子ぎつねへレン(評価:○)

【監督】河野圭太
【出演】大沢たかお/深澤嵐/小林涼子/松雪泰子
【公開日】2006/3.18
【製作】日本
【ストーリー】
春の陽射しが輝く北海道で、東京からやってきた少年・太一は、ある日道端にうずくまったまま動かない一匹の子ぎつねに出会った。太一は寂しそうな子ぎつねの姿を、カメラマンの母親に置いて行かれたった1人で森の中の動物診療所に預けられた自分と重ねてしまい、子ぎつねを抱えると彼は診療所に持ち帰り、その子ぎつねの名前を『ヘレン』と名付け一生懸命に育てようとする・・
【コメント】
『南極物語』ではシベリアンハスキーのマックスらを観て、トドメはへレンでアニマルヒーリング全開な3月と行きたかったですが・・・なんか癒されたというよりも、どっちかと言えば考えさせられた?(??;)
予告編じゃ結構癒されたのに・・
これもまた実話を基にした原作の映画化。しかし主人公が小学生の子供となってる辺り、またちょこっといじってるみたいですね。原作では獣医からの視点らしいですが、小学生にした方が子供向けにも適してるからだと思いますね。
ストーリーはヘレンと出会った太一が人間的成長遂げる様子を主に描いているのですが、子供+動物って来たら何かもうそれだけで『癒し』の定番みたいになっちゃいますね。北海道の広大で美しい自然も相乗効果を与えています。
また、太一の成長物語の他にもペットを飼ってる人達に忠告を促しているようなシーンも見られ、美鈴役の小林涼子が『飼い主の身勝手な都合で動物達が辛い目にあってる』と言うシーンがあるのですが、身に覚えのある人にとっては結構グサリと来る言葉なのでは?
映画に出てくるヘレンは確かに可愛い。でもペットを飼う人って殆どがその『可愛い♪』って言う第一印象で飼う事を決めちゃったりする人が大多数だと思います。しかし結局は飽きちゃったり、飼う事が難しくなって捨ててしまったりするのが現状なんですよね、(ごく一部ではありますけど)
この映画を観て、ペットを飼いたいって人もおそらくはいるとは思いますが、だけど『可愛い』と言う安易な目的だけじゃなく、ちゃんとその後も見据えて飼う事を決めないと、劇中の矢島動物診療所のような所は増え続ける一方だと思いますね~。太一の成長物語よりも、自分はそっちの方を考えちゃったり。
後、この映画でも動物達の演技は結構上手かったです♪ヘレンが暴れたり苦しんだりするシーンもなんか演技とは思えないくらいでしたし、ヘレンの他でいったら犬のロッシやオウムのカネコさんも中々良かった♪特にカネコさんは『タスケテ!タスケテ!タスケテ~!!』と誤解を招くような人間の声マネを発してて面白かったです。でも飼い主のカネコさんって人は一体どんな環境でこのオウムに言葉を教えていたんでしょうと、カネコさんのサイドストーリーをちょっと考えてしまいました(^▽^;)
ただ、子供向け前提にこの映画を作ったのだとしたらちょっと失敗かなとも思いますね。
子供が見るとしたら、太一の成長物語じゃなくおそらくヘレンだと思いますので、そこに家族の絆やら諸々加えて108分我慢できるお子さんは限られてくるんじゃないでしょうか?凄っっっごく単純にヘレンとの触れ合い映画みたいなのにすれば良かったのでは?とも思いましたがそれじゃ映画にならないし・・・
う~ん、動物映画って意外に難しい?
『子ぎつねへレン』公式サイト
