来る



【監督】中島哲也
【出演】岡田准一/黒木華/小松菜奈/松たか子/妻夫木聡/青木崇高/柴田理恵/太賀/志田愛珠/蜷川みほ/伊集院光/他
【公開日】2018年12月7日
【製作】日本

【ストーリー】
オカルトライター・野崎のもとに、相談者・田原が現れた。最近身の回りで超常現象としか言いようのない怪異な出来事が相次いで起きていると言う。田原は妻の香奈と幼い一人娘の知紗に危害が及ぶことを恐れていた。野崎は霊媒師の血を引くキャバ嬢・真琴と共に調査を始めるが、田原家に憑いている『何か』は想像をはるかに超えた強力なモノだった・・・。
 
【プチ感想】
原作の『ぼぎわんが、来る』は未読なものの、中島哲也監督の手掛けるホラー作品と言う事で注目していた作品なんですが、なるほど怖さや楽しさが両立していて確かに面白い作品でしたね。ある新婚夫婦のアパートに起きた怪現象とそこに取り憑いている『何か』に翻弄されていく人達の恐怖の物語を三部構成で描いている内容だったんですけども、まあ正直言うと自分はホラー作品として見るならば本作はあんまり怖くはなかった(汗)。むしろそういった霊的な存在で驚かせたり恐怖を与える作品と言うより、なんか登場人物たちの人間模様と言いますか、一人一人が持つ暗黒な部分をまざまざと見せ付けられるとこの方が不安や不快感をとてつもなく煽って怖い印象があり、田原夫妻も結婚して新しいアパートも購入して子供も生まれて一見だととても幸せそうですし、田原の親友の津田も親身になって夫妻の相談に乗ったりと各人凄く良い面が現れているんですけど、後々になるとそれらが一転暗部として映し出されるようになるので、その前半後半で分かれている人間の両面性みたいなものに自分はゾッとする気持ちがありましたねぇ。
・・まあ勿論劇中で度々言われる『あれ』と呼ばれるものも明確な存在で描かれないので、その曖昧な表現もかえって不気味さがあって良かった気もしますし、終盤の大規模なお祓いシーンも本当に独特なので、状況はシリアスなんですけど不思議と笑いもこみ上げてくるもんだから、これもまた怖いより楽しく観れた理由の一つ。
キャスティングもホラー作品初出演の岡田准一さんの戦々恐々な演技が見応えありましたし、中島監督作品に縁のある松たか子さんや妻夫木聡さんらも最強霊媒師に見栄ばかり張るダメ夫と双方クセが強くて結構記憶に残りますねw香奈の家族の事とか野崎のかつての恋人(?)の事など、個人的には過去の背景をもう少し知りたかった人達もいましたけど、原作だとここら辺も多分詳しく描かれてそうだから興味は出てきますね。
 

8 Comments

ここなつ  

結構…

こんにちは。
結構、超常現象なのか、人為的なものなのか、判然としないものもあって面白かったです。でも結局抗えない超常現象なんですけど。

2018/12/25 (Tue) 13:46 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

もっとも怖いのはやはり

>ここなつさん♪

大元の部分は超常のソレがありましたけど、その間というか隙間に個々人の作為的な闇が見え隠れしていて、『うわぁ~』とか思いながらしかめっ面で観てたような気がします^^;
ありきたりな言葉ですけど、人間もやはり恐ろしいですよね。

2018/12/28 (Fri) 14:27 | EDIT | REPLY |   
ノラネコ  

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
私は原作既読なので、中島哲也があの小説をどう映画化するのか興味津々でした。
結果は、まあいろいろな意味で中島さんらしいw
あらすじは同じなのに、ここまで違ったものに仕上げてくるのはやっぱ才能だと思います。

