リメンバー・ミー

【監督】リー・アンクリッチ
【声の出演】アンソニー・ゴンサレス/ガエル・ガルシア・ベルナル/ベンジャミン・ブラット/アランナ・ウバック/レニー・ビクター/ジェイミー・カミル/アナ・オフェリア・ムルギア/ナタリア・コルドバ=バックリー/ソフィア・エスピノーサ
【公開日】2018年3月16日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な家族の掟によってギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした。だがその瞬間、先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。しかし、日の出までに元の世界に帰らないとミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう。唯一の頼りは家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター。だが彼にも生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消えるという運命が待ち受けていた・・・。
最新作が公開されてはその都度絶賛され良作を量産しているようなピクサー作品ですが、個人的にピクサー作品って何故かあんまり劇場では鑑賞しない感じにもなってきてるんですよねぇこれがまた^^;。別に特別嫌いってわけでもないんですが、それでも近年だと大抵レンタル待ちの自宅鑑賞で済ませちゃってまして、今回の劇場鑑賞も確か『モンスターズ・ユニバーシティ』以来だったかなぁと思いますので、そう考えるとかれこれ3~4年ぶりくらいかもしれませんね(汗
しかしながら映像もそうですがやはり全体的にクオリティ高くてさすがはピクサーといった所でしたね♪久しぶりの劇場鑑賞でもあった分興奮も感動も増し増しとなった感じで、このリメンバー・ミーもとても面白く鑑賞出来た次第。
メキシコの祝祭である死者の日をテーマに主人公の少年・ミゲルが大冒険を繰り広げるわけなんですが、この死者の日って正直自分も良く分からない部分も多くはあるんですよねw直近でこのお祭りを観たのはダニエル・クレイグ版007の『スペクター』だったと思うんですけど、そこでは人々が骸骨の被り物やメイクをして陽気に街を練り歩いていたから少なくともネガティブな雰囲気のお祭りじゃない事ぐらいは理解して臨んだのですが、リメンバー・ミーで描かれる死者の日の世界はなんかそれよりも更に陽気で明るくもありましたね。ミゲルが迷い込んでしまった死者の国は目がシパシパするくらいのカラフルさで、大都市ばりの壮大な風景には自分もかなり圧倒されてしまったんですよねぇ。なんじゃこりゃぁ~みたいな感じでw
生者の世界へ死者が足を運ぶ際も、まるで空港みたいに出国入国みたいな手続きをして行く設定も可笑しかったですし、こういったユーモアに富んだ楽しい死者の世界を創造した作り手側のイマジネーションにも改めて驚かされたといった所でしょうか。・・まあおそらく本当の死者の日の行事にしてももうちょっと厳かな雰囲気もあるとは思うのでもしかしたら大分異なる部分も見受けられるのかもしれませんが、まあそれでも自分は無知な分、この陽気な世界観を素直に楽しめた感じでもあったかなと。
あとそのカラフル死者の国を楽しむ一方で、音楽を頑なに禁止するミゲルの一族のルーツに迫っていくストーリーも謎ありそして感動もありでこちらも見応えがありましたね。まあワケありなヘクターの道中の語りや、家族より音楽を選んだというミゲルのひいひいおじいちゃんの顔無し写真とも照らし合わせたりすると、その色々な謎に関しても途中から結構分かり易くなっては来るのですが、ただそうやって分かってはいつつもピクサーの演出は凡人な自分の考えや予想を軽々と超えてしまうせいか、やはり定石通りに涙を誘われてしまったわけでして^^;ママココにリメンバー・ミーを聴かせるシーンから自分も急激に鼻がツーンとなってしまったので、あそこの涙腺の破壊力たるや本当に凄まじかったぁ。鑑賞してた時は花粉症で鼻水も酷かったので、心なしか息苦しかったような気もしたのでした(汗
全体的にノリノリなラテン音楽なども響き渡り、色彩豊かな死者の国のカラフルな世界観もあってか『リメンバー・ミー』は終始楽しめたと同時に、普遍的な家族の絆などもとても良く感じ取れた秀逸な作品でしたね♪・・そういえば自分も小さい頃や既に亡くなった親族関係の人達の記憶諸々はまだ結構残っていますけど、それでもやはり年などを重ねるに連れて部分的にどんどんと曖昧になっていくと思うし、そうやっていつしか何かを忘れてしまう悲しみや恐れといったものを、本作は死者の国での『二度目の死』というもので分かり易くも伝えていたので、なんかそういう思い出の大切さなども改めて感じ取れた次第。
本作では写真もキーになっていましたけど、その写真にしても最近本当に撮らなくなったし家族写真ともなれば尚の事な感じなので、近い内に本当に家族の写真を撮りたいなとも思わせてくれたのでした。