サンシャイン2057(評価:△)

【監督】ダニー・ボイル
【出演】キリアン・マーフィ/真田広之/ミシェル・ヨー/クリス・エヴァンス/ローズ・バーン/トロイ・ギャリティ/ベネディクト・ウォン/クリフ・カーティス/マーク・ストロング
【公開日】2007/4.14
【製作】アメリカ
【ストーリー】
50年後の近未来、太陽の消滅により地球は滅亡の危機にさらされていた。人類最後の望みを託されたのは、宇宙船イカロス2号に搭乗した船長カネダや物理学者のキャパら男女8人のエリートたち。彼らの目的は可能な限り太陽に接近し、核爆弾を使って太陽を再生させるという危険な任務に挑もうとしていたが、その途中で想像を絶する異常事態に巻き込まれてゆく・・・
【コメント】
この作品も最初は『アルマゲドン』や『ザ・コア』のように、地球の危機を救うSFものかと思いましたが、どんどん観て行くとそれらとは若干毛色が違う雰囲気を持っているのが感じ取れました。
宇宙船と言う限定された空間の中で起こる苛立ちやストレス等が蓄積されて些細なミスを起こしたり、酸素の消費量を減らし託された任務を遂行するため仲間を犠牲にするといったように、何だか人間の精神面の脆さや危うさを描いてる部分が結構多かったです。
イカロス1号が出てくる後半からは4人しかいない宇宙船の中に謎の5人目が潜んでいると言う不気味な展開になり、そこからはもうSFと言うよりサスペンス要素の方が強かったのですが、個人的にこの5人目の存在は後半部分でもう少し長く引っ張って欲しかった所でもありますね。正体の分からない5人目に乗組員がどんどん殺されていくっていう内容の方がかなりドキドキしながら観れるとも思いますし、コンピューターのイカロスも『展望室です』って即答しないで、『分かりません、不明です』って感じで渋ればよかったのに・・・(^^;)
それともう1つの不満としては所々に少し観難い映像表現が含まれていた点でしょうか。暗がりなシーンも結構出てくるので、そこで何してるのかイマイチ把握できない部分もあったり、5人目のあの人もモザイク処理掛かってるかのように姿がブレてて『その表現なんか意味あるの?』って感じもしましたし、同様にイカロス1号のクルーをサブリミナル効果のようにパッパッと映し出す表現も訳が分からなかったりする・・。あとこれも個人的ですけど、時折太陽光があまりに眩し過ぎて、あれはまるで天津飯の太陽拳をモロに食らってるような感覚でしたね(^▽^;)
必要以上に目を細めて鑑賞してたので、自分もカネダやサールのようにサングラスとか欲しかった所です。
CGの太陽やクライマックスの突入シーンの映像美などにも確かに見応えは感じましたし、最後も太陽光が地球に注いで良かった良かったでしたけど、やはりどうも地球を救ったって感じが薄いように思える。始まりから宇宙空間だったし、太陽光の届かない地球がどんな状況になってるのか全く説明されていなかったのもあり、危機感のようなものが伝わってこなかったんですよね~。
今思えばこの映画を観たかった理由は恐らく真田広之目当てだったような気がしますが、その彼が演じたキャプテンカネダは真っ先に太陽熱で瞬殺されてしまってガック死。『大帝の剣』の権三の言葉を借りて締めさせて頂くと、何とも『あらららら~?』な映画でした。
『サンシャイン2057』公式サイト
