アントマン&ワスプ

【監督】ペイトン・リード
【出演】ポール・ラッド/エバンジェリン・リリー/マイケル・ペーニャ/ウォルトン・ゴギンズ/ボビー・カナベイル/ジュディ・グリア/ティップ・“T.I.”・ハリス/デビッド・ダストマルチャン/ハナ・ジョン=カーメン/アビー・ライダー・フォートソン/ランドール・パーク/ミシェル・ファイファー/ローレンス・フィッシュバーン/マイケル・ダグラス
【公開日】2018年8月31日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
バツイチ、無職、前科持ちで、離れて暮らす愛娘だけが生きがいのスコット。驚異の”スーツ”を手に入れた事で、身長1.5cmの最強ヒーロー・アントマンになったものの、ある大事件をきっかけにFBIの監視下に置かれることに。そんな頼りない彼を支えるのが、アントマンの開発者ピム博士の娘、ホープ。彼女もまた父の開発したスーツと驚異の身体能力で最少最強のヒロイン・ワスプとなる。そんな全く正反対の二人の前に、全てをすり抜ける神出鬼没の謎の美女・ゴーストが現れ、アントマン誕生の鍵を握る研究所が狙われる・・・。
四月に公開されたインフィニティ・ウォー(IW)での出来事が衝撃的過ぎたせいで未だその記憶が頭から離れず、かろうじて生き残ったアベンジャーズの面々も今後がこれまた気になる所であるだけに、本作のヒーロー・アントマンの存在もやはりその気になる内の一人ではあったんですよねぇ。IWで加勢する事なく姿を現さなかったのでその動向が謎でもあったのですが、本作ではその何故?にも答えてくれていたので一応疑問の回収もちゃんとしてくれており、且つ単独作品としての面白さも損なっていなかったから今回もとても見応えがあった次第♪
時間軸としてはシビル・ウォー(SW)とIWの中間の出来事になってるようで、アベンジャーズの面々がサノスと戦っていたあいだアントマン=スコットも自宅謹慎中ながら極小の量子世界に取り残されたピム博士の妻・ジャネットを救出するために奮闘していたわけで、実はこちらもかなりハードな状況に置かれていた模様・・・。とは言ってもSWやIWのような深刻さやシリアスさをあまり持ち込んではおらずむしろ真逆で、作品の雰囲気は一作目のユーモアや個性豊かな登場人物たちの増量によって、案の定笑いの量も増えてたし質も上がっていたように思える。体や物質のサイズを自在に変えることが出来るのがアントマンの能力ですが、そのサイズのアップダウンを用いたドタバタなやり取りは健在で、更に今回はスコットのアントマンスーツがかなりの頻度で調子悪かったからそういったイレギュラーな要素も噛み合ってかもう終始笑いっぱな感じにもなり、加えてスコットの相棒であるルイスの回りくどい説明も相変わらずだったので、脇を支える人達の面白さも申し分なしっ。
本作に登場するヴィランのゴーストと武器商人の男らに関しては個人的に悪役として少しパワーが不足している感も見受けられましたけど、こう思ってしまったのはやっぱりIWでサノスの圧倒的な存在感を見てしまったせいも大きいのかもしれないですね。まあサノスと比べるとマーベルのヴィランなんて全て霞んで見えてしまうのは当然っちゃ当然ではあるんですが、それでも武器商人の小悪党ぶりはともかく、ゴーストは女性の悪役と言うのがちょっと珍しくも思えましたし、物質を何でもすり抜けてしまう能力はまさしく幽霊(ゴースト)だったので、ビジュアル面は結構好みな方ではあったかなと。
他にもスピーディなサイズアップダウンで魅せる本作特有のアクションなども上記のゴーストの出現があってか、縮小・拡大・透過という現象が入り乱れる奇想天外なバトルを生み出していて爆発多めのドンパチアクションとは違う興奮をまた得る事が出来ましたし、また本作に出て来たあらゆる現象や法則を超越した量子世界の存在や帰還したジャネットの不思議な能力なども強敵サノス攻略の糸口(?)になりそうな気がしないでもないから、今後それらがどう絡んでいくのかも期待したいですね。・・まあもっとも、スコットに至っては先ずあの絶望的な状況から帰還するのが最優先でしょうけど。
お馴染みの『帰ってくる』も今回は『?』の疑問形だったので、笑いの絶えなかった内容が急転して不穏になってしまったのもまあある意味凄かったです--;(汗