【監督】トム・マッカーシー
【出演】マーク・ラファロ/マイケル・キートン/レイチェル・マクアダムス/リーブ・シュレイバー/ジョン・スラッテリー/ブライアン・ダーシー・ジェームズ/スタンリー・トゥッチ
【公開日】2016年4月15日
【製作】アメリカ

【ストーリー】
2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。デスクのウォルター"ロビー"ロビンソンをリーダーとするチームは、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる・・・。
 
【感想】
ボストンのカトリック教会で長年に渡り繰り返されていた少年少女への性的虐待、そしてそれを教会ぐるみで隠蔽していたというおぞましい事実を暴いた地元新聞記者達の姿を描いてる本作。第88回アカデミー賞において作品賞と脚本賞を受賞した事でも注目されるようになった骨太な作品でしたね。・・でも実録モノは割と好物だけど社会派モノは敬遠しがちという自分の『好き』と『嫌い』なジャンルが混合してるような内容ではあったものの、フタを開けてみましたらばそこまで小難しいような感じには見えなかったので、今回の作品賞は個人的にも結構見応えのあるものだったと思いますね。

題材にもなっている性的虐待事件は2002年にボストン・グローブ紙の専門チーム『スポットライト』が綿密な取材を重ね続けて教会の腐敗を白日の下に晒したとの事ですが、外の国の出来事とはいえそんな大きなスキャンダルを実は自分は全くもって知らずでして、それこそ本作が作品賞にノミネートされるようになってようやく・・といった次第(汗)。その辺り劇中でも少し映り込んでいましたけど、9.11の同時多発テロ事件も発生してやはり世界中が当時そちらの方に目を向けていたせいだったからなのかなぁ?とも思いましたが、まあそれでも自分はともかく自国がそんな大変な時期であったにも関わらず信念を曲げないで正しいと思う行動を貫き通したスポットライトチームの奮闘等は、映像を通して今更ながらよくぞやったものだと胸を打たれましたね。執念にも見える徹底した取材力もかなりのものっ。
あと事実を基にしているためか、主要人物達が凄いピンチになる・・みたいな作品をグワッと盛り上げる要素こそ殆ど無いんですけども、埋もれていた証拠や被害者達の悲痛な思いを一つ一つ紐解いていく毎に浮かび上がってくる教会と神父達の悪行の数々は絶句。直接的な描写とかも皆無だけど、枢機卿宛ての手紙の内容とかそういうのを聞いてるだけで本当に胸が締め付けられる思いに駆られてしまうんですよねぇ。しかも最後の最後ではかなりぶっ飛びな数字も飛び出るもんですから、なんかもう絶句も通り越して『はぁ・・』と溜息みたいなものしか出なくなってしまった。まあそれくらい最悪な事件だったと言う事ですよね・・--;胸クソが悪くなる実態だったけどそれでもやはり知っておくべき事件でもあるなと思いました。


そう言えば本作はアカデミー賞では作品賞と脚本賞の二冠に留まった結果でしたが、マイケル・キートンらを始めとする豪華な出演者の熱演ぶりも個人的には見所の一つでしたね。とりわけ助演にノミネートされていたマーク・ラファロは素晴らしくて、悪人は絶対裁くべしな正義の心と特ダネ逃すまいという記者魂が同居してるマイク役がとにかく熱かった。マイケル・キートンが演じてたロビーに噛み付くシーンでも、あまりのキレッぷりにもしかしたら緑の化け物になるんじゃないかとも思ってしまいました^^;
ドラマチックに主人公をヒーローに仕立てることもできたでしょう。 かつてアメコミヒーローも演じた役者たちは、己のオーラを完璧に消し、「真実を暴くヒーロー」としてではなく、地道な努力で力を合わせ積み上げていく記者の一人となりきっていた。 その真摯な態度が、何よりこの映画の評価をアカデミー賞作品賞に押し上げたと言えるのでは?
第88回アカデミー賞で作品賞&脚本賞をW受賞した社会派作品。2002年に米国の新聞ボストン・グローブ紙の調査報道編集部”スポットライト”チームが、カトリック教会の神父らが子供たちに性的虐待を繰り返して
人が人を殺す事は、ある。しかし、組織が人を殺す、それを暴いたのがこの作品である。実際に刃物や銃器で殺される訳ではない。だが、被害者達は一度精神的に殺されている。そして被害者達が後に自殺をしてしまうケースも多い。世紀のスキャンダル。聖職者が教会の地位を利用して、信徒の子供達に性的虐待を行う。それも一件や二件ではない。…マサチューセッツ州ボストンの新聞、グローブ紙は、「スポットライト」という長期...

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コメントありがとうございます!

メビウスさん☆
スッカリ更新がないので、もうブログはあまりなさらないのかと思っておりました。
私もこのような事実はあまり知らなかったのですが、キリスト教あってのアメリカでは相当なインパクトだったことでしょうね。
今後このようなことが怒らないよう祈るばかりです(誰にっ!?)

一応復活です

>まだ~むさん♪

ちょっと二月辺りから色んなゴタゴタが重なってしまいまして、ブログを更新するモチベーションにならなかったんです^^;(汗)。でも今はもう大丈夫ですので、またよろしくお願い致します。

・・おそらくアメリカ国民の大多数がキリスト教だとは思いますから、確かに当時この事件が公になった時の衝撃の大きさたるは凄かったでしょうね。信仰心のようなものが揺らいでしまった人もいるかもしれませんね。
でもなんか叩けばまだホコリが出て来そうな気もしますけど、それでもこういうひどい事件の再発とかだけはあんまり起きて欲しくないですよね。教会に限らず。

こんにちは

件数の多さと隠ぺいされていた期間の長さはソコにあるのだろうけれど、神父や教会の絶対性って無宗教・無信心の多い日本人にはちょっと理解が難しいですね。
日本でもカルト系などのトラブルがたまに表面化していますけど、水面下ではどれだけのどんなことになっているのか。
こうした情報発信の重要性を感じますね。新聞は絶対に止めないぞ~~~(笑)

その数たるや…

こんばんは。
私、思わず劇場パンフレットも購入してしまったのですが、
ともかく、暴かれた教会の犯罪数が半端なく…。
物言わぬ信徒を蹂躙した権力が、これだけあったのか、と。
しかも子供相手ですものね…。
本当に、スポットライトチームの活躍に拍手を送りたいです。

まだ出て来そう

>たいむさん♪

舞台となっているボストンのように、宗教が色濃く根付いてる地域にとっては大問題な事件だとも思いますが、仰る通り日本のような国だとこの手の問題に対して共感する方は少ない・・かもしれませんね?自分も正直な所、『ひどい事件だ』で括ってしまってる部分もあるので(汗)
でも教会に限らず組織間のトラブルって一度膿が出るとまだまだ出てきそうで感じもするから怖いですよね。本作の最後に出て来た数も果たして最終的なものなのか・・?


>ここなつさん♪

90人でもおったまげなのに、最後の最後で3ケタまで行っちゃいましたもんねぇ..(汗)。それ見てダメだこりゃみたい感じで呆れてしまいました。
地位を利用した悪行は表に出ていないだけで、色んな組織や企業にもありそうな気がしないでもないですが、教会関係はなんか更に陰湿で腐敗も相当進んでるなと、イメージが崩れてしまった感じに・・。映画では性的虐待が取り沙汰されてましたけど、他にもなんか色々ありそうですね--;

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