エクソダス:神と王

【監督】リドリー・スコット
【出演】クリスチャン・ベール/ジョエル・エドガートン/ジョン・タトゥーロ/アーロン・ポール/ベン・メンデルソーン/シガニー・ウィーバー/ベン・キングスレー
【公開日】2015年 1月30日
【製作】アメリカ=イギリス=スペイン
【ストーリー】
紀元前1300年、多くのヘブライ人が暮らす古代エジプト。増えすぎたヘブライ人の男児を殺すようファラオが命じたため、赤ん坊だったモーゼも川に流される。しかし、エジプトの王女に拾われ、王子のラムセスと兄弟同然に育てられる。時が経ち、成長したモーゼはラムセスと共に兵を率いてヒッタイト帝国との戦いで敵を撃破するなど、王国での地位を確立しつつあった。しかし、ヘブライ人の長老ヌンから自分がヘブライ人であることを知らされる・・・(Movie Walker)
歴史にそれほど詳しくなくともモーゼという名前を聞けば自分も『十戒』がポンとすぐ出てきまして、そういったイチ単語で括るならばかなり有名であろう出エジプト記に記されたモーゼの奇跡のお話。巨匠リドリー・スコット監督がVFX等をふんだんに用いてアレンジした本作は歴史スペクタルでもあり、そしてディザスター系のようなパニック系の側面も見受けられて割と見応えがあったと思います。
・・しかし自分の中での十戒とかモーゼとかのイメージとしては、石版を持ったヒゲのおじいさんだったり海を真っ二つに割ってるシーンといったすんごいアバウトなものしか無かっただけに、兄弟同然のように育ってきたラムセスとの確執だったり、遠い地で妻子持ちだったりといったドラマ部分はそれ程つまらないものでは無かったですね。観ててとても壮大なスケールのようでもありましたし、将軍の地位までいたモーゼが自分の出生を知ってしまった事をきっかけにして追放されてしまい、やがて神の啓示を聞いて大勢のヘブライの民を導いていく彼の人生は、150分の長大さもあってかその波乱万丈さがとても良く描かれている・・・と言うのがイチアバウト者なりの視点なわけでしてっ^^;
まあおそらく映画なりの解釈も大分含まれているとは思いますが、そこら辺はよく分かんないですし目くじらの立てようが無いですからねぇ。個人的には複雑な意味合いも無くて見易かったとも思ってます。
あと有名な大海を真っ二つにするシーンやナイル川が赤くなるといった災いの数々もかなりスペクタルに描かれていたのでこちらも迫力があります。特に十の災いなどは知ってるのもありましたけど、最新のVFXで表現されるといやはや普通に気持ち悪いこと悪いこと(汗)虻・疫病・腫れ物とかはみたまんま気持ち悪いですし、究極的な災いである長子抹殺もある意味理不尽過ぎて観てるこっちも言葉を失いそうになりますね・・--;
クライマックスの紅海真っ二つも凄いですが、ただこちらに到っては正直肩透かしも少し含まれており、固定観念のように記憶している真っ二つではなく海全体が引いたような映像はやはり『あれ?』という言葉が漏れてしまったし、ラムセスも最終的にぼっちにされてしまったシーンも笑っていいものやら哀れんでいいものやら・・^^;
個人的には横から大津波が押し寄せる中、モーゼとラムセスのガチンコバトルみたいなのが始まれば多少は燃える展開だったと思うんですけどねぇー?山道での事故り具合といい、途中からラムセスもちょっと自爆が多かった気がしますね。
ストーリーは凄く感動したりだとかエジプト軍などのバトルとかも殆ど無かったりだったので、フタを開けたら少しエンタメ性は薄味だったような感じがしたものの、それでもキャスティング・セット・絢爛な衣装と豪華さを随所に散りばめてもいたので、そのスケールの大きさは評価できると思うし劇場で観る価値もあると思う。モーゼ役のクリスチャン・ベールも見た所すこぶるハマッていたんじゃないでしょうかねぇ?あの人は凄い苦難苦境に立たされて髪ボサボサヒゲボーボーな役柄とか似合ってる気がしますねホント(笑
そして最後の『トニー・スコットに捧ぐ』・・。〆でちとグッ(T^T)と来てしまいました。