THE GUILTY ギルティ

【監督】グスタフ・モーラー
【出演】ヤコブ・セーダーグレン/イェシカ・ディナウエ/ヨハン・オルセン/オマール・シャガウィー
【公開日】2019年2月22日
【製作】デンマーク
【ストーリー】
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルムは、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか・・・。
ワンシチュエーション的な作品はそれほど多く観てはいないんですが、それでもこういった限定的な空間で繰り広げられるストーリーなどは観る側を飽きさせず、引き込み、釘付けにする何らかの要素が必要でしょうから、本作の場合それはやはり『音』がとても重要で効果的な役割を担っていたと思いますね。
緊急コールセンターに正にいま誘拐されている女性からの通報が入るものの、車の移動音や女性の声など手掛かりになるのが電話越しの音だけなため最初凄い情報が少なすぎて厳し過ぎる感じも抱くんですけど、主人公のアスガーがその限られた情報と時間内で色んな部分から糸口を見つけていきながらやがて突破口を開いていく過程はとても緊迫感があって見応えがあったんですよねぇ。あと観てる側としても視覚情報はスクリーンのアスガーばかりなんですが、音の情報を基に電話の向こう側の情景を脳内で再現するという状況にも必然的になるから想像力もとても働いて、それもまた面白い感覚ではあったかなと。
劇中の誘拐事件の真相もこういった外からの情報などが限られている密室劇ゆえか、はたまたその場の状況を自分も何の疑いもせずそのまま鵜呑みにしてしまったせいか後半のどんでん返しにはしっかりと騙されてしまい、事の真相が分かった途端アスガー同様『あっちゃ~~・・』な気持ちとなって共に意気消沈(汗)。まあ、ああなってしまうと後はなんか絶望的な方向しか自分も考えられなかったんですが、それを土壇場で引っくり返したのがこれまたアスガーの熱のある言葉であり、彼がコールセンターにいる理由とその真実も明らかになると、本作のタイトルの意味も理解できる仕組みになってなるほどといった所。・・・アスガー本人もよくよく思うと目の前の悪を裁くためならちょっと荒っぽい方法にも出てしまうような気質でしたし、過去の出来事も知った手前その愚かしい行為も透けて来るので最終的にはイイ人ぉ・・?とはあんまり呼べない風にもなっちゃったのですが、それでも終始一貫してた彼の『諦めない気持ち』によって少なくとも誘拐事件の結末は自分の思ってた最悪を回避してくれたので、観終った後は一応安堵の気持ちにはさせてくれたのでした^^;