ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

【監督】デビッド・イェーツ
【出演】エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/ダン・フォグラー/アリソン・スドル/ジュード・ロウ/ジョニー・デップ/エズラ・ミラー/ゾーイ・クラビッツ/カラム・ターナー/クローディア・キム/ウィリアム・ナディラム/ブロンティス・ホドロフスキー
【公開日】2018年11月23日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ニュート・スキャマンダーは学者として魔法動物を守るため、不思議な空間が広がるトランクを手に世界中を旅している。ある日、捕まっていた“黒い魔法使い”グリンデルバルドが逃亡する。恩師であるダンブルドアの命を受け、ニュートは人間界を転覆させようと画策するグリンデルバルドを追い、魔法動物たちと一緒にパリの魔法界へ向かう・・・。
J・K・ローリングの『ハリーポッター』シリーズから舞台を1920年代に移し、若き魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた『ファンタスティック・ビースト』シリーズ。子供ではなく大人たちが活躍する内容や数多く登場するユニークな魔法動物たちが可愛く、一作目から自分は結構見応えを感じていましたが、最新作の本作も物語や魔法動物に魅了されつつ新たな局面を迎えた展開に楽しめた反面、少しばかり粗も見えてしまった次第です。
それこそ前作が面白かった理由の一つに、姿やその能力などに凄い個性のある魔法動物たちと、その魔法動物を調査・捕獲するため奔走するニュートとジェイコブのドタバタなやり取りが前半部でかなり多く盛り込まれていたので、自分もそれを童心に近い気持ちになりながら観ていたのですけど、本作では悪の魔法使いであるグリンデルバルドが自身の野望のため本格的に動き出すせいか、その内容の方も終始シリアスな方向になっていましたね。そのため自分がワクワクした魔法動物たちとのドタバタ劇は殆ど隅においやられていた感じではありましたが、まあそれでも悪の魔法使い退治の奔走へとシフトした本作はその対立構造や重要人物たちの背景、関係性を深く描いていた分、シリアスでどんよりな雰囲気なれど見入ってしまう所もあった。
とりわけジュード・ロウが演じていたダンブルドアは、ハリポタシリーズで見慣れた姿と比較するとスーツでシュッとした体格なその壮年期はなんともダンディでカッコよく、相変わらず前に出るというよりは教え子たちを影ながら支えるポジションではありましたが、みぞの鏡の前で若い頃のグリンデルバルドとの接点も見受けられたので、外様なれどやはり本作でも重要なポジションにいるとも予想できる。対してジョニー・デップが演じてるグリンデルバルドも前作では本当に終盤のみの登場でしたから驚きこそあったものの悪役としての存在感が薄かったので、本作でのカリスマ性に溢れ、口調は丁寧だけど冷酷、そしてニワトコの杖で魔法も驚異的とボスの貫禄は十分で、ヴォルデモートとはまた違った悪の魅力があったかと思う。他にもハリポタシリーズでそのヴォルデモートの傍にいた大蛇(ナギニ)が人間の姿で登場してたり、賢者の石を作った錬金術師も出てきたりと、ハリポタシリーズと関連の深いキーワードが前作より多く盛り込まれているように思えたのも個人的に見応えを感じた部分だったかなぁと。
・・ただキャラクターや物の名称はある程度覚えてますが、呪文などの魔法言語関係はからっきしなので、本作でもオブスキュリアルって何だったっけ?と一時的に曖昧になってたのも鑑賞しててこれまた相変わらずだったとゆーか・・^^;
あとジェイコブの忘却術がまるでなかった事のようにあっさりしすぎてたのも首傾げではあったし、クリーデンスの出生を巡る回想も墓所で大分詰め込み過ぎてる感じがあったのも否めませんでしたねぇ。そのせいで後半は大分忙しなくなってしまったので、個人的には一作目と同じようなワクワクや感動は得られず物足りなかった印象になってしまいました。