フラガール(評価:☆)

【監督】李相日
【出演】松雪泰子/豊川悦司/蒼井優/山崎静代/池津祥子/徳永えり/岸部一徳/富司純子/他
【公開日】2006/9.23
【製作】日本
【ストーリー】
昭和40年。エネルギー革命により需要は石炭から石油へと移り代わり、世界中の炭鉱が次々と閉山。福島県いわき市にある常磐炭鉱も例外ではなかった。そんな中、炭鉱会社は地元の温泉を活かしたレジャー施設『常磐ハワイアンセンター』の建設を計画していた。そして目玉となるのはフラダンスのショー。早速、本場ハワイでフラダンスを学び、SKD(松竹歌劇団)でも踊っていたという平山まどかを講師として招き、地元の娘たちのダンス特訓を始めるが・・・
【コメント】
映画鑑賞がご無沙汰になる出張前に、この映画を観れて本当に良かったですよ♪期待していた以上の作品の出来映えに感涙。実話モノと言う自分の好きなジャンルも手伝い、今年の邦画トップ10入り決定ですね♪d(>▽< )
本作は福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生秘話と、そこで昔から炭鉱業を営んでいる町の人々のドラマ、そして廃れ行く町を何とかしようとフラダンスに挑む炭鉱の女性達の奮闘ぶりを描いています。
最初こそ嫌々な気持ちや恥ずかしさでやる気が全く無かった炭鉱娘達だったけど、町を救う為一致団結の思いでフラダンスの練習に励む姿がどことなくスポ根風味で楽しく観る事が出来ます♪
個人的にスポ根の醍醐味の1つとして、ド素人だった人が練習に練習を重ね、そして様々な苦悩や葛藤を経験しながらも素晴らしい結果を残す・・・。その結果に到るまでの成長する姿が面白いと思ってるんですけど、本作にもそんな醍醐味が含まれていて、何とも自分好みの展開でしたね。

また、この頃はちょうど石炭から石油へと変わりつつあるエネルギー革命の時代というのもあり、それまで炭鉱で生計を立ててきた町の人々にとっては正に死活問題。石炭に変わる新たな事業のため、常磐ハワイアンセンターの設立を提案するも、炭鉱をやめレジャー施設を作る事に猛反発する住民達の怒りの声。古いものから新しいものに変わる事への不満や衝突。そう言った簡単に見過ごす事の出来ない問題と苦難苦境の連続が、ストーリーや人間ドラマに一層の深みを与えているように思えます。

そしてフラダンスを踊る女性達が活躍するだけあり、演じている女優陣達もとても素晴らしいです☆
フラダンスを教える平山まどか役の松雪泰子に、フラガールのリーダーを務める谷川紀美子役の蒼井優、熊野小百合役を演じた南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代といった面々が、プロ顔負け(?)のようなフラダンスを披露する。
公式サイトに初子役を演じた池津祥子さんの『フラガールへの道』も事前に読んでいたので、3ヶ月と言う猛特訓の成果がスクリーンを通して良く分かるし、最後に大勢のお客さんの前で踊るシーンなんかは涙が出て来てしまいましたですよ。

そうそう涙と言えばしずちゃんですしずちゃん。彼女は踊りも素晴らしかったですが、女優として見ても中々良かったです。お父さんの報せを聞いて涙を流したシーンに胸を締め付けられました・・・
地元の映画館でもこの映画の予告編が全く流れていなかったので見逃してしまう人もいるかもしれませんが、この作品は本当にオススメ出来るので観ないとマジで損しますよー。
自分だったらもうこの際、他人に映画料金渡してでも『とにかく観て来い』と言いたいですね(^▽^;)
第79回のアカデミー賞外国語映画賞部門にも選ばれたので、今度はそちらにも期待ですけど、字幕だとあの岸部一徳の最高に笑える訛りギレをどう表現するんでしょうかね?自分だって半分も理解できなかったのに・・・
『フラガール』公式サイト
