ホビット 決戦のゆくえ

【監督】ピーター・ジャクソン
【出演】イアン・マッケラン/マーティン・フリーマン/リチャード・アーミテージ/エバンジェリン・リリー/リー・ペイス/ルーク・エバンス/ベネディクト・カンバーバッチ/ケイト・ブランシェット/クリストファー・リー/ヒューゴ・ウィービング/オーランド・ブルーム/他
【公開日】2014年12月13日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
ビルボ・バギンズ、トーリン・オーケンシールドら旅の一行は、邪龍スマウグからドワーフの故郷を奪還することに成功するが、怒りに燃えるスマウグは町を襲う。スマウグから取り戻した財宝に執着するトーリンは、友情や名誉も犠牲にしても財宝を守ろうとし、その行為をいさめようとするビルボは危険な選択をせねばならなくなる。そうした中、魔法使いのガンダルフは、さらに恐るべき存在である冥王サウロンの復活に気付いていた・・・。(映画.com)
邪竜スマウグに奪われたドワーフ王国を取り戻すため、ドワーフ族のトーリン達とホビット族のビルボの冒険を描いた『ホビット』シリーズの第3作目であり、そして最終章な本作。足掛け約2年・・・当初は長い付き合いになりそうなんて思ってはいましたけど、なんだかんだであっという間に終わりが来てしまって少々寂しくもあると共にどこか感慨深くもありますね。
もう内容に関しては満足っ♪壮大なサーガを締めくくると同時に、『ロード・オブ・ザ・リング』の始まりを告げる終わりはとても感動できましたね。
個人的にこの『ホビット』シリーズは多彩なキャラクターのほか、長大な時間を最大限に利用したスペクタクルな冒険活劇や、その中で繰り広げられるリズミカルでテンポの良い場面(1作目のトロルの巣窟や2作目の樽攻防とか)が多いのも凄い好きではあったんですけども、今回の場合は復活した冥王サウロンの配下であるオーク軍団との大決戦がメインのようでもあったので、前の2作に比べれば冒険ぽさやリズミカルな雰囲気は正直薄かったかな?という感じを先ず最初に抱きましたね・・。ただ、だからといってつまらなくなったかと言えば全然そんな事無くて、その分ボリュームと言うか物量で魅せてる感じもあって、迫力や興奮などは段違いでもあった。
前作でああいった終わり方にもなってしまったものですから、もう冒頭からしてクライマック級(?)な興奮で畳み掛けるわけでして、怒り狂うスマウグとバルドの一騎打ちは、火の海となった街をバックにして映像迫力共に圧巻の一言。バルドの一撃必中の名射手ぶりもレゴラスに負けないものがありましたね。
・・ただまあちと欲を言っちゃえば、サウロンが出てくるまではラスボスと思ってたスマウグには、致命傷を受けてももう少し『ねばり』があって欲しかったんですけどねぇ。あのあっけなさも原作通りであるならばしょうがないですけど(汗
そして後半は・・・と言うか終盤近くまでほぼずっとになってますが、ドワーフ・エルフ・人間とオーク軍との大決戦がやはり本作の中で一番凄いですね。直前にはトーリンが邪心により己を見失った事でエルフや人間とも仲違いが生まれる一触即発な事態も起こったりして、決戦を前にドラマパートでも盛り上げたりしてくれるからここもまた見応えありだったっ♪トーリンも復活したらしたで陽をバックにしてこれまた非常に神々しい出で立ちなのも妙にカッコイイと言うか・・(笑
まあオークの圧倒的物量で仲間が危機的状況に陥るまでトーリンの改心を引っ張りまくり、元に戻ったらオラオラ攻めまくるなんて言う焦らすパターンみたいなのは『ロード・オブ・ザ・リング』でも度々あったのでやや分かり易い流れではあったけど、正義の味方は遅れてきてなんぼでもあるでしょうから、自分はあの展開やはり嫌いではなかったw
また最後は入り乱れる乱戦だけじゃなく、主要キャラクターのそれぞれの見せ場をしっかり描いてる点も良かったですね。トーリンやレゴラスは前2作で因縁あるオーク親子と。タウリエルは戦いの中でキーリとの切な過ぎる結末を。そしてホビットのビルボも『忍びの者』らしい役目を戦い以外で見せてくれたりと、誰もが最後まで活躍してた気がする。犠牲も少なくは無く、安地だと思ってた人も帰らぬ人となってしまったため、そこで涙腺の方も少し緩んでしまいましたねぇ。ホント、最後までとてもイイ物語でございました(T∀T)
『ロード・オブ・ザ・リング』とこのホビットシリーズの完結で以って、約13年に渡って続いた中つ国の物語もようやく終焉といった所でしょうか。改めてこのシリーズの作品を振り返りますと、やはり6作全てが壮大で幻想的で迫力満点で素晴らしかったように思えます。個人的な理由でファンタジー作品が元から好きだと言うのも勿論あったりしますが、しかしそれとはまた別に大きな要因にもなってたのは、ピーター・ジャクソン監督が全て手掛けたおかげで作品に統一性があり、常に出来映えも安定していた・・というのも挙げられるんじゃないかなと思いますね。他の監督さんが混じっていたら多分ここまでの完成度にはならなかったかもしれませんね?
そんなわけで、ピーター・ジャクソンの代表作であり傑作の完結をスクリーンで、そして今年最後の映画鑑賞として観れた事はイチ映画好きとしても嬉しい限りっ^^
『ロード・オブ・ザ・リング』の方もまた再度観たくなってしまうこと請け合いですね。