エベレスト 3D

【監督】バルタザール・コルマウクル
【出演】ジェイソン・クラーク/ロビン・ライト/ジョン・ホークス/キーラ・ナイトレイ/ジョシュ・ブローリン/サム・ワーシントン/エミリー・ワトソン/ジェイク・ギレンホール/森尚子/アン・フーラ・シェルパ/他
【公開日】2015年11月6日
【製作】アメリカ、イギリス
【ストーリー】
登山家の夢である世界最高峰エベレスト登頂を目指すツアーに、様々な山で経験を積んだ者たちが集結。頂上に向け出発するが、道具の不備や参加者の体調不良などが重なり予定よりも下山が大幅にずれ込んでしまう。さらに天候が急変し、人間が生存できないとされる標高8000メートルを超える地帯、デスゾーンで離れ離れに。酸欠の中、自然の猛威が彼らを襲う・・・(Movie Walker)。
1996年に起きたと言うエベレスト山での二重遭難事故の実態を、ジェイソン・クラークをはじめとする豪華なキャスティングを配してリアルに描いた本作。実話が好きと言うのもあるし、何より山岳を扱った作品も最近観ていないような気がしましたので実は割と期待してた作品でもあったものの、この事故の内容を全然知らなかっただけに観終わった後の気持ちの沈みようといったらなかったですねーー;
標高8000m強という世界最高峰の山・エベレスト。テレビとかでも登頂に挑戦する登山者のドキュメント番組なんかをたまに見掛けることもあったりするため、登山経験ゼロな自分でもエベレストに挑むと言うことがどれだけ大変な事かはある程度理解してるつもりでしたけど、本作でそのエベレスト登頂を疑似体験したことで改めてその危険性や過酷さを知り得た気もする。
それこそ最初は順調な登頂計画で、ツアーを企画しているガイドはベテランの登山家で参加者も皆一様に登山経験は豊富。途中で計画の変更もあったり登頂中にロープの不足といった事態もありはしたものの、登頂には何とか成功を果たすんですよね。でも下山途中からアクシデントが多発し、登頂時とは打って変わってな惨事の連続に自分の心臓はもう早鐘を打つようにバクバクになってしまった。
・・この事故を見て思う事としては、予測の付かない急激な天候不良も一因だと思いますが、それとは別にどこか人的な要因のようなものもやはり幾つか見受けられるんですよね。それは本来設置してあるべき場所にある酸素ボンベの個数が少なかったりだとか、体調不良を押してまで登ろうと無理に我を通す者。或いはもう次の機会が無い事を分かっていただけに、その心情を汲み取って厳しい決断を下せなかった者など様々で、そういった予定外も積み重なった結果、多数の遭難者を出してしまった・・というように見えなくもなかったかなあ。
まあでもゴールがもう目と鼻の先であるならば多少の無理をしようとするのは登山に限ったことでもないでしょうけども、今回の場合はエベレストの登頂という目の前にある名誉が登山者の注意力や判断力を欠かせていたのかもしれませんね?なるほど、デス・ゾーンというのもよく言ったもので、人の生存を許さない領域は一つの些細なミスでも死に直結するというのが良く分かりました。
しかし結末は重いし悲しいしで、実話モノが好きとはいえ今回ばかりは結構こたえた作品。観てる最中「ロブよ、何とか・・何とか・・。」と祈りにも似た気持ちも沸いてきましたが・・現実は非情ですね(実話だからそれも当然だけど)。
ただ辛い部分もあるけど、映像面とかは3D効果もあってか本物のエベレストを思わせる山岳の絶景や、底の見えないクレバスを真上から見下ろすといった恐怖の演出はなかなかのもの。白銀の景観に魅了されもすれば、道とは言えない道に絶句したりするのも何度あったことか(笑
キャスティングの方も良かったし、個人的にはやっぱり主役のジェイソン・クラーク♪この人が出演してる作品を近年よく観てるせいか、今では凄い大好きな俳優さんになっちゃったんですよねえ^^;彼の生死をかけた熱演もまた見応えがあったと思います。