キングスマン ファースト・エージェント

【監督】マシュー・ボーン
【出演】レイフ・ファインズ/ハリス・ディキンソン/ジャイモン・フンスー/ジェマ・アータートン/リス・エバンス/他
【公開日】2021年12月24日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
イギリス、ドイツ、ロシアといった大国間の陰謀が渦を巻き、第1次世界大戦勃発の危機が迫ろうとしていた。そんな中、コンラッドは父親のオックスフォード公に連れられ、高級紳士服テーラーを表向きの顔にしたスパイ組織キングスマンの一員として迎えられる。世界に迫る危機を回避しようと動き出す二人だが、その前に怪僧ラスプーチンが立ちはだかる・・・。
これまでもコロナ禍の影響で当初の公開日から延期を余儀なくされた作品は数多いですが、本作ほど延期の延期を繰り返した作品はそうそう無いかもしれませんね。回数だけで言えばひょっとしたらギネス認定されるんじゃないかと思うくらいですし、それほど当初の公開日からずれ込んでもいたので作品に対する興味が冷めてしまった人ももしかしたらいるかもしれませんが、個人的にはようやっとな気持ちと好きなシリーズだからというのも相まって、シリーズ三作目の本作もとても見応えを感じた次第。
民間諜報組織キングスマン結成の秘話を描いた前日譚の内容でもあるからか、エグジーやハリーといったシリーズのこれまでの顔ぶれも出てこない分どこか別モノな雰囲気もありはするものの、ただ世界大戦の背景の裏で暗躍する闇の組織とキングスマンの前身者達との戦いは、歴史の史実である部分と映画のフィクションである部分を巧みに織り交ぜたような展開がとても上手く、観ていてもそのストーリーはあまり違和感やつまらなさを感じるものに自分は見えなかった。史実と組み合わせたその演出にしても、キングスマンの結成理由の大元が主人公であるオックスフォード公の家族の悲しい出来事に起因していて、彼の息子の悲劇も史実の一部と絡める事であまり嘘くさくないリアリティもあったし説得力も生まれてましたね。・・・まあでも組織結成の経緯に至るその下準備とも言える過程で前半の大部分を占めるので、『いつものキングスマン』のようなものを期待すると若干の肩透かしは食らいますが、ただ後半は悲しみを乗り越えたオックスフォード公が奮起して仲間と一緒に悪党の成敗に乗り出す様はこれまでのシリーズ同様の爽快感があって一気に面白くもなり、結果的にはやはり盛り返してくれた感じでもあった^^主演のレイフ・ファインズも年齢相応以上なアクションをこなしていて、サーベルを用いた剣劇アクションは個人的に惚れてしまうくらいにカッコ良かったですね♪