アントマン

【監督】ペイトン・リード
【出演】ポール・ラッド/エバンジェリン・リリー/コリー・ストール/ボビー・カナベイル/マイケル・ペーニャ/ティップ・“T.I.”・ハリス/ウッド・ハリス/ジュディ・グリア/デビッド・ダストマルチャン/マイケル・ダグラス/アビー・ライダー・フォートソン/アンソニー・マッキー
【公開日】2015年9月19日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
やる気も能力もあるのになぜか空回りばかりのスコットは、仕事も家庭も失い絶体絶命…。彼にオファーされた最後にして唯一の“仕事”は、身長わずか1.5cmになれる驚異の“スーツ”を着用し、想像を絶する特殊能力を持つ“アントマン”となることだった。最愛の娘のために猛特訓を開始した彼は、本当のヒーローとなり、人生のセカンド・チャンスをつかむことができるのか?そして、アントマンに託された決死のミッションとは…?
『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の記憶もまだあんまり薄まってはいないなか、次なる新生アベンジャーズのメンバーとして名乗りを上げたのは、なんとわずか体長1.5cmのヒーロー(汗)。・・まあこれまでも戦う企業家、大戦の英雄、雷様、緑の巨人と、個々がかなり異彩を放っていたので今更ミニマムサイズなキャラが来た所であんまり驚きはせずむしろ『なんじゃこりゃ』と見た目に苦笑してしまったのが正直な所でもあるんですが、極小でもやっぱりれっきとしたマーベルヒーローですね。その独特なスタイルとアクションと映像は引き込まれてしまい、蟻男の華々しいデビューはとても見応えがあったと思います。
過去に犯罪を犯した前科持ちながら現在は娘のため真っ当に生きる事を誓った男が、ひょんな事から体のサイズを自在に変える事が出来るスーツを手に入れてしまった事で大きな陰謀と悪に立ち向かっていくといった本作の内容は、新しいヒーローの誕生やその役目、そしてその重責を偶然ながら担ってしまった平凡な男が自らの人生の再起を目指すためにも奮闘するというネバーギブアップな人間ドラマの点から見ましても、結構丁寧な土台作りにも見えて個人的にはとても面白かった印象を抱きましたね^^
体長1.5cmサイズのヒーローの戦いというのは聞いた分だとイマイチピンと来ないものの、実際その戦うスタイルを拝見しますとこれがまたユニークと言えばいいんでしょうかねぇ?少なくとも今までのマーベルには見られなかった体長の縮小と拡大、あとアリを操る能力を持つアントマンのアクションは『凄い』というより『楽しい』みたいな感情が観てて沸き立つものがあり、且つ興奮の方も掻き立てられるものがあった。
アベンジャーズに連なる作品の多くってやっぱり一貫してドッカンドッカンな激しいアクションが目立っていた感じもするんですけど、本作に到ってはなんか派手さよりもサイズの大小を活かした映像のギャップみたいなものに差異があってそこで魅せていた気もする。小さくなると周囲の見方が変わってくるとはなるほどよく言ったもので、日常的に見られる物や場所が全部巨大に見えるのは当然として、目を凝らしでもしなければ見えないほどのサイズと実際に戦うとどんな風になるのかという所も、アベンジャーズの一人・ファルコンとの対決でも垣間見る事ができ、これは使い方次第・・要は悪用でもされたら確かに脅威にも成り得ると実感(実際にヒドラが真っ先に来たしw)。
またサイズの縮小拡大を駆使したアクションもカッコイイものがあり、縮小すると侵入不可能な場所に入れたり銃で襲撃された際の被弾率も格段に下がるし、それでいてパワーは変わらずとなかなかの性能♪しかもアリを率いる事だって出来るので、端から見ればアントマンはちょっとした軍隊を所持してるヒーローにも見えてしまいますねwアリのリーダーなれど、それらを率いるアントマンの勇姿もこれまたなかなかにカッコイイ♪
・・ただカッコイイだけじゃなく時には少し間の抜けた部分もあったりで、悪者のイエロージャケットとの対決なんかがその例ですね。縮小サイズ同士で戦うと見た目は凄い激しいバトルをしてるんですが、俯瞰な視点と言うか時々現実サイズで捉えるシーンが落とし込まれていて、それが何とも可笑しいwシリアスな展開になってるのに卓球のラケットでパチンとはたかれたり顔が付いた機関車に激突しても痛くもかゆくも無くただコロンと脱線するだけ。公開前の予告編でも随分笑ったりしたのですが、そういう緊張感が緩むような脱力シーンも多く、この辺りはマイティ・ソーとはまた違ったユーモアがあったなとも思った次第です(^‐^)
最近のマーベル作品は『観たい』よりも『観なければ』という言葉がしっくりくるほど地続きで数珠繋ぎ的な展開にもなっているため、将来を見据えたキーワードやお馴染みのオマケ映像を見ると鑑賞中でもやや辟易する事も少なくは無いのですが、アントマンはそういう雑念を一時的に薄れさせてくれる楽しさがあったかもしれませんね。『ウィンターソルジャー』のような重厚な物語も良いですけど、本作のような少し軽め(?)なマーベル作品も悪くないかも?
次は続編・・とかじゃなくて、確かキャプテンの最新作のシビル・ウォーという作品で再び戻ってくるんだったかな?アントウーマンもその時に大活躍してくれる事を期待したいですね。