ワンダーウーマン

【監督】パティ・ジェンキンス
【出演】ガル・ギャドット/クリス・パイン/ロビン・ライト/ダニー・ヒューストン/デビッド・シューリス/コニー・ニールセン/エレナ・アナヤ/ユエン・ブレムナー
【公開日】2017年8月25日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ワンダーウーマンが生まれたのは、女性だけが暮らすパラダイス島。ダイアナ(ワンダーウーマン)はその島のプリンセスだった。ある日、不時着したアメリカ人パイロットを助けた事から、外の世界で戦争が起きていることを知る。彼女のは自身の力で世界を救いたいと強く願い、二度と戻れないと知りながら故郷を後にする。そんな彼女は初めての世界で何を見て、何のために戦い、そして何故戦士へとなったのか・・・。
自分はDC作品がちょっと苦手・・・というより、あんまり面白くないシリーズという印象が先行しておりまして、それはMCUのように作品を連動させていく腹積もりがあるとこなんかにも個人的な懸念を示してるってのもありますが、『マン・オブ・スティール』から始まって『バットマンvsスーパーマン』、そして『スーサイド・スクワッド』と一応一通りの鑑賞はしてるものの、自分のツボにハマッたのが今の所『マン・オブ~』しかないもんですからやっぱし少し不向きかも・・なイメージも拭えないんですよねぇ。だから本作も正直観なくても良いかなという気持ちも当初無きにしも非ずでしたが、そういった食わず嫌いをしなくて良かったかなという気持ちに変換されたのが鑑賞後の感想でもあったり(汗)。最強美女戦士ダイアナ=ワンダーウーマンの大活劇、想像してたよりも面白かったですね。
DCエクステンデッド・ユニバースでしたかな?^^;・・・の枠組みとしてだと4作品目に該当する本作ですが、その内容は2作品目の『バットマンvsスーパーマン(以下BvS)』で初登場し活躍したワンダーウーマン、彼女の前日譚のようなものになっていましたね。これMCUとかだとある程度単独作品が公開された後にアベンジャーズのような集合作品が作られたりしていますけども、なんかDC作品側の方は集合作品の方を先に作ってからこういった単独作品に持って行ってるようにも見えますね?マーベル作品とは真逆なスタンスにも思えてどこか対照的でもありますね。
・・で、その前日譚的なワンダーウーマン始まりの物語ですが、上記の通りなかなか面白かった♪彼女の事はBvS以前だと名前とその容姿くらいしか知らなかったので、その強さの元や彼女の生い立ち、そしてBvSにどのように繋がるのかというのも含めて興味深く観れた点は沢山あったと思う。まあBvSでは彼女の超人的なパワーばかりが際立っていたのでそれが魅力にも見えたのですが、本作ではそのパワーだけじゃなく人間の世界の事を全く知らないダイアナの言動の数々・・・その良く言えば純粋で悪く言えば無知な所が本作を面白く観る事が出来た要因の一つでもあったかもしれない。
ほぼ隔離されたような環境で育ったがゆえに人間の世界での彼女の一挙手一投足はまさしく箱入り娘のそれであって、観ててかなりユーモアに溢れてもいたんですよねぇ。アクション時は眼光もするどくクールなイメージも定着していたので、その世間知らずさや大胆さでスティーブを常にヒヤヒヤさせるやり取りなどは見ててとてもコミカルで楽しかった。
一方で女戦士一族としての誇りや正義感も人一倍強いため、見慣れぬ世界への不安や恐怖よりも諸悪の根源である軍神アレスの討伐にも燃えるダイアナなのですが、その考えというか行動目的はどこか子供に近いものがあり、アレスを倒せば戦争が無くなるとかアレスを倒せば平和になるという極めて単純な思考で突き進んでもいくんですよねぇ、困ったことに^^;当然戦争も、そして世界もそんなに単純なものではなく、大将を倒してはい終了ともならなければ、大きな目的のための小さな犠牲なども彼女にとっては理解し難い状況ばかり。あまり多くを学ばず過酷で非情な戦争の只中にすぐその身を投じた事にもよって、人間の醜悪さや理不尽な現実を直接感じ取ってしまい、結果自分の中の正義が揺らいでいく後半部はユーモアを交えていた前半とはまた違ったシリアスさや感動、そしてアレスとの迫力のバトルもあったりでこれまた見応えがあり、またそのアレスとは逆に人間の良心や愛を説きダイアナを立ち直らせたスティーブも最後まで良い仕事をしてて好印象でしたね。・・・と言いますか、今年に入ってなんか『愛する者のために身を賭してなんちゃら~』的な展開で最後を盛り上げる作品多い気がしますねぇ?こんなに立て続けだと飽きるもんだとも思うんですが、それでも相変わらず涙腺を刺激されるのは自分が涙脆くなってしまったのかはたまたクリス・パインが好演だからなのか・・?なんにせよ本作でもかなりグッときちゃいましたねw
とまあ人間の良い部分も学んだけどそれと同時に悪い部分なども目の当たりにし、更には最愛の人も失ったりと、BvS以前の彼女の物語は結構波乱に満ちていた事が分かりましたし、またこうした経験もしたからこそでしょうか、そのBvSの方でもなんだか最初戦うことに対してあまり協力的な姿勢じゃなかったのも、本作を鑑賞したことで大分想像の出来る限りにはなりましたね。パズルのピースがはまるような『なるほど』的な描写も多かったので、やはり観て損は無かった感じ。アクション面に関しても女性が終始これほど豪快かつ優雅にスクリーンで暴れまわるのも珍しいような気がしましたし、個人的にはダイアナの故郷の島の海岸でドイツ軍とアマゾネス達が大立ち回りをするシーンがとても好きっ♪スローを多用したアマゾネス達のダイナミックなアクションがとても美しかったですね^^
『ジャスティス・リーグ』の方でもダイアナの勇姿がまた見れるようなので、そちらもちょっと期待が膨らんできたかな?