ここもまた好きな場面♪
時折冷徹な部分を覗かせるデンゼルの演技は自分も凄いと思ったので、ゴールデングローブ賞の主演男優賞は接戦だったのでは?と思ってしまいます。
『アメリカン・ギャングスター』公式サイト

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