デッドプール

【監督】ティム・ミラー
【出演】ライアン・レイノルズ/モリーナ・バッカリン/エド・スクレイン/T・J・ミラー/ジーナ・カラーノ/ブリアナ・ヒルデブランド/ステファン・カピチッチ
【公開日】2016年6月1日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
タクシーに乗って目的地へ急ぐ全身赤いコスチュームの男。彼は運転手に自分の名前を「デッドプール」だと告げる。到着したのはハイウェイの上。デッドプールはそこで宿敵への復讐を果たそうとしていた。
そこからさかのぼること2年。ウェイド・ウィルソンはかつて特殊部隊の有能な傭兵だったが、第一線を引退。好き勝手に悪い奴をこらしめ、金を稼ぐヒーロー気取りの生活をしていた。そんなウェイドが一夜の相手として知り合ったのが、娼婦のヴァネッサ。最初のベッドインがあまりに完璧だったため、彼らは一年間の同居を経て結婚を決意する。だが幸せも束の間、ウェイドは原因不明の痛みに襲われ、全身にガンが転移していると診断されてしまう。激しく落ち込むウェイドに声をかけてきた男がいた。末期ガンが治せると聞かされたウェイドは、その男の誘いである施設へ連れて来られるが、そこでは余命宣告された者たちに人体実験が施され、戦闘マシンとなって売られるという恐ろしいプロジェクトが進んでいた・・・。
最近のマーベルはアベンジャーズ側のキャラクターの作品が少し多めにも見えましたから、X-MEN側のキャラクターの新しい作品はなんか久しぶりな感じにも見えてしまいますねw・・と言っても本作の主人公であるデッドプールというキャラクターは『ウルヴァリンZERO』にも出ていた既出キャラクターでしたけども、どうやら出で立ち諸々含めてこっちの方が本来のデップーらしく、何と言いますか・・正義の味方にもならずかといって悪者にもならずな彼の立ち位置には確かに妙な魅力もありまして、人気者になっているのも少し分かる気はします^^;
人体実験で醜くなった容姿を治してもらうついでに諸悪の根源をぶちのめす・・と言った内容だけを聞く限りでは至極単純な作品ではあるんですけども、本作の面白さを押し上げしているのはやっぱりデッドプールが見せる今までのヒーロー像(?)にはまらないような異色さに寄る所が大きいのかもしれませんね。とにかくまあ全編に渡ってマシンガンなトークでお喋りが殆ど止まらないし、過激な下ネタも全開だから当然R指定。あとなんか鑑賞してる『こっち側』にも普通に干渉してくるし、際どい映画ネタもあれば自虐ネタもありでと、もう何でもありみたいな感じに(笑
実在している映画俳優さんなどの名前を惜しげもなく出して笑いを取ったりするやり方などもパロディ作品とかでよく目にする事はあるんですが、そういうのをまさかX-MEN作品でバンバンバーンなオンパレードで見る事になるとも思わなかったから、個人的にはそのギャップみたいなものも珍しいなと思ったんですよねぇ。シリアスさをなるべく廃したお笑い要素の多いX-MENシリーズみたいにも見えて素直に笑えて面白かったですし♪けどそれでいてアクションもちゃんと本格的で迫力もあったりすれば、実は恋人のヴァネッサとのロマンスの方もかなり力が注がれていたりと、おふざけ一辺倒じゃないバランスの良さも自分は結構好印象だったかなぁと。
惜しむらくはデッドプール以外のキャラクター・・・それこそコロッサスやメガソニックなんかにちょっと魅力を感じなかった事で、悪役のフランシスとエンジェルも同様だったかな?
良くも悪くもデップーの一挙手一投足が、他のキャラクターの存在を薄めてしまうくらいにインパクトが強かったのかもしれませんねぇ?
お下劣さもグロさも割と遠慮の無い描写だったので不快さは微塵も無い・・・と言えばそれは嘘になりますが、けれども同時に『デップー行きまーすっ!』とかきりもみ回転からの体術アクションなど、ユーモアやカッコ良さもきちんと備わっていたし、ツボにハマッた箇所も多かったので自分は概ね満足っ。まあ語りかけは時折ウザイ時もあるけど、それもまた観続ければだんだん慣れてくるんでしょうか(笑
・・そう言えば本作の最後でもマーベル作品お馴染みのオマケ映像ありましたが、これは今回凄い面白かった。次回作の事をこうも可笑しく茶化しながら宣伝出来るのはマーベルの中でもデップーだけかもしれませんね。続編結構楽しみかも。