スパイダーマン ホームカミング

【監督】ジョン・ワッツ
【出演】トム・ホランド/マイケル・キートン/ジョン・ファブロー/ゼンデイヤ/マリサ・トメイ/ロバート・ダウニー・Jr./ドナルド・グローバー
/他
【公開日】2017年8月11日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ベルリンでのアベンジャーズの戦いに参加し、キャプテン・アメリカからシールド奪って大興奮していたスパイダーマン=ピーター・パーカー。昼間は15歳の普通の高校生としてスクールライフをエンジョイし、放課後は憧れのトニー・スターク=アイアンマンから貰った特製スーツに身を包み、NYの街を救うべくご近所パトロールの日々。そんなピーターの目標はアベンジャーズの仲間入りをし、一人前のヒーローとして認めてもらう事だった。ある日、スタークに恨みを抱く宿敵ヴァルチャーが巨大な翼を装着しNYを危機に陥れる。アベンジャーズに任せておけと言うスタークの忠告を聞かずに、ピーターはたった一人で戦いに挑むが・・・。
いっちゃん古い実写版であるテレビドラマ版こそ未見ではあるものの、世界中に空前のスパイディブームを巻き起こしたサム・ライミ版から鑑賞して凄く好きになったクチですし、マーク・ウェブ版だってなかなか見応えを感じていた方でしたから、その単独作品数も割と多い分マーベル作品の中でも思い入れみたいなのが自分なりにもあるゆえ、シビル・ウォーでアベンジャーズ参戦を果たした時は正直複雑な気持ちでもありましたねぇ。あ~、ついにそっちに行っちゃうかぁ、みたいな感じで(汗)。
まあそんな自分の気持ちは一旦さておくとして・・・本格的な参入を果たすと同時に再度の心機一転ともなった新生スパイダーマンの最新作である本作は、アベンジャーズ絡み・・・だからというわけでは無いと思いますが、それでもやはり面白い内容ではありましたね。初代や二代目と大分異なる部分が見受けられて驚きも色々ありましたので、なんか個人的には本作の方がアメイジングなスパイダーマンでもあったような気もしました(笑
新生スパイダーマンの単独作品とは言いましても、冒頭からいきなりシビル・ウォーでの一場面やウルトロンの残骸なども出て来ていたので実質マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)としての色合いが濃い内容にもなってはいますね。でもスパイダーマンの作品に共通している若者特有の苦悩や恋愛模様をきちんと引き継ぎつつそこにMCUも盛り込ませて、『新人』と呼ばれるやんちゃなヒーローが本当のヒーローとして目覚めていく展開は青春あり笑いありドンパチありで見応えありありでもあったwその理由の一つとしてだと、やはりトム・ホランドが演じる3代目ピーター・パーカーのキャラクター性にありまして、シリーズの中でも最年少のピーター・パーカーでもあるせいか、初代や二代目に比べると今までにないくらいにガキっぽさが前面に出てるんですよねぇ。もちろん悪い意味合いではなく^^;
ピーターの性格や周囲の人間関係なども随分変っており、学校の同級生にけなされているのは同じだけど負けてるって雰囲気ではないですし、親友も含めて友人も多く(?)、おまけにメイおばさんも美人ときてるから環境も充実wピーターって少しのび太的な駄目っぽさのようなものが大好きなサム・ライミ版の方でイメージが定着もしてしまったので、本作のような常に明るくて自撮りもしてテンション高くなってるお調子者なピーターの姿は、その既存のピーターイメージと大分食い違ってもいたんですよねぇ。・・・ただ、それで拒否反応示したかと言えば実はそうでもなくて、むしろ愉快にスパイダーマン活動してる彼は観てて楽しかったですし、そのスパイダーマン時もトニー・スタークによって様々な機能を搭載したハイテクスパイダースーツで活躍するシーンもアイアンマンさながらのカッコ良さを付与していたようにも思えた。また、アベンジャーズの一員に早くなりたくてこれまた若者特有の血気さや無謀な行動も目立ってはいたけど、そこで先輩ヒーローに喝を入れられたりもすれば、ヒーローごっこの範囲を超えた悪者との対面などをきっかけに自身の軽率さなども経験することで、正義感や使命感を高めていく彼の成長物語もやはり見応えの一つになっていたと思いますね。
そうそう、あとその今回の悪者である鳥人ヴァルチャーは、個人的にシリーズの中でも特に好きなヴィランとなりましたね^^ビジュアルが自分の好きな某ゲーム作品の敵キャラに激似だったせいもありますが、演じているのもマイケル・キートンというのがまたイイ・・というか非常に面白いっ。以前彼の主演作品で話題になった『バードマン あるいは~』もまだ記憶には新しいので、まさか本当にバードマンになって戻ってくるとは思いませんでしたねぇ。当然ながらかなりハマっていました^^;
・・・しかしあらかじめ連動作の予習をして挑んでいるわけでもないですので、MCU作品は楽しめる一方でこれまでの作品群の出来事やキーワードの記憶を鑑賞中に必死こいて思い出す・・なんて事を脳内でも行っているため、余裕のあるゆったりした鑑賞かと言えば正直『否』という回答の方が毎回圧倒的ではあるんですけども、本作に関してだとその点はちょっと易しかったかなぁと?トニーの兄貴も出ては来るけど観た感じですとそんなに出張っていた風では無かったですし、ヴァルチャーに対して共同戦線なんて場面も無いので、結果的にアクションもドラマも見せ場はあくまでスパイダーマン=ピーターともなってて彼の活躍と成長を本作で十二分に堪能できたといった所。・・まあウルトロンのオーバーテクロノジー諸々に関してはちょっと理解不足ではありましたが、ただ今回のヴァルチャーやその仲間の悪事を観て思うこととして、なんの特殊能力も持たないただの一般人でもああいった地球外の異端技術を所持・悪用すれば、いつの日かマーベルヒーロー達とも対等に渡り合えるようになるんじゃないかというのも、ふと考えてしまった次第。MCU関連作もかなり長い事続いてるだけに、その世界観も徐々に変わりつつあるのを今更ながらに感じてしまったのでした。