劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer



【監督】田崎竜太
【出演】奥野壮/押田岳/大幡しえり/渡邊圭祐/稲葉友/クリス・ペプラー/ISSA/前野朋哉/若林時英/斉藤秀翼/パパイヤ鈴木/小山力也/生瀬勝久
【公開日】2019年7月26日
【製作】日本

【ストーリー】
残されたドライブウォッチの謎。その鍵は戦国時代に隠されていた。魔王・織田信長と出会い、歴史上の戦いに身を投じるソウゴたち。そしてそこに現れたのは歴史の管理者を名乗るクオーツァー。仲間だったはずのウォズもその一員として立ちはだかり、これまでの戦いに隠された衝撃の事実を明かされる。常盤ソウゴ=仮面ライダージオウ、その存在に隠された大いなる陰謀とは・・・。
 
【感想】
9月から令和最初の仮面ライダーであるゼロワンも始まりますが、劇場版の公開と新ライダー放映のスパンも近年大分短くなってきている事もあってでしょうか、夏劇の仮面ライダー作品も従来の独立したストーリーではなくエグゼイドなどでも取り入れていたマルチエンディング方式を用いるようにもなり、本作のジオウ劇場版も正にそんな感じでしたね。いやはやしかながらとても面白く仕上がっておりまして、平成仮面ライダーを締め括ると言う意味でも粋な演出が多く、テーマも結構しっかりしててとても楽しめた次第♪

仮面ライダージオウは平成の時代に活躍した仮面ライダー達の力を集めていくストーリー展開でもあったものですから、テレビ本編でもそんな各平成ライダーで活躍した様々な人達がゲスト参戦する事でも毎回話題になっていたんですけども、本作でもその特色が活かされていて見応えはありました。・・・とはいえ劇場版ではライダー総出演やレジェンドキャラクターの参戦はもう当たり前のようにもなっている為、切り口を変えるかのように今回新たに用いられたのはコラボレーションやメモリアル系のライダー出演であって、それこそ仮面ライダーブレンから、舞台版の仮面ライダー斬月、10年前にSMAPの特番企画で生まれた仮面ライダーG、はたまたコミカライズ版のクウガまで出たりと、この異色勢の集合はとても斬新でしたね。中でもとんねるずの木梨憲武さんが昔演じてた仮面ノリダーまで出て来るのは驚きで、こちらは生憎と変身はしなかったものの失意のソウゴを奮い立たせる結構重要な役割も担っていたので、変に存在感もあって笑ってしまった程w

劇場版のストーリーも初日の公開時点だとテレビ本編ではアナザードライブが暴れてますので、それとも連動するような形で前半はドライブのウォッチを絡めたもの、そして後半は全てのウォッチが集まったと同時に真実も明かされるといったもので、この辺りも個人的には良い内容だったと思いますね。ソウゴが替え玉の王であったというのも衝撃がありましたが、それ以外にも平成仮面ライダーの存在意義を問うかのような問答が随所に込められていまして、これは自分も鑑賞しながら考えてしまう部分があった。平成ライダーは設定が何から何までバラバラだとウォズが言い、それがまるでデコボコな道のようでとても醜いと敵であるクォーツァー達も言う。けどソウゴは『デコボコで何が悪い!』とそれを大声で逆に否定する・・・自分にはそのソウゴの言葉がとてもとても熱くて胸に響いた。奇抜なデザインなんかも多いゆえこれまでの伝統から逸脱してるように見える平成ライダーは確かに醜く見える時もありはするものの、それでも王道や伝統に胡坐をかかず、かといって決してないがしろにはせず、それも踏まえた上で常に挑戦意欲を持って新しい事にも積極的に向かって行き、時流もきちんと取り入れていく。個人的にはそれが平成仮面ライダーの魅力でもあると思ってましたから、ソウゴの言葉はなんかそれをちゃんと理解し肯定もしてるようにも思えてしまっておじさんは凄く感動してしまったのですw
本作のノブナガも自分たちが歴史の教科書等で知るイメージとはかけ離れた人物像で描かれたように、仮面ライダーも『こうあるべき』という固定観念を持たずに多くの可能性を持つべき存在でも良い。今回Gやノリダー達もこぞって参戦したのも、そうしたメッセージが込められていたのではないかと、自分は思ってしまうのでした。

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  • 残されたドライブライドウォッチの謎。 その鍵は戦国時代に隠されていた。 魔王・織田信長と出会い、歴史上の戦いに身を投じるソウゴたち。 そこにあらわれたのは歴史の管理者を名乗る“クォーツァー”。 仲間だったはずのウォズも、その一員として立ちはだかった…。 人気ヒーロー・アクション劇場版。
  • 2019.09.14 (Sat) 09:30 | 象のロケット