ステップ



【監督】飯塚健
【出演】山田孝之/田中里念/白鳥玉季/中野翠咲/伊藤沙莉/川栄李奈/岩松了/日高七海/角田晃広/片岡礼子/広末涼子/余貴美子/國村隼
【公開日】2020年/7月17日
【製作】日本

【ストーリー】
健一はカレンダーに“再出発”と書き込んだ。始まったのは2歳半になる娘・美紀の子育てと仕事の両立の生活。結婚3年目に30歳という若さで妻を亡くした健一はトップセールスマンのプライドも捨て、時短勤務が許される部署へ異動。何もかも予定外のうまくいかないことだらけの毎日に揉まれていた。そんな姿を見て、義理の父母が娘を引き取ろうかと提案してくれたが、男手一つで育てることを決める。妻と夢見た幸せな家庭をきっと天国から見ていてくれる彼女と一緒に作っていきたいと心に誓い、前に進み始める・・・。
 
【簡略感想】
良い作品・・・というよりはとても心に沁みる作品でしたね。全体で見ますと盛り上がり部分は殆どないですし、若くして最愛の妻を亡くした男の10年に及ぶ子育ての日々を章仕立てで淡々と進行していく内容だったのですが、ただそうした映画的な面白さや奇のてらいなどを極力廃しているストーリーでもあったせいでしょうか、シングルファザーとして奮闘する健一の苦悩や頑張り、そして素朴な彼の魅力なんかにもどこか注視することが出来まして、劇中の丁寧な演出などにも見応えを感じた次第。
自分はまだ独身ですので健一の奮闘こそ共感したくても出来ない感じではありましたけど、ただ男手一つで子供を育てるというのがいかに大変かというのは、健一の10年の歳月を見て理解は出来る。思い通りにいかない日々も何度となく続き、見てる側としてもどこかで彼を踏ん張らせてるものが突然プツッと切れてしまうのではなかろうか・・そんな不安にも駆られたりするんですけども、ただその都度彼を取り巻く人々に支えられてもいるから、やはり健一が幸いだったのは人に恵まれていた事なのかもしれませんねぇ。まあでもそれが逆にリアリティを少し薄めていた要因の一つに見えなくもなかったですが・・。個人的には奥さん側の家族だけでなく健一の両親側にも登場して欲しかったですし。
あと健一に共感したくても出来なかった分、自分はむしろ一人娘である美紀の目線で見てたようなとこもあったりで、10年間必死に頑張って育ててくれた父親としての健一の姿を見てしまうと、まだ存命ですが自分の両親もこうやって頑張って育ててくれたんじゃないかな~という思いにもなってしまったので、なんか自分も改めて親に感謝したい気持ちにもなってしまいましたね。


主演を務めている山田孝之さんはそれこそ本作鑑賞の少し前に『全裸監督』なる凄い作品に出演してる彼も見てしまったので、それとは打って変わっての真逆で平凡な父親を演じてる山田さんはギャップもあったと同時に等身大の演技が素晴らしく、予告編でも惹かれたその普通さがとても自然体で本当に良い演技だった♪共演してる広末涼子さんの母として認められた嬉し泣きや鬼の村松こと國村隼さんの思い通りにならない人生論にも涙腺がもろくなってしまい、結果的には何度鼻をすすったか分からないほど感動させられたのでした。
 

2 Comments

ここなつ  

こんにちは

こんにちは。
良い作品でしたね。
小品だけど良品というか、佳作だったと思います。
書かれていらっしゃるように、実際主人公は人に恵まれていたのだと思います。でも、それも彼の持つ心根が要因だったのかもしれませんね。

2020/08/17 (Mon) 15:06 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

こんなご時世だからこそ

>ここなつさん♪

まだコロナは収束していませんし、本作もそんな中での公開なので大きく宣伝できない部分ももしかしたらあるかもしれませんが、でもこんなご時世だからこそこういった優しい作品は色んな方に観て欲しいという気持ちにもなりますね^^人に恵まれて悪い人も出てこない分、存分に癒されて涙する内容でもありますしね(笑

2020/08/28 (Fri) 23:27 | EDIT | REPLY |   

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  •  ステップ
  • 結婚3年目、30歳という若さで妻に先立たれた健一。 妻の両親が1歳の孫娘・美紀を引き取ろうと申し出るが、健一は自分の手で育てようと決心する。 営業部から総務部に異動してフレックス勤務を活用し、保育園の送り迎えから家事一切をこなす毎日はヘトヘトだった…。 ヒューマンドラマ。 ≪僕と娘の10年間、天国の君との10年間。≫
  • 2020.07.29 (Wed) 23:12 | 象のロケット
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  •  「ステップ」
  • 山田孝之がズルイ程「普通の父親」を演じている、と評判の作品。あれだけ顔面偏差値が高ければ、それは「普通」でも何でもないのだが。と、ちょっと斜めな入り方をしてしまった。でも、粗探しをしつつ斜めに観るような作品ではない。良い作品である。珠玉の、とまでは行かずとも、「普通」に良い作品である。娘が1歳過ぎた位の時に、妻を亡くしてしまった男の子育て(=人生)奮戦記。彼は、会社の制度や保育園の力を借りな...
  • 2020.08.17 (Mon) 15:03 | ここなつ映画レビュー