【監督】ギレルモ・デル・トロ
【出演】サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス/ダグ・ジョーンズ/マイケル・スタールバーグ/オクタビア・スペンサー
【公開日】2018年3月1日
【製作】アメリカ

【ストーリー】
1962年、アメリカ。政府の極秘研究所に勤めるイライザは、 秘かに運び込まれた不思議な生きものを見てしまう。アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の奇妙だがどこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。 子供の頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった。音楽とダンスに手話、そして熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、イライザは“彼”が間もなく国家の威信をかけた実験の犠牲になると知る・・・。
 
【感想】
今年の第90回アカデミー賞で最多13部門にノミネートされ、作品賞を含む4冠を達成したギレルモ・デル・トロ監督の最新作『シャイプ・オブ・ウォーター』。本当は公開日に真っ先に観ようとも思ってはいたんですが、生憎運悪く3月の初めは出張関係のトラブルでバタバタして鑑賞のタイミングを思い切り外してしまったのが痛かったですね(汗)。結果アカデミー賞の模様も先に知った分否応なく期待値も当初より増してしまい若干ハードルも上がってしまった鑑賞ともなりましたが、それでもやっぱり評判に違わぬ面白さはあったと思いますね。

デルトロ監督と言えばモンスターの造形などに並々ならぬ情熱や愛情を注ぐ監督さんとしても有名ですが、本作でもそのモンスター愛が溢れていて非常にデルトロ監督らしい独創的なラブ・ストーリーになっていた気がしますね。声を失った女性と半漁人のような生物との種族を超えた愛は、当然ながら人間同士の恋愛とは大分かけ離れた出会いや交流ばかりで正直異質でもありましけど、ただイライザが彼と恋愛に至るまでの色々な過程も含めまして本作は見応えがありましたので、普段ラブ・ストーリー作品を殆ど観ない自分でも大分食いついてしまった。デルトロ監督のイマジネーションが具現化した不思議な生き物=彼の造形にも視線が釘付にもなりましたし、イライザの良き理解者でもある同僚のエルザや隣人の画家ジャイルズのちょっとクスッとさせるユーモアあるやり取り、あと途中でミュージカル調にもなったりするのであんまり飽きさせない感じだったんですよねぇ。あとどこかほの暗くも古典的というかクラシカルな映像も全体的に雰囲気が出てて良かったかなと^^
本作での悪役にもなっているストリックランドとの対立も何かとスリリングで面白く、己の野心のために彼を解剖しようとする企てを阻止するべく声の出せないイライザが協力者達とスパイミッションさながらの救出劇を繰り広げる一方で、米ソの諜報戦みたいなものも並行してるから妙な緊張感もあるんですよねぇこれがまた。ストリックランドも異常に執念深かったですからどんどん距離を詰めていきイライザたちを絶命寸前まで追い込む終盤までその緊張感は持続してましたので途中バッドエンドも少し脳裏をよぎったのですが、そんな気持ちとは裏腹に最後は結構驚きの展開にもなってそこでなんかはぁ~なるほどねぇとどこか納得してしまうような気持ちにw
考えてみたらイライザの首にあった傷のアザもどことなくエラに見えなくもなかったですし、人魚姫の物語とも照らし合わせるとイライザの声が出せないだとか捨て子だったとかいう背景も同族とみなすならばどこか筋も通るから、そう考えると最後もまた良い結末だなと思いましたね。・・まあそういった説明こそ劇中ではされてないですしあくまで想像の中ではありますけど、そう考えた方がロマンもあるってもんですし、その方が二人も幸せでしょうからねぇ~^^


しかし個人的にアカデミー作品賞を受賞した作品ってあんまり好みに合うものが少なくて、それこそ今年の作品賞も『スリー・ビルボード』のような重厚な作品が来るんじゃないかとも思ってただけに、本作が受賞した不思議さみたいなのも正直鑑賞してふと思った次第・・。ファンタジックで感動できるラブストーリーであったのも確かなんですが、自分は当初本作はもっとプラトニックな感じが強い作品だとも思ってたんですよねぇ。ところが実際はプラトニックどころかあの不思議生物とイライザは大胆にセックスまでしちゃいますし、その彼もイライザのアパートの猫をむさぼり食うなんていうウギャーなシーンまであったりと、要は結構刺激の強い場面も多かったのでよく受賞出来たなぁ~みたいな所もあったりしたわけで・・(汗)。
しかしまあそういうのとは別に有色人種や同性愛者に対する偏見も映り込んでいましたし、アメリカも今現在こうした差別に対する運動が活発になっているのをニュースでも見てるので、そうした迫害を受ける者達の勇気ある行動を描いてる部分も評価に繋がったのかもしれませんね?
 
マリリンの歌!?
名作「パンズラビリンス」でも異彩を放っていたギレルモ監督の作品は、弱者に対する温かい眼差しと、異形の者に対する惜しみない愛が溢れ、切ないラストが忘れられないのが特徴だけれど、その異形愛が強すぎてちょっと引いてしまうのが正直なところ。 しかし今作はぐっと抑え目なビジュアルで、より共感しやすい物語になっていたyo
特別招待作品。アメリカ映画。ギレルモ・デル・トロ監督作品である。本作は2017 年第 74 回ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた。 冒頭は、水中で生活をする夢の中のようなシーン。ロマンチックで怪しくて幻想的で。ベッドも踊るし食器も踊る。まるでディズニー・ワールドのようであるが、勿論ディズニー・ワールドとは違う。だってこれは、ギレルモ・デル・トロの世界なのだから! そんな夢も醒めやらぬまま、...

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以前だったら、

「スリー・ビルボード」が作品賞だろうなあと思いました。時代の趨勢でしょうか。

変化してきたのかも

>ボーさん♪

ジャンル系統の作品が受賞するのはかなり珍しい気もしますよね。アカデミー賞会員の事はそう詳しくは分かりませんけど、本作が受賞したという事はその会員の傾向も少しずつ変わってきたのかもしれませんね?

人魚姫

メビウスさん☆
60年代のクラシカルな雰囲気がファンタジーの世界に自然にいざなってくれましたよね。
きっと彼女は人魚姫だと思って見ていましたが、もっとプラトニックな話と思っていたので、私も正直びっくりしました。

マッチ♪

>まだ~むさん♪

往年の名作・名曲も散りばめられていたらしいのでその辺りこそちょっと分かりませんでしたが、それでも確かにクラシカルな雰囲気とデルトロ監督の思い描いた世界観はとてもマッチしていた感じがしました^^
それにイライザも同族だと思いたい。出会うべくして出会ったというのもロマンチックですし♪

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