【監督】マーティン・マクドナー
【出演】フランシス・マクドーマンド/ウディ・ハレルソン/サム・ロックウェル/アビー・コーニッシュ/ジョン・ホークス/ピーター・ディンクレイジ/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
【公開日】2018年2月1日
【製作】イギリス、アメリカ

【ストーリー】
ミズーリ州の田舎町・エビング。この町にあるさびれた道路の3枚の広告看板にメッセージを出したのは、7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッド。犯人は一向に捕まらず、何の進展もない捜査状況に腹を立て警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や町の人々に脅されても、一歩も引かないミルドレッド。だがその日を境に次々と不穏な出来事が起こり始め、やがて誰もが想像できない衝撃の事件が起こる・・・。
 
【感想】
娘を殺害された母親が道路沿いの広告用看板へ中傷文を記した事によって片田舎に住む様々な人々に波紋を広げていく様は、広告塔の本来の役目である広い宣伝効果や見た人への影響力なども結びつけているような点もあって面白い作品のタイトルだなぁとも思えた反面、その広告の影響によって徐々に炙り出されてくる差別的な問題や、暴力には更なる暴力・・やったらやり返すといった負の連鎖などもまざまざと描いていたので、本作は個人的にはまあ・・凄く重苦しかったというのが先ず正直な所ではありましたね^^;
三枚の広告文によって動き出していく三者三様のドラマにしても中々にパワーがあるものばかりでして、ミルドレッドは娘を殺された被害者でもあるから観てる方としては同情したいんだけども、彼女自身がかなり苛烈な性格なためか異を唱える者に悉く牙をむく姿勢が少々問題ありでもあったし、ディクソンも差別主義剥き出しで暴力もお構いなしだから途中までは全く好きになれない人物。そして人望厚いウィロビー署長もガンを患って悲壮感のようなものが随所に現れていたから、そういったネガティブな面も凄くて結構険しい顔付で自分は物語を追っていた気がします。・・・そう、少なくとも前半までは。

展開が動くのはウィロビーのある決意からで、はからずともその行為がミルドレッドとディクソンのその後を大きく変えるきっかけにもなり、そこから自分も何かグッと引き込まれるような感じにはなりましたね。正直なとこ、ウィロビー署長もミルドレッドの娘の事件でなんか公にしたくない隠し事をしてるんじゃないか?とかそんな良からぬモヤモヤを考えていたんですけども、彼が二人に残したものを見る限りですと人望が厚い誠意ある人物だったのは間違いなかったようで、ミルドレッドのように敵視してた自分がちょっと恥ずかしくもなったりで・・・・^^;。手紙を読んでからのディクソンの即座な変わりぶりとかにも少々思う所はあったものの、それでも彼も純粋な思いを受け取った事で芽生えた正義の行為には、観てて胸が熱くなるような気持ちになってしまったのでした。


・・まあミルドレッドの娘の事件自体に関しては結局スッキリする事のないままではありましたし、ミルドレッドらの最終的な矛先もその娘の事件とは別な方向に向いてしまう辺りも意外というか釈然としない終わり方にも見えはしましたが、ただ本作の伝えたい部分を考えるとやはり事件だけに焦点を当てた内容ではないのかもしれませんねぇ。物事を怒りや暴力で訴えて変えるのではなく、歩み寄り話し合う姿勢も時には必要な事なのでしょう。ミルドレッドもディクソンも多分そこに気づかされたから最後は二人ともどこか穏やかな(?)面持ちだったような気もする。
暴力描写もそれなりに凄かったのは確かでしたけど、同時に人の持つ良心や優しさをさりげなくもだけどとても大事に盛り込んでいたのも良かった本作。予想しづらかった進行も含めまして、なんだかんだで最後まで釘付けにされた作品だったと思います。
 
何しろ脚本が面白い! 何が起こるか、話がどうなっていくのか、予測もつかない方向へ、そして思いつきもしなかった結末へ。 しかも憤怒のかたまりでしかなかった母親が、後悔と苦悩の姿を垣間見せる中盤から、まさかずっと涙することになるとは思ってもみなくて…

コメントの投稿

非公開コメント

最後まで釘づけ

メビウスさん☆
途中の展開が予測がつかなくて、結構大きなお口あんぐりして観てました。
予告編からして重苦しい雰囲気を出してますが、実は面白い映画なのですよね。
私はとっても気に入ってしまいました。

PAGETOP