レディ・プレイヤー1

【監督】スティーブン・スピルバーグ
【出演】タイ・シェリダン/オリビア・クック/ベン・メンデルソーン/リナ・ウェイス/サイモン・ペッグ/マーク・ライランス/フィリップ・チャオ/森崎ウィン
【公開日】2018年4月20日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
2045年。多くの人々は荒廃した街に暮らす現実を送っていたが、若者たちには希望があった。それはVRの世界『オアシス』。そこに入れば、誰もが理想の人生を楽しむことが出来る。ある日、そのオアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが亡くなり、彼の遺言が発表された。”全世界に告ぐ。オアシスに眠る3つの謎を解いた者に、全財産56兆円とこの世界の全てを授けよう”
突然の宣告に世界中が湧き立ち、莫大な遺産を懸けた争奪戦が始まった・・・。
今年の四月は洋画の話題作が週替わりで立て続けに公開されてもいるものですから、嬉しい反面あんまり余韻に浸る時間のようなものが無いのも正直なとこではありますね(汗)。個人的にはまだ『パシフィック・リム アップライジング』の興奮も冷めきってはいない感じではあったのですが、それでもこの『レディ・プレイヤー1』を観てしまうとその興奮がいとも容易く塗り替えられてしまうくらいな驚きの映像体験を与えてくれまして、エンタメを極めているスピルバーグ監督の真骨頂とも言えるような作品でしたね^^
天才的なゲーム開発者が遺言として残した3つのイースターエッグの争奪戦を巡る一方で、巨大企業の圧制に立ち向かう物語などは原作を知らずとも分かり易い単純明快さが自分好みでもありましたし、何よりバーチャル世界『オアシス』内で自分が今まで見知った様々なサブカルチャー群が入り乱れるシーンの数々には終始興奮のボルテージは上がりっぱなしな状態だった気がする^^;
上記の通り本作の原作も読んでいないですし、正直言うと出演している主要な役者さんたちも好きって公言できるほどのファンでも無かったので、必然的に本作に興味が向いたのはやはり劇中で次々と出て来るキャラクター達・・・まあ自分の場合は主に日本の漫画やアニメ・ゲームコンテンツの部分が多く占めていますけど、そのイチオタクの食指を大いに刺激してくれまして、視線に捉えたものだけでもかなり多かったですね。オアシスが起動するなりマインクラフトのブロックアートがウェルカムしてくれたり、序盤のレースゲームではデロリアンと金田バイクのデッドヒート、終盤に至ってはオーバーウォッチやらHALOやらガンダムvsメカゴジラやらアイアンジャイアントが親指立てるやら必殺技のHA!DOUKEN!!やらと、自分の好物のコンテンツだけでこれくらい沢山あったのでもうかなりお腹が膨れてしまった(笑)。映画や音楽コンテンツなどもかなり豊富でここら辺は冒頭のヴァン・ヘイレンのジャンプを筆頭に80年代頃のヒット作がひしめいてましたけど、自分もその年代はかろ~・・じて分かる世代だから少しだけ食いつくことは出来まして、イースターエッグ探しの合間にも『サタデー・ナイト・フューバー』や『シャイニング』とか絡めてもくれていたのでなんか楽しさと懐かしさが同居していましたし、そのイースターエッグ探しの謎解き要素なんかも捻った感じと言うか、灯台下暗し的な解答もワクワクさせるものがあったので観てて楽しかったですね♪
・・・まあでも序盤のレースゲームのヒントなんかはもの凄い身近にあっただけに、きっかけを得られずともダメ元でやってみるか~みたいなチャレンジャーが本当に五年間も存在しなかったのか?というのがいささか気にはなったけど・・・そう考えるのは邪推かな?(汗
・・ともあれモブ的な登場も含めこれだけ他作品のキャラクターがひしめきあってる作品は滅多に無いとは思いますし、そしてそれらを大々的に使用する上で避けて通れない小難しい権利諸々といったものなども考え出してしまいますと、本作が作られた事ってやっぱり限りなく奇跡に近い事のようにも思えてしまいますね。おそらくスピルバ-グ監督だからこそ信頼を寄せてくれたのでしょうし、本作を観た限り監督もまたその期待にちゃんと応えて物凄い娯楽作に仕上げてくれてもいたので、改めてスピルバーグ監督の巨匠たる力量も感じ取れた次第。
オアシスのVRゲームとしての魅力も描かれていた一方で現実でしか得られない大切な魅力の数々にもちゃんと言及し、成長していく主人公の物語として観ても本作はとても面白かったと思います♪