SPIRIT(評価:◎)

【監督】ロニー・ユー
【出演】ジェット・リー/中村獅童/原田眞人/ネイサン・ジョーンズ/コリン・チョウ
【公開日】2006/3.18
【製作】香港
【ストーリー】
子供の頃から病弱だったフォは、やがて成長し天津一の格闘家となるが、その傲慢さゆえに恨みを買い、家族に向けられた凶刃によって悲劇のどん底に落ちる。幾多の苦悩と戦いの果てに彼を待受けていたのは歴史に残る大舞台、史上初の異種格闘技戦だった。全世界から集まった屈強な男達。しかし、彼の胸にある思いは、勝者の栄光を掴む事とはまったく無縁の、静かにたぎる情熱だった・・・
【コメント】
この映画って製作スタッフに『HERO』や『LOVERS』に携わった人達が結構参加してるんですね。製作はビル・コンだし、アクション監督にはユエン・ウーピン。音楽も『LOVERS』と同じ梅林茂ですし、衣装デザイナーのワダエミもスタッフに加わってます。
これで監督がチャン・イーモウだったら『中国の歴史3部作』って感じに見えなくもないですよね?
『HERO』 『LOVERS』 『SPIRIT』・・・何となく3部作っぽく見えません?(^^;)
『エミリー・ローズ』のレヴューにも書きましたが、最近本当に事実を基にした映画や、実在の人物の人生を描いた作品が多いですね。この『SPIRIT』の主人公で、ジェット・リーが演じる中国武術の伝説的格闘家・霍元甲(フォ・ユァンジァ)も、中国に実在した国民的英雄とも言える武術家なんだそうです。日本で言ったら力道山みたいな存在でしょうかね?
その高名な武術家の生涯を描いたアクション映画なんですが、やっぱりこう言った歴史的・社会的に有名な人物に特典のように必ず付いてくる栄光と挫折、そして再起と言うストーリー展開は正直『もう見飽きたよ・・』と言うのが率直な感想でもあるんですが、でもこの映画はジェット・リーが出演してるのもあって、アクションシーンがとにかく多いので飽きは来ませんでしたね♪
冒頭からプロレスラーやフェンシングと言った異種格闘技達との戦いに始まり、飲食店での死闘等、かなりハイスピードなアクションシーンの連続で最初から最後まで盛り上げてくれます。
それに一貫してアクション映画に観られがちですけど、武術を通じての人の在り方や、暴力や報復の虚しさと言った結構深いテーマも盛り込まれていると思います。なんか『ミュンヘン』みたいですけど・・(汗
キャストでは主演のジェット・リーのほか、最後にフォと対戦する日本代表の武術家・田中安野役を中村獅童が熱演しています。中国語も勉強しただけはありペラペラな感じですし、アクションシーンも中々のモノ♪三節根ブンブン振り回して自爆(顔面強打)すると言う茶目っ気も披露してくれてとてもオイシイです♪(笑)
それに田中はもう絵に描いたような武士道精神で義を重んじるタイプなので、劇中では良い日本人みたいに描かれてますけど、それとは対照的にミスター三田役の原田眞人を、憎たらしい嫌な日本人代表のように写しているみたいでなんか面白かったです。
ジェット・リー最後のマーシャル・アーツ映画と言う事なので、それに相応しい激しいアクションの数々に興奮する事間違い無しっ♪格闘・アクション映画好きな人は必見かと思いますね。
でもこれで最後だとして、ジェット・リーから格闘取っちゃったら何が残るんでしょう・・・?(汗
こうなると彼の次回作がちょっと気になってしまいますね。
『SPIRIT』公式サイト
