エミリー・ローズ(評価:◎)

【監督】スコット・デリクソン
【出演】ローラ・リニー/トム・ウィルキンソン/キャンベル・スコット/ジェニファー・カーペンター
【公開日】2006/3.11
【製作】アメリカ
【ストーリー】
19歳の女子大生エミリーはある日、原因不明の痙攣と幻覚に襲われ、自分に何かが取り憑かれている事に恐怖していた。エミリーはムーア神父に悪魔祓いの儀式で自分の内に巣食う悪魔を消し去ってもらうよう頼むが、彼女は儀式の後命を落とし、神父は過失致死罪で起訴されてしまった。女性弁護士のエリンは、起訴されたムーア神父の話を聞きながらエミリーの事件の真相を探ろうとするが・・・
【コメント】
予告編で観たエミリーの形相が結構不気味だったのですが、ナレーションをやっているエンケン(遠藤憲一)の低音ボイスも一際不気味さを醸し出しいます(^▽^;)
やっぱりこう言うジャンルの映画で彼の声はピッタリだな~なんて事も感じてしまいます。
正直『エクソシストを超える』なんて肩書きは大袈裟過ぎる気もしたんですけど、観て少し納得出来たような感じ。
この『エミリー・ローズ』は個人的には凄く面白かったです♪実話や史実を基にした映画が最近多いですけど、この映画の内容も実際に起こった事だと思うとゾッとしてしまいます。
劇中では悪魔祓いの儀式後、悲劇的な最後を遂げたエミリーの死を巡り、緊迫感のある法廷シーンと観る者の恐怖を煽るかのような回想シーンで本作は描かれています。でもオカルトと法廷劇と言うイマイチソリが合ってないような・・・そんな2つのジャンルが融合したストーリー展開なんですが、物語が進み衝撃的な事実が明らかになっていくにつれ、どんどん引き込まれていくような感覚になってしまいます。
エミリーは重い精神病に侵された重度の病人だったのではないか?はたまた本当に悪魔に取り憑かれてしまっていたのか?そして悪魔祓いを行いエミリーを死なせてしまったムーア神父は有罪か?無罪か?と言う法廷内での論争も非常に見応えがあります。
それに大きい音で怖がらせたり、閉めたドアが突然開いたり、物が勝手に落ちたりとオカルトやホラー映画に欠かせない要素もちゃんと取り入れているので、心臓バックバクにもなる事請け合いです。
またエミリー役を演じたジェニファー・カーペンターと言う新人の女優さんの熱演も見事なもので、悪魔に憑依された時の変貌ぶりや、顎が外れるんじゃないか?と心配させる程の悪魔の雄叫びを上げるシーン、硬直したままの不気味なポーズ等、難しそうなシーンを完璧にこなす彼女の演技は観る価値はあると思います。
でもこういう逸材が出て来ると、『エクソシスト』のリンダ・ブレアもそろそろ霞んでくる時なのかななんて思ってしまいますね~(^▽^;)(笑
『悪魔』という非現実的な存在を現代の法廷が如何にして裁くのか?そして悪魔の存在を法廷で認めるきっかけとなったエミリーの真相など、最後まで目が離せない120分。
実話なだけにホラー映画が好きな人にとっても、いつもとは一味違った怖さを感じ取れるかもしれません。
『エミリー・ローズ』公式サイト
