アリータ:バトル・エンジェル



【監督】ロバート・ロドリゲス
【出演】ローサ・サラザール/クリストフ・ヴァルツ/ジェニファー・コネリー/マハーシャラ・アリ/キーアン・ジョンソン/エド・スクレイン/ジャッキー・アール・ヘイリー/
【公開日】2019年2月22日
【製作】アメリカ

【ストーリー】
天空に浮かぶ都市・ザレムと、ザレムから排出された廃棄物が堆積して山をなす荒廃したクズ鉄町。大戦後の未来は、支配する者と支配される者の2つの世界に分断されていた。クズ鉄町に暮らすサイバー医師のイドは、クズ鉄の山から少女の頭部を拾い上げる。彼女は300年前のサイボーグで奇跡的に脳は生きてたものの、長い休眠状態により過去の記憶を失っていた。イドによって新しい機械の体を手に入れた少女はアリータと名付けられ、イドの元で暮らし始めるが・・・。
 
【感想】
木城ゆきと先生の『銃夢』は学生の頃学校にこっそり持ってきた友人のものを自分も先生の目を盗んでこれまたこっそり休み時間に読んでいた・・・っていうのがファーストコンタクトだったよーな記憶があるんですが(汗)、その時から世界観やガリィの魅力に自分も随分とハマッてしまいそれはオッサンになった今でも変わっていないので、待望の実写化の本作もかなり楽しみにしていた次第♪予め鑑賞前に漫画も予習しましたが、脚本を担当したジェームズ・キャメロンに監督のロバート・ロドリゲスも銃夢の世界観を今回とても上手く作り込んでいたと思いますね。

漫画に限らず原作のある作品の実写化においては『忠実』というワードが結構ついて回ると思うのですけど、その忠実さで見ますならば『アリータ:バトル・エンジェル』は『んん?』と凝視してしまうような部分が見受けられたのも正直な所ありまして、約2時間の上映という制約もあるせいか漫画を知ってる者からするとやはり詰め込んでいる所が目立ってる部分もありはしましたね。内容はアリータがクズ鉄のゴミ山からイドに拾われマカク改めグリシュカとの対決や、ユーゴもといヒューゴとの関わりを含んでいたので大体2巻分くらいの容量になってましたが、そこにモーターボールも入ったりノヴァ教授の暗躍も入れてしまっていたので、展開を知ってるが故に自分もそういう感じに見えたのも確かです。・・・ただ個人的にはそれが改悪というか作品の邪魔になっている程ではなくむしろ逆に興味深く鑑賞することが出来まして、それはヒューゴのエピソードにモーターボールを乗っけて来たというのもあれば、ザパンがダマスカスブレードを所持していたり、イドが妻帯者であったりと、随所に原作とは微妙に異なるジェームズ・キャメロンのアレンジが加えられてる事によって、既に知ってる場面でも『あ、それをアンタが言うの?持ってるの?』みたいな新鮮味を味わえたような気がする。それに微妙に異なるとは言っても、ヒューゴとの別れ、そして再びモーターボールに・・という本作の着地点も最終的には原作に沿っている形にしていたので、結果をいじらず過程を捻るという本作の進行も個人的に好感を持てた理由の一つ。・・まあアリータのアイデンティティの模索というか描写が少し足りなかったような点もありますが、それを補うパワーというか、機甲術(パンツァークンスト)のハイスピードアクションもカッコ良かったですし、クズ鉄町のビジュアルなんて特に壮観だったのでとても見応えがあった次第です^^


・・とはいえこの見方はあくまで原作既読であり好きの度合いも増し増しだからこその評価でもあるわけで、初見の人からすれば結局ノヴァって誰だよとかあの終わり方も尻切れトンボに見えなくもないため、やっぱり次を見据えているとするならばモーターボール編から是非始まって欲しいと切に願わずにはいられない幕引きでもあった。じゃないと本作でのジャシュガンやノヴァ役のエドワード・ノートンの扱いが少し勿体ない気もしますねぇ^^;
 

9 Comments

ボー  

原作未見者

それは私です。
思い入れはありませんが、観ているときは楽しかったです。でも、スペシャルでもなく…。
格闘がめちゃ強いことはわかりました。続編は見てみたい。

2019/02/26 (Tue) 22:29 | EDIT | REPLY |   
ノラネコ  

こんばんは

原作ファンとしてはかなり満足。
もうちょっと尺に余裕があってもいいかなとは思いましたし、チレンの行動はちょっと無理があるけど、全体的にはこれぞ「銃夢」。
アメリカの興行がちょっと心配だったけど、中国で大ヒットしてるので、続編は大丈夫そうですね。
キャメロンのことだからゆっくりやりそうなのが怖い。
CGだから役者の老けも考えなくていいしw

2019/02/27 (Wed) 22:31 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

次はいつなのやら

>ボーさん♪

自分はちょっと思い入れが強過ぎる作品なのでスペシャルでした^^;(笑)
興行収入も良いとは聞いてますので、続編は是非作って欲しいですねぇ。原作の方も後からもっと魅力あるキャラクターがたくさん出てきますので。


>ノラネコさん♪

アリータも含めビジュアル面は本当に原作をリスペクトしてるのが見て取れて、自分もイチファンとしてとても満足できました^^まあオリジナルキャラのチレンは良い者悪者の間をちょっとフラフラしてる感じでもありましたけど・・(汗

