EUREKA 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション



【監督】京田知己
【声の出演】名塚佳織/遠藤璃菜/小清水亜美/森川智之/根谷美智子/宮野真守/小杉十郎太/久川綾/三瓶由布子/山寺宏一/他
【公開日】2021年11月26日
【製作】日本

【ストーリー】
エウレカが作り上げたスカブコーラルの中の仮想世界。その崩壊とともに仮想世界の人々がこの地球に姿を現して10年が経過した。この“大融合”の結果、仮想世界の人類は「グリーンアース」を、旧来の地球人類は「ブルーアース」を名乗り、水面下でさまざまな衝突を繰り返すことになった。そしてグリーンアース軍の高官デューイ・ノヴァクは、自分たちの尊厳を守るため仲間とともに決起し、大規模なテロ計画をついに実行へと移す。混乱の元凶として世界中から憎まれるエウレカは、国連の独立師団無任所部隊A.C.I.D.(アシッド)の上級戦闘員となっていた。この世界を平和に保つために生きる。それがエウレカの選んだ贖罪の道だった。そんなエウレカにスカブコーラルを操る能力を持つ新たな“EUREKA”、少女アイリスを保護する命令が下る・・・。
 
【簡略感想】
TV版のカットを多用し且つキャスティング変更の妙に違和感を覚えた一作目、そしてその違和感も現実と仮想という二つの世界を隔てる演出と理解すれば面白味もじわじわと増してきた二作目と、ハイエボリューションはテレビ本編の設定を活かしつつも劇場版ならではのアレンジした物語が新鮮な見応えを与えてくれていましたが、最終作である本作もなかなか面白く見れた気がしますね。レントンからアネモネ、そして本作ではいよいよエウレカを主人公として彼女の視点から描かれる物語は、心の拠り所でもあったレントンを失い、世界を滅ぼしかけた事で贖罪の道を選んだ10年後の世界が舞台。エウレカの大人びた雰囲気と大融合後の世界などは当初から期待していたボーイミーツガールな展開などとはかなりかけ離れた雰囲気ではあるものの、エウレカと同じスカブコーラルを生み出す能力を持った新しいエウレカ・アイリスとの地球での逃避行なんかはまるでロードムービーの様相を呈していて、道中で度々アイリスと衝突するエウレカにしても今までにないくらい表情が豊かでこれもまた新鮮でしたね。
孤独で両親などの愛も知らずに育った彼女が、アイリスとの出会いや人間として過ごした10年間を経て自身の愛するものに気づいていく過程なんかは個人的には良かったですし、それに今までどちらかと言えば守られているような立場でもあったエウレカも今度は守るような側に立っている辺りもどこかレントンに似た立ち位置やがむしゃらさがあったりで、そういった彼女の人間らしい成長なんかを見て感じ取れる部分があったのもイチファンとしては面白かったわけですので、そういう意味でも彼女の・・そしてエウレカシリーズの物語の終着点として見応えはあったかなと思う次第。
・・・と言ってもまあ本作に関してこれが終着点かどうかはちょっと怪しいとこがありますし、アイリスの最後の言葉通りに次世代のエウレカがこの先また紡がれていくのかもしれない。そんな含みも持てる締め方にも見えたので、次(?)へのバトンもなんだか良い形で渡したような終わり方でもありましたね。

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