輪廻(評価:☆)

【監督】清水崇
【出演】優香/香里奈/椎名桔平/杉本哲太/小栗旬/松本まりか/小市慢太郎/治田敦/三條美紀
【公開日】2006/1.7
【製作】日本
【ストーリー】
映画監督の松村は、35年前に群馬県のホテルで起こった大量殺人事件をモチーフにした新作映画『記憶』に取り掛かる。このオーディションに参加した新人女優の渚は、松村の目に留まり見事主役の座を射止めた。
しかし、オーディション以来渚は不可解な幻覚に悩まされるようになり、しばしば人形を抱いた少女を目撃するようになる・・・
【コメント】
『THE JUON』で全米興入1位となった清水崇監督の日本凱旋第1作であり、Jホラーシアターの第2弾でもある本作。邦版の呪怨とはまた違った恐怖が体現され、ありきたりな言葉ですが凄く怖かったです。
これから先、8ミリカメラの『ジジジジジジ・・・』と言う音を聞く度に大森教授を思い出しそうで、軽いトラウマも作ってくれたように思えます(汗
本作は新人女優の杉浦渚(優香)と女子大生の木下弥生(香里奈)の2つの視点で物語が進んでいき、それがやがて1つに繋がって行くといったもの。時間を前後しながら見せるストーリー展開は『呪怨』でもおなじみで、清水監督お得意の手法は本作でも上手く活かされていると思います。
35年前に起きた大量殺人事件の謎を追うミステリー要素も含め、そして観る者のツボをおさえてるかのような恐怖演出には毎回毎回肩がビクッ!!と上がってしまう。やっぱり人間の心理をよく心得ていますね清水監督は。
そして『リング』とか『灰暗い水の底から』とか、そして『呪怨』でもそうですが、やはり子供の霊というのはホラー映画にもう必要不可欠な存在なんでしょうかね?
大量殺人事件の最後の犠牲者であり大森教授の娘でもある大森千里が正にそれで、不気味さも然る事ながらあの俊雄くんに負けず劣らずの神出鬼没っぷりも披露しますし、見た目的にはあまり怖くは無いのですが、その部分は『あの人形』がカバーしていますね(笑)
と言うか昭和45年頃ってあんな人形売ってたんでしょうか・・・買いたくないな~・・・(^▽^;)(汗
惨殺事件の現場となったホテルも1億円を投じて作成したと言うから、その徹底振りに驚きますが、渚役を演じた優香の鬼気迫る演技にも驚きました。
普段バラエティー番組等でしか彼女を見る事がなくて、その明るく笑顔が似合う女優と言う固定観念みたいなものが定着していたので、渚役は彼女のイメージを覆したような熱演ぶりでした。絶叫も凄かったですし♪
そしてちゃっかり出演していたのが大学講師役を演じていた黒沢清監督と、渚のマネージャー役で出演していた杉本哲太。
実は杉本哲太はかなり前に『水曜プレミア』で特別放映されていた『日本の怖い夜』と言う全5編からなる短編ストーリーで、清水崇が監督を務めた『金髪怪談』と言うストーリーに出演しており、意外な関連性があるんですよね~。金髪怪談自体は面白くありませんでしたけど・・・
しかし優香の体当たり演技あり、呪怨とはまた一味違った恐怖感ありと、もしかしたら初っ端から今年最高のホラー映画を観てしまったんじゃないかと思うほどでした。
チラシに書いていた衝撃のクライマックスと言うのも気になってましたが、自分は見事に騙されましたしね。予告編観てかなり先入観を植え付けられたみたいで・・・( ̄▽ ̄;)
それにこの映画で個人的に一番怖かったのは、最後の最後で見せる優香のあの表情ですね。
背筋がゾゾゾ~ッ!となりました。
『Jホラーシアター』公式サイト
