レゴバットマン ザ・ムービー

【監督】クリス・マッケイ
【声の出演】ウィル・アーネット/マイケル・セラ/レイフ・ファインズ/ロザリオ・ドーソン/ザック・ガリフィアナキス/ジェニー・スレイト/マライア・キャリー
【公開日】2017年4月1日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
悪いヤツラから街を守るレゴ(R)バットマンは皆の人気者。だがその正体は超かまってちゃんなこまったちゃんヒーローだった。でも家に帰ると彼はいつもひとりぼっち。そんなある日、元気すぎる新入りがやってくる。パンツ一丁のパンいちボーイ、ロビンのせいでバットマンのペースはガタガタに。おまけに世界を乗っ取ろうとジョーカーが悪の軍団を目覚めさせてしまう。キングコング、「あの」怪獣、ハリポタの「あの人」まで、あらゆるワルが押し寄せるなか、果たしてレゴ(R)バットマンはロビンたち仲間と力を合わせ、世界を救うことが出来るのか・・・?
全てがレゴブロックで構築された世界を描いた前作『LEGO(R)ムービー』は、そのハチャメチャな世界観やキャラクター達も然ることながら、驚きの事実と感動のストーリーも盛り込まれていたので、かなり遅れての鑑賞ながらとてもハマってしまい、今でも凄く印象に残ってる作品の一つでもあったりします。そして今回のレゴムービー第二弾はその前作にも登場していたヒーローの一人・バットマンを主役に置いたものですが、いやはや今回の作品もレゴとバットマンの魅力が混ざり合ってて面白かったですね。
このレゴバットマンは自分が一番多く観てて記憶に刷り込まれてるであろう実写バットマンのイメージや世界観を踏襲しつつも、その実写では絶対に表現できない毒っ気やパロディ要素を上手く取り込んでいる点が先ず秀逸で笑えちゃいましたね。ジョーカーや他の悪漢をこらしてめていつものように秘密基地内からウェイン邸に戻るバットマンですけど、世間が考えているその後の華麗で優雅なイメージとは裏腹に実際はとても寂しい帰宅風景で、好物のロブスターをレンジでチンして食べたり一人映画鑑賞に耽ったりする哀愁漂う姿がなんとも可笑しく、途中のちょっとした静けさや沈黙にもニヤついてしまうくらいだった。バットマンの孤独な描写は今に始まったことじゃない気がしますが、それでもこうまでおちょくった描き方が出来るのは本作くらいかもしれませんね?
ただそんなパロディ一辺倒ではなく、その孤独な立ち位置にも真面目に焦点を当てており、繋がりを拒む者が擬似的な『家族』と結束し今一度その大切さを噛み締めていく物語は、正直レゴムービーでやるのが勿体ないくらいに素晴らしくて、実写でこういうのを盛り込むべきでもなかろーか?と思うほどに感動してしまった(汗)。またずるずるな感じで養子となったディック=ロビンとのやり取りなんかも、従来のバットマンには見られなかった親子のような絆を築いていく過程がこれまた可笑しくもあると同時に最終的にはホロリとさせてくれたりしますし、長年の因縁が続いている宿敵・ジョーカーにしても、今一度その関係性を見つめ直すやり取りもなんか深い・・?ものがあった気がしますね^^;(笑
そういえばそのジョーカーを筆頭に本作ではバットマンシリーズに登場するヴィラン以外にも様々な映画作品で名を馳せている有名な敵キャラが多数登場していましたが、ここら辺も前作と同様、発想・創造の自由性を持つレゴブロックの魅力と掛け合わせたような夢の編成が成されていて、レゴではあるけどヴィランのアベンジャーズみたいで何気に豪華だなとも思ってしまったw他にもブロックを組み合わせたり、分解して再構築しまた新しい乗り物やメカを作るといった場面もあって、そういうレゴブロックの無限大の楽しさが表現されているのも良かったですね。個人的には四脚ロボットメカのスカットラーがちょっとカッコ良くて、あれは実際のレゴでもちょっと欲しいなと思ってしまうほどでした。
・・しかしまあ本作は最初こそ地元で吹替え版のみの公開しかありませんでしたので、期待はしつつもやはり懸念は残っていたのですが、それでもフタを開けたらその吹替え版も驚くくらい良くて、今回は声の出演者達の好演も作品を更に面白くさせていた気がする。ベテランの山ちゃんや沢城さん、子安さんはともかく、懸念の一つとして数えていたディック役の小島よしおさんが想像してた以上に上手くて適役だったんですよねぇ。お笑いタレントを起用した作品って過去にも殆どハズレが多かったため、なんか嬉しい誤算でもありました・・・・・と褒めちぎりたい所でもあるのですが、キャラが被ってるのをいいことに持ちネタをさりげなく披露した点が個人的にはちょっと減点でもあり尚且つ笑えなかったので、それがなければ太鼓判だったかもしれませんねぇ^^;