ゲド戦記(評価:△)

【監督】宮崎吾郎
【声の出演】岡田准一/手嶌葵/田中裕子/香川照之/風吹ジュン/菅原文太
【公開日】2006/7.29
【製作】日本
【ストーリー】
多島海世界アースシー。西海域の果てに棲む竜が突如、人間の世界である東の海に現れた。それに呼応するかのように、農民は田畑を捨て、職人はモノを作らなくなるといったように、世界では様々な異変が起こり始めていた。
世界の均衡を崩す元凶を探るため旅に出た大賢人ゲドは、道中で国を捨てた王子アレンと出会い共に旅をする事になるが・・・
【コメント】
テルーの火傷の跡・・・・あれ火傷っていうよりもただ単に肌の色が違うだけじゃないですか?それともさりげなくブラック・ジャックへのオマージュなんでしょうか?
本作は宮崎駿の長男・宮崎吾郎が初監督を務めた記念すべきジブリ作品。父に代わりジュニアが監督と言う事もあって、話題性も高かった反面、監督としては実力不足など酷評もそれ相応にあったのも否めず、自分としても今までのジブリ作品以上に期待と不安が入り混じった観賞となりました。
原作も読んでいなかったので全然知らなかったんですが、『ゲド戦記』のストーリーは全6巻ある原作の3巻目辺りが舞台となっているらしく、宮崎吾郎はその3巻目に魅力を感じたとの事。・・・でも自分は魅力を感じる前に、本作の世界観や主人公であるゲドと他の登場人物との人間関係がイマイチ不透明なように感じたんですよね。
ゲドが墓所から救ってくれたとテナーが言ってましたけど、その墓所の事もそう深く説明しておらず何とも淡白。原作を読んだ人になら分かるって事なんでしょうけど、未読な人にはやはりかなりの説明不足を思わせます。そういう意味ではゲドとクモの因縁も同様ですね。
後、テナーの家に居候してからののほほ~んとした日々もずっと観てるとある意味苦痛。何と言うかこう・・・いつグワッ(;ノ`□´)ノと盛り上がる展開になるのかなと思って待ってたんですが・・・・子供は多分飽きますよ?自分も飽きましたし( ̄▽ ̄;)
声優に関しては今回も豪華なキャスティングでしたけど、個人的には文太さんと香川照之しか上手いとは言えなかったですね。と言うかクモの声は何でエボシな田中裕子なんでしょう?自分ずっとクモは女性だと思ってましたよ・・・(^^;)(汗
それと問題のテルーの声を演じていた手嶌葵。
確かに彼女の歌う『テルーの唄』はいい歌だし自分も結構好きです♪公開前にラジオやらテレビやらでバンバン流れてましたし、詩も分かり易く聞く度に味が出てくる感じ。
でも歌と声が合ってたからって、彼女をそのままテルー役に起用するジュニアの采配は間違いじゃないですか?。声優としての実力度外視のようにも見えるんですけど・・・(--;)鈴木敏夫プロもよく了承したものです。
監督としての経験不足がそのまま映画にも影響を及ぼしているかのようにも見えるスタジオジブリ最新作『ゲド戦記』。
でもたった1作で父親と肩並び、あるいはそれ以上の作品を作ったらそれこそ父親以上の才能の持ち主なので、素人にも近い宮崎吾郎の実力を考えたら、これでも渾身の出来なのかもしれませんね。
こうなったら後はもうホールマークのゲドに期待するしかありません。
『ゲド戦記』公式サイト
