ジョジョ・ラビット



【監督】タイカ・ワイティティ
【出演】ローマン・グリフィン・デイビス/トーマシン・マッケンジー/タイカ・ワイティティ/レベル・ウィルソン/スティーブン・マーチャント/アルフィー・アレン/サム・ロックウェル/スカーレット・ヨハンソン
【公開日】2020年1月17日
【製作】アメリカ

【ストーリー】
時は第2次世界大戦下、ドイツに暮らす10歳のジョジョは空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった・・・。
 
【簡略感想】
『マイテイ・ソー/バトルロイヤル』の世界的ヒットで一躍その名を知られるようにもなり、自分も記憶に留める監督さんとなったタイカ・ワイティテイ監督。ゆえに本作も苦手なジャンルなれど興味を抱きつつ鑑賞しましたけど、タイカ監督ならではの独創的なユーモアと戦争の非情な現実がとても上手く織り交ざっていて、耳に入れていた前評判の良さというのも納得できる内容だったと思える次第^^
それこそ自分はこの手のジャンルを若干敬遠してる部分がありますので、こうした子供の視点で映し出す戦争映画というのもどこか珍しくも見えましたし、頭のてっぺんから爪先までナチスとヒトラーを信奉するような少年が母との対話やユダヤ人少女との交流を通じて自身の考えを改めつつ人を愛する感情にも芽生えていく成長過程なんかも、ジョジョの純粋な気持ちとも相まってのハートフルな描写が観てて微笑ましいものもありはしたものの、ただそうした高揚した気分が突如としてグサッと胸をえぐるようなシーンなんかをいきなり放り込んで現実の非情さにも呼び戻したりするので、その喜劇と悲劇の使い分けのような部分も凄いというか秀逸だったように思えましたね。
・・まあとはいえ陰鬱さや悲観さがあまり持続しないのは作品全体の色彩諸々が個人的にはそれほど暗めな雰囲気に見えなかったからなんてのもあったりしますけど、それ以外にも登場人物たち・・特にナチス側の人達がそれほど悪人めいていなかったというのも要因かもしれなくで、それはサム・ロックウェル演じてたクレンツェンドルフ大尉にしても少年兵の養成と洗脳に心血注いでいたというよりは、部下のフィンケルとの同性愛的な関係に注視してしまいましたし、ジョジョのお母さんを内心尊敬していたと語るラストシーンでもその散り際まで観るものに強く印象付けた存在だったのも然り。ジョジョが最終的に靴紐を自分で結べるまでに成長できたりしたのも、そうした正しいことを教えたり示したりしてくれる大人達の姿があったからこそなのかもしれませんね。


鑑賞前に第92回アカデミー賞のノミネート一覧も公表され、本作もやはり作品賞の候補となるだけはある見応えの程を確かに感じましたし、助演女優賞に同じくノミネート対象になっているスカーレット・ヨハンソンの奔放ながらも強い母親役にしても、ここ近年だと正直ブラック・ウィドウ役しか見てなかっただけに(汗)これまた一際印象的だったように思う。あと主演ながら映画初出演ともいうローマン・グリフィン・デイビスくんも実力溢れる大人達に負けないくらいのフレッシュな演技で魅せてくれて良かったですね。将来の楽しみな子役がまた出て来てくれたことも嬉しく思うので、今のうちにツバを付けて生温かい目線で見守るのも悪くないかもですね^^;

6 Comments

久木山誉紀滝  

とても参考になりました!

2020/01/21 (Tue) 19:57 | EDIT | REPLY |   
隆  

ナチズムに心酔していた時代というのが、ジョジョにとって、何でも無かったという事でしょうね。エルサと出逢い、迫害されるユダヤ人として、生き抜こうとする姿に、強さを感じたのでは無いでしょうか。

全く正反対な二人で、ナチズムという人間の美徳とか尊厳とかいった基本的な考え方から逸脱した過激思想に染まるジョジョと、生き抜こうとする人間の生存本能によって、戦争を乗り切ろうとするエルサとで、彼女が居なければジョジョは死んでいたかも知れませんね。ナチズムへの忠誠だけが、生きた証であり、それゆえ命を惜しむ理由が無いという事で。

2020/01/23 (Thu) 11:32 | EDIT | REPLY |   
メビウス  

有難うごいざいます♪

>久木山さん♪

拙いブログではありますが、参考になっていただけましたらば幸いです^^


>隆さん♪

ナチズムを信奉してたとは言え、まだ10歳の少年でしたからね。多感な時期でもあるので移ろいやすいといえばそれまでですが、でもエルサとの出会いと交流は彼の固定観念を変えるくらいに充実した時間だったのは見て取れましたね^^
あの二人ならばあの後も強く生きていける気がしますもん。

2020/01/26 (Sun) 20:45 | EDIT | REPLY |   
ボー  

出演者みんなよかったです。
マイ年間ベストテン入りしそうですよ(気が早い)。

2020/02/02 (Sun) 23:46 | EDIT | REPLY |   
にゃむばなな  

こんばんわ

ジョジョ・ラビットを取り巻く環境は戦争という最悪のものですが、その中で彼が一人立ちという成長をしていく姿がいいですよね。
やっぱり子供はいい大人に囲まれるといい成長をするもんですね。
私も大人として気を付けないと。

2020/02/08 (Sat) 23:43 | EDIT | REPLY |   
メビウス  

祝♪脚色賞

>ボーさん♪

いや・・自分も少し気が早いんですが、本作は今年の暫定ベスト作品の候補になりましたね。アカデミー賞でも脚色賞を受賞しましたから充分健闘しましたし、素晴らしい良作だと思います^^


>にゃむばななさん♪

戦時中でしたからやはり色んな言動が制限されたり最悪粛清という恐怖もあった中で、公に出来ないながらも人として正しいことをきちんと示し続けてくれた大人たちがジョジョの傍にいたことがある意味では救いであったのかもしれませんね。だからこそジョジョもナチスの行いに疑問を持ち、自分なりに成長できたんだと思いますね。

2020/02/12 (Wed) 19:43 | EDIT | REPLY |   

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