蒼き狼 地果て海尽きるまで(評価:○)

【監督】澤井信一郎
【出演】反町隆史/菊川怜/若村麻由美/袴田吉彦/松山ケンイチ/Ara/津川雅彦/松方弘樹/他
【公開日】2007/3.3
【製作】日本、モンゴル
【ストーリー】
12世紀末のモンゴル。モンゴル部族の長の息子として生まれ、彼らの始祖“蒼き狼”の生まれ変わりと言われたテムジンは、モンゴルの未来を担う存在として大切に育てられた。ところが14歳で父親を対立する部族に殺されると全てが一変する。母親が敵から略奪された身である事を理由に、父の部下たちに見捨てられてしまう。その上母は父と出会う前にすでにテムジンを身篭っていたという疑いが向けられる。苦悩しながらも不屈の魂を持つテムジンは、家族を守るため、そして自らが“蒼き狼”の血筋である事を証明するため、様々な困難に立ち向かっていく・・
【コメント】
学生の頃歴史の教科書で一度は聞いた事があるチンギス・ハーンという名前ですが、正直モンゴルを統一した偉大な人物と言うこと以外、自分も殆ど記憶に無かったりします(^^;)
今の歴史の教科書には劇中でもあったテムジン(チンギス・ハーン)の生い立ちや、部族間同士の争い、それに女性が戦利品と言う扱いを受けていた事まで詳しく載せているのか定かではありませんが、なんにせよ自分の知らなかった当時のモンゴルの情勢や、テムジンの凄絶な人生を描いてる本作は、『へぇ~』と思いながら新しい知識を脳に取り入れての鑑賞でもあった気がしますw
しかし構想27年、総製作費30億円の壮大な歴史超大作と銘打ってはいるものの、イマイチ『壮大』って雰囲気が伝わってこないのは、やっぱり日本人ばかりが主要キャスト等を演じている為か、どうにもアンチモンゴルみたいに見えてしまうんですよねぇ・・(汗
せっかく合作してるんですから、地元モンゴルの役者さんも主要キャストに加えて共演させて欲しかった所もありますね。それに日本語オンリーなモンゴルってのもやっぱり奇妙ですね。
でもモンゴルの軍の人達も協力した大平原での騎馬戦や、反町ハーンの即位式で使われた何万人ものエキストラ陣といったように、CGに頼らない本格的な部分等は中々見応えがありました。
即位式のシーンなんて、遠くにいる人達は絶対一部CGかと思ってしまいましたが、全部モノホンらしいですね。・・だけでモノホン故にか、ちょっと痛いシーンを発見してしまったんですよね・・。即位式でチンギス隆史が熱弁してる最中にエキストラの群集が一瞬映るシーンがあるのですが、そのシーンで大きくアクビしてるガキがいたんですけど・・(^▽^;)あれは気のせいでも見間違いでもないと思うんですけどね~?自分以外にも、他に発見した人がいればいいんですけどっ(苦笑
オールモンゴルロケも敢行し、日本でのスクリーン公開も400以上。そして本作の宣伝費用も膨大であったりと、邦画史上空前のスケールとなった『蒼き狼』ですが、全体的に観るとあまり突出したものが感じられず、個人的には淡々と観ただけの2時間30分だった気がします。
CG過多にならずリアル志向な戦闘シーンも確かに良かったんですけど、正面突撃のみの戦い方ばかりで何だか凄く単調にも見えてしまい、夜中に奇襲をかけるとか、別働隊を背後に回して挟み撃ちにする!とか、もう少し多彩な戦略も見たかったんですけどね。
テングリやアンダと言ったモンゴル特有の言語にもちょっと戸惑い気味でした

【3/6追記】
5日の深夜に本作のメイキングみたいなものが放映されていたので見たのですが、やっぱり自分って表面上の部分でしか観てなかった事を実感しました・・(--;)
騎馬戦で馬が入り乱れている中でのスタッフの命懸けの撮影や、即位式のシーンのためだけに1億ポポ~ンとつぎ込んだり、エキストラを運ぶため町のバスを全部チャーターしたりと、改めてスケールを大きさを実感した感じです。
表面上で観た評価としては↑の通り○ですが、出演者やスタッフ、それにエキストラの皆さんの陰ながらの努力も踏まえると、1つ評価を上げて◎としたいです♪
『蒼き狼 地果て海尽きるまで』公式サイト