続編も期待できるでしょうけど、問題は本当にいつ作られるかですねwアバターの続編が2020年と聞いてますので・・下手したらまた10~20年のスパンだったり(滝汗

2019/03/01 (Fri) 19:14 | EDIT | REPLY |   
SGA屋伍一  

原作ファンとしてのジレンマ、興味深く読ませていただきました。長年手つかずでしたけどこれを機に原作に手を伸ばしてみたくなりましたよ。どれほど巻数があるのかちょっとおっかなびっくりですが。ぱっと見原作のガリィさんはアリータよりもかなりボーイッシュな感じですがその辺どうなんでしょう

2019/04/01 (Mon) 22:53 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

ちゃんと原作寄り

>SGAさん♪

さすがに全てにおいて忠実ではありませんでしたが、それでも本作でのヒューゴとの別れからモーターボールで終わるという部分は原作に沿っていますので、もし続編を作ろうと思えばまた上手い流れになるんじゃないかと思いますね^^
原作は本編の銃夢に続編のラストオーダー、あと現在も連載中の火星戦記と大分シリーズも長くなっていますので、これからじっくりゆっくり読み進めていくのもいいかもしれませんね♪

2019/04/03 (Wed) 10:18 | EDIT | REPLY |   
maki  

こんばんは。

>結局ノヴァって誰だよ
これですね。原作読んでない身からすれば、
え、ノヴァと対峙しないの?ってのは凄く思いました。
なので、続編が欲しいなあと思います

アリータのでか目は、思っていたよりも
はやく順応したように思います

2019/09/20 (Fri) 20:12 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

先行き不安

>makiさん♪

ノヴァは原作ですとかなり重要なキャラクターではあるんですけども、本作での扱いは正直黒幕というよりもチョイ役の域でしかなかったのも否めませんね^^;続編を直ぐ製作してくれるのならばああいう扱いでもいいかもしれませんが、本作に関してはこの実写化にこぎつけるまでに何年も掛かってるので、やっぱりちょっと不安なんですよねぇ・・。ジェームズ・キャメロンもアバターそっちのけで作ってくれないものかと・・^^;

2019/09/24 (Tue) 03:46 | EDIT | REPLY |   
隆  

こんばんは。

アリータの目の鋭さと言いますか、何かロリータなんで、バニーちゃんというか、うさ耳が似合いそうじゃないですか?

ノヴァとの関係は良く分かりませんでした。教授なんですか。メビウスさんのご論評が無かったら、忘却していました。

アイアンシティはゲームの世界観でしたね。モーター・ボールにおいて、アリータが確かチャンピオンになったとも思いますが、こうした、下層をまとめ上げる事によって、上層のザレムといった異国や異なる地域との、地域間抗争が起きる切っ掛けが出来るのではないでしょうかね。

貧困の下層アイアンシティに対して、象徴的だったし、上層ザレムって豊かな街なんですかね?これも、分かり易い、持てる者と持たざる者との対決の構図で、続編があるとすればアリータが何をするのか、期待したいと思います。

2019/09/25 (Wed) 18:17 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

ザレムの謎

>隆さん♪

バニーこそありませんでしたが、でも原作ですとアリータことガリィはウェディングドレスを着用したりとちょっとコスプレチックなシーンとかは確かにありましたねwまあバニー姿があれば自分も見たい所ではありますが^^;

ザレムに関しても本作ではどこか理想郷というイメージのままで終わってしまいましたが、それもまた本当かどうか?という所ですよね。この辺りも原作では割と衝撃がありますので、出来れば実写でも再現して欲しい所ですね。何年先になるか分かりませんが・・(汗

2019/10/03 (Thu) 20:18 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment

5 Trackbacks

この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  アリータ:バトル・エンジェル・・・・・評価額1700円
  • 戦闘少女は、何のために蘇ったのか? 遥か未来、記憶を失ったサイボーグ少女ガリィが、数奇な運命に導かれ、多くの出会いと別れを繰り返しながら、失われたアイデンティティを求め戦い続ける。 90年代に人気を博した木城ゆきとの傑作SF漫画「銃夢」を、ジェームズ・キャメロンが映画化すると報道されたのは、もう20年近く前のこと。 しかし、実際の制作は遅々として進まず、幻の作品になるかと思われたの...
  • 2019.02.27 (Wed) 22:27 | ノラネコの呑んで観るシネマ
この記事へのトラックバック
  •  アリータ:バトル・エンジェル
  • はるかな未来。 世界は、天空に浮かぶユートピア都市“ザレム”と、廃棄物だらけのクズ鉄町“アイアンシティ”に分断されていた。 アイアンシティで暮らすサイバー医師の男性イドは、クズ鉄の山でサイボーグ少女の頭部を発見し、新しい機械の身体を装着し甦らせ、アリータと名付ける。 実は彼女は、300年前の大戦中に作られた“最終兵器”だった…。 SFアクション。
  • 2019.03.02 (Sat) 09:37 | 象のロケット
この記事へのトラックバック
この記事へのトラックバック
  •  アリータ:バトル・エンジェル
  • 【概略】 天空に浮かぶユートピア都市‘ザレム’と、そこから排出された廃棄物が堆積する荒廃したクズ鉄町‘アイアンシティ’。ある日、サイバー医師のイドはクズ鉄の山から少女の頭部を発見し、新しい機械の身体を与えアリータと名付ける。記憶を失ったままのアリータだったが、襲ってきた敵からイドを守るために戦った際、自分に驚異的な戦闘能力が備わっていることに気づいてしまう。彼女は、300年前に創られた‘最強...
  • 2019.09.20 (Fri) 20:12 | いやいやえん