ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ

【監督】アンディ・サーキス
【出演】トム・ハーディ/ミシェル・ウィリアムズ/ウッディ・ハレルソン/ナオミ・ハリス/リード・スコット
【公開日】2021年12月3日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
悪人以外を食べないという条件でエディの体に寄生し、彼と共同生活を送る地球外生命体<シンビオート>のヴェノムは、食欲の制限を強いられストレスの毎日を過ごしていた。そんな中、未解決事件の真相を追うジャーナリストのエディは、サン・クエンティン刑務所である死刑囚と再会する。その男の名はクレタス・キャサディ。これまで幾度となく猟奇殺人を繰り返し、収監されたシリアルキラーで、彼には死刑執行の時が迫っていた。「私の秘密を教えよう」と不気味にほほ笑み、エディに対し異様な興味を示すクレタス。突如その時、クレタスはエディの腕へと噛みつき、エディの血液が普通の人間とは異なることに気づく。そして死刑執行の時、ついにクレタスはカーネイジへと覚醒。世界を闇へと変えていく・・・。
映画のみならず2021年からはドラマシリーズも始まったことで作品同士の繋がりが強くなり過ぎてもはや一見さんお断り状態にもなりつつある昨今のマーベル作品の中で、唯一その要素が薄い本作。・・・まあもっとも次回からはそうじゃなくなる可能性が極めて強いものの、それでも少なくとも本作に至ってはそんな細かいことを気にせず前作同様、いやむしろそれ以上に底抜けに楽しめるエンタメ性があって面白かったですね^^
エディとヴェノムとの共生によるバディ関係なんかは前作だと世界観やシンビオートの解説とかで大分時間を割かれているような部分もありましたけど、その辺りが本作では割愛気味で終始楽しめる感が強くなっていたのが良かったんですよね。上手く適合したはいいものの、私生活諸々ではやはり何かとトラブル続きで、エディは(一部を除き)ヴェノムの自由奔放な行動でいつも気苦労が絶えないし、逆にヴェノムはそういう自身の存在を大っぴらに出来ない制限や脳みそが食べれないストレスなども溜まり、結果ケンカになるくだりとかが何やってんだかーみたいな感じでバカバカしく笑えてしまう。大元のストーリーとしても連続殺人鬼がシンビオートに触れた事でヴェノムよりも最凶なカーネイジが誕生したりで結構ヤバめでもあるんですけど、合間にエディとヴェノムのいざこざというかじゃれあい(?)が絡む事でそんな緊張感とは裏腹に小笑い浮かべながら観てた自分wしかしそれでいてシンビオート同士の戦いは何だかんだで凄かったですし、ヴェノムのパワーファイトも良かったですが、カーネイジの凶暴性が解き放たれたかのような獣のような暴れっぷりにも圧倒され、そういう派手さと緩さの塩梅みたいなのも良かったから個人的に前作以上に見応えがあり楽しく観れた部分かもしれませんね。
主演のトム・ハーディにしてもこのシリーズはある意味大部分が彼の一人演技でもあるので、それを踏まえてヴェノムとの掛け合いを見ると、彼のキレッキレな演技はどこか一人漫才を見ているかのようであってそれもそれで面白いwあと今回は上映時間もかなり短くて、コンパクトに内容を纏めて見易くしてたのも好感度大ですね。エンドロール後のマーベル作品お得意のサプライズもかなりの驚愕を与えてくれて、このシリーズも遂に上記の巨大な繋がりの仲間入りになってしまうわけなものの、それでも内心はやはりその次回作が今から物凄い楽しみになっているのでした^^