ジョン・ウィック:チャプター2

【監督】チャド・スタエルスキ
【出演】キアヌ・リーブス/リッカルド・スカマルチョ/ルビー・ローズ/ジョン・レグイザモ/コモン/ピーター・ストーメアイアン・マクシェーン/ローレンス・フィッシュバーン/フランコ・ネロ
【公開日】2017年7月7日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
伝説の殺し屋ジョン・ウィックによる壮絶な復讐劇から五日後・・・彼のもとにイタリアン・マフィアのサンティーノが姉殺しの依頼にやって来る。しかし平穏な隠居生活を望むジョンは彼の依頼を一蹴、サンティーノの怒りを買い、想い出の詰まった家をバズーカで破壊されてしまう。愛犬と共に一命を取り留めたジョンはサンティーノへの復讐を開始するが、命の危険を感じたサンティーノに7億円の懸賞金を懸けられ、全世界の殺し屋に命を狙われることになる・・・。
大作と呼ぶスケールではなかったものの、主演のキアヌ・リーヴスのスタイリッシュなアクションのカッコ良さや、裏社会の独特な世界観などが好評を博し話題となった『ジョン・ウィック』。口コミで聞いた自分も当時遅れての鑑賞でしたがすっかりキアヌの繰り出す超絶アクション等の虜となり、一昨年のベストにも選んだほどツボにもハマったので、このチャプター2も地元での公開がとても待ち遠しかった作品ですね。そして今回もやっぱり面白かった^^
前回は亡き愛妻の遺した犬をロシアン・マフィアのバカ息子が殺してしまった事でジョンの怒りを買ってしまったという割と単純なストーリーでしたけども、本作ではジョンとイタリアン・マフィアのボスが過去に交わした契約が発端となってしまい、これが今回のストーリーに前作以上の深みを与えていた感じがしましたね。ジョンが殺し屋稼業から足を洗う為に必要だった最後の仕事の際にイタリアン・マフィアと結んだ誓印なるものが、今度は彼をまた殺し屋稼業に戻らせる引き金になってしまう辺りがなんとも皮肉でして、それによって平穏な暮らしを望んでいたジョンの葛藤なども上手く表現されていたようにも思える。殺し屋の仕事を支援するコンチネンタルホテル内での殺害厳禁等なんかもそうですけど、このジョン・ウィックの世界で描かれている裏社会はかなり厳格な規律や特殊なルールが取り決められているもいるため、その誓印という契約も含めてやはり一度汚れた仕事なんかに手を染めてしまうとそう簡単には抜けださせてくれない暗黒の組織の厳しさみたいなのも改めて知った感じに。
あと12人の組織のボス達が主席について裏社会全体を支配していたり、ホームレスに扮して独自の情報網を持った集団もいたりと、その裏社会がどういう仕組みで成り立っているのかという部分も本作で大分詳細に描かれていたのも良かったですね。ジョンと過去に面識のある同業者や関係者も色々出てきてましたし、まあジョンの過去の出来事みたいなスピンオフ作品・・・なんてものはおそらく実現しないでしょうから、鑑賞中彼らとジョンの過去にどういった事があったのだろうと妄想を膨らませながら観るのもまた面白いかなといったところ。中でもコモンが演じていたカシアンとジョンのやり取りは、バトルだけじゃなくコンチネンタルホテル内でのインターミッションに至るまでお互いにプロ中のプロとしての風格が漂っていたので、二人が対峙してるシーンはもうほぼ全てがカッコ良かったんですよねぇ♪・・故にカシアンの退場が少し早かったのが個人的には残念でして、ジョンと互角に渡り合うほどでしたからやはりラスボスのサンティーノの一歩手前で立ちはだかる強敵という展開にもして欲しかったという思いもあった次第です^^;
銃撃とカンフーを融合させた本作独自の戦技『ガンフー』アクションも車でやったりナイフでやったりはたまた鉛筆でやったりとバリエーションが豊富にもなれば、途中から賞金を掛けられて追われる身にもなるせいか敵も無双シリーズのようにわらわら出て来てはジョンもそれをバッタバッタと返り討ちにもしていくので自然と殺害数も前作超えをしてと・・・要するに本作はアクション・ドラマ、全ての点において前作のスケールを凌駕した良作になっていたというのが、観終えた際の感想ですね(笑)。まあ終わり方に関してだと見ようによってはやや尻切れトンボの様相を呈してはいましたが、大ヒットの報も囁かれてはいるのであれは確実にチャプター3への布石でしょう。そういえば本作は前作から五日後の物語なのだそうですが、もしかしたらチャプター3はジョンが愛犬と一緒に全力疾走するシーンから始まるかもしれませんね?