2019/01/02 (Wed) 21:02 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

今年も宜しくお願い致します

>ノラネコさん♪

もうかなり遅くなってしまいましたが明けましておめでとうございます^^;今年も宜しくお願い致します。

原作未読ですが、中島哲也監督らしいという雰囲気は自分も感じましたね。普通の霊的な存在のホラーよりも生者の人間側の暗部を生々しく描く辺りはさすがだなと思いましたし、後半の大祓いシーンも含めて映画としての面白さが良く出ていたと思いました^^

2019/01/07 (Mon) 22:42 | EDIT | REPLY |   
隆  

ぼぎわんは確かに恐怖なんですが、その存在を意識して人間側が排除しようとすればするほどに、闇は大きくなるような気がします。

松たか子が呼び寄せた霊媒師達への潰しには、ぼぎわんの憎悪や執拗な潰し、そして喧嘩の上手さを感じました。個々を潰すのがテロリズムで、お祭り騒ぎの集団を潰すのが戦争の要素がある、と思います。

家族の生活を脅かすぼぎわんによる侵略というのは、善悪がはっきりしていて分り易いのですが、人間側もドロドロしていて、互いに欠点もあります。ですが、中島監督の手法は「告白」のように、善悪を超える新秩序やどんでん返しにもあると思いますので、それらしい作品でした。

2019/10/25 (Fri) 08:42 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

悪と呼べず

>隆さん♪

仰る通り、中島監督の作品には善悪の二極論で決着させない部分が見受けられますよね。ぼぎわんの存在は脅威でもある分悪に見えがちですが、そのぼぎわんに翻弄される傍らで登場人物たちの眉をしかめる程の暗部も浮かび上がってくるので、一概にどちらかが完全に悪と呼べないもどかしさというか複雑さがあるのも確かですね。

2019/10/25 (Fri) 21:04 | EDIT | REPLY |   
ボー  

行った

当事者だけに来ればいいのに、かかわると殺られるのが難儀なので、このまま行ったままでいいです。

2019/10/26 (Sat) 10:06 | EDIT | REPLY |   
メビウス
メビウス  

呪怨ぽくもあり

>ボーさん♪

当事者やその当事者に関わってる人にも危害が及ぶ辺りはちょっと『呪怨』にも似てる部分がありますね。

2019/11/04 (Mon) 19:26 | EDIT | REPLY |   

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  •  来る
  • オカルトライターの男・野崎のもとにやって来た相談者の男性・田原は、奇怪な現象に悩まされ妻子に危害が及ぶことを恐れていた。 野崎は霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を開始するが、その「何か」の霊的攻撃はエスカレートし、死傷者が続出。 真琴の姉で日本最強の霊媒師・琴子の呼びかけで、大規模なお祓いが行われることに…。 ホラー。
  • 2018.12.22 (Sat) 01:33 | 象のロケット
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  •  「来る」
  • 怖かった。何が原因かを紐解くことに意味はなく、これからの対処を考えるべき、という除霊師の意見は至極真っ当である。いや、これはホントに言い得て妙でしょう。そしてそのスタンスで作品が進むので、この呪いの原因が何なのかは明確にはならない。いや、あのことがこのことに繋がって、そもそも生あるものと死との間に厳然と存在する道行きのようなものが、この一連の出来事の発生を成す、などということは判るのだけれど...
  • 2018.12.25 (Tue) 13:46 | ここなつ映画レビュー
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  •  ショートレビュー「来る・・・・・評価額1600円」
  • 霊媒大戦争(笑 異才・中島哲也の最新作は、日本ホラー小説大賞受賞作、澤村伊智の「ぼぎわんが、来る」を原作としたオカルトホラー。 ただし、小説と映画は全くの別モノだ。 平凡な親子三人家族に怪異が迫る第1章は、かなり忠実。 しかし第2章以降が全く異なっていて、怪異の正体も、そもそもなぜ怪異が来たのか、その原因となった人物も、物語の視点もテーマそのものも全く違うのだけど、これはこれで面...
  • 2019.01.02 (Wed) 21:03 | ノラネコの呑んで観るシネマ
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  •  「来る」
  • 来た
  • 2019.10.21 (Mon) 21:38 | 或る日の出来事