あらしのよるに(評価:◎)

【監督】杉井ギサブロー
【声の出演】中村獅童/成宮寛貴/林家正蔵/山寺宏一/小林麻耶/市原悦子/早見優/坂東英二/竹内力/他
【公開日】2005/12.10
【製作】日本
【ストーリー】
ある嵐の夜、仲間とはぐれたヤギのメイは、壊れた山小屋で雨風をしのいでいた。そこへ同じように嵐から逃げてきた“仲間”と思わしき一匹の動物がずぶ濡れになって飛び込んできた。小屋は真っ暗で何も見えなく、互いに一人ぼっちで心細かった二匹は、話をする内に仲良くなり、次の日に『あらしのよるに』と言う合言葉で再開を約束する。
ヤギとオオカミだという事に気づかぬまま・・・
【コメント】
いや~・・・・・・・この映画は久々に最悪の環境で鑑賞しましたね。
子供向けというのもあり、親子連れ子供ばかりが超多数。本編が始まってもお子様はお喋りペチャクチャするし、『NO MORE CRY』の着メロが鳴り響いたりもするし、映画観てる最中にも関わらず予告編に出てたのが忘れられないのか『セイザーX早く観てーっ!あれ何日だっけ?』と大声で喋り出す始末。
何で始まった途端そんな余計な事でヒートアップするかなー!!?しかもセイザーXは17日だっつーの!!!と言うか自分も観ようかどうか迷ってるってばよっ!!(byナ●ト)
まあ、戯言は\(^o\;) (;/o^)/置いといて
きむらゆういち原作の同名絵本で大ベストセラーともなった『あらしのよるに』のアニメ映画版。
ヤギとオオカミと言う、誰がどう見ても『食う者と食われる者』といった関係を思い起こすこの2匹が偶然にも出会い、種族の枠を超えて友情を深め合う様をユーモラス且つ感動的に描いています。
観る前から子供向けに作られてるって事は分かってましたが、実は結構ツボを突かれました♪(^▽^;)
初めて顔合わせをした瞬間のあの微妙な空気といい、メイを見てごちそうだと思いつつも必死に堪えようとするガブの行動は、観て思わずプッ(^m^*)となってしまう。しかし微笑ましい場面もある反面、ヤギとオオカミの弱肉強食の過酷な世界も見せ付けられる。
種族間での絶え間ない対立は、見方を変えると現代の国同士の対立等を彷彿とさせるようで、子供はともかく大人が観るとそう言う深い所にも気づかされるとも思います。
映画の方は原作と違い若干脚色されたようで、本当はガブは終盤の雪崩に巻き込まれて死んでしまうと言う設定(第6巻)でしたが、映画版では意外な形で復活を遂げる。原作の読者の強い要望もあったと思いますし、やはりその人気の高さが伺えます。
キャスティングも中々面白く、ガブ役の中村獅童は聞いた感じではかなり声が変わっていたのに驚きました。ドラゴンの『不快だ~~~!!』と言う野太い声と一瞬比較してしまいました(笑)。結構声優に向いてるかも?
そして何と言ってもボスオオカミのギロ役の竹内力!!・・・・・怖っっっ!!!
あの厳つい声・・ドハマり役です(^▽^;)アテレコはさぞかし皆さんヒヤヒヤしてたでしょうね~。現場にヤクザが1人いるようなもんです。そして『ギロさ~ん』と言ってなだめる子分のバリー役の山寺宏一もかなりイイ♪この人のハスキーボイスはボス役なんかにもぴったりなんですけどね・・惜しいものです。
と言うわけで思ったよりもツボにはまってしまったこの映画、子供向けながらお金を払って観る価値はありました。
まあガブとメイの過度な友情表現は、見ててちょっと気恥ずかしくなる所もありましたが、子供はそんな所は気にしないでしょうね。
これで劇場内が静かだったら・・・
『あらしのよるに』公式サイト
