【監督】落合賢
【出演】福本清三/山本千尋/本田博太郎/合田雅吏/萬田久子/小林稔侍/松方弘樹/他
【公開日】2014年 7月12日
【製作】日本

【ストーリー】
かつて日本のハリウッドと呼ばれた京都・太秦。香美山は太秦の日映撮影所に所属する斬られ役一筋の大部屋俳優。大御所の時代劇スター尾上の時代劇も打ち切られ、出番が無い日々が続くなか、香美山は駆け出しの女優・さつきと出会う。さつきは香美山に殺陣の指導を請うが、香美山は『女優さんに立ち回りの役はありまへんで』と言い断ってしまう。だがさつきの熱意に負け、やがて二人は殺陣の稽古をする師弟関係となっていく・・・。
 
【感想】
様々な仕事人の姿に焦点を当てた作品って邦画洋画問わずそのどれもが人一倍の情熱や矜持を伴っているからかなり見応えがありまして、本作でも斬られ役一筋な俳優さんをこれまた『日本一の斬られ役』である福本清三さんを主演に据えた事でとても重厚で称賛な内容に仕上がっていますね♪『タイガーマスク』の監督さんをちょっと見直してしまいました^^;(汗

そいえば自分はこれより先に鑑賞してたってのもあったせいか、類似している作品として『イン・ザ・ヒーロー』をやはり思い出してしまうとこがありましたね。片や『スーツアクター』で片や『斬られ役』という共に作品を陰で支える人をフォーカスしている点だったり、ドラマパートも若き新人をその道の熟練者が鍛え導く師弟のような関係になっていくっていうのも酷似してた気がしたんですが、ただ作品の雰囲気みたいなものだけはどこか相反していた感じもする。時折ユーモアなんかを交えていた『イン・ザ・ヒーロー』と違い、本作はそのユーモアなどが入り込む余地が無いほど実直なものに見えてしまい、古き良き時代劇と老俳優が共に衰退の道を辿っていく展開を淡々と、そして哀愁を漂わせながらも丁寧に描いているといったとこでしょうか。福本さんが演じている主人公・香美山にしましてもセリフをそれほど多く語らず且つ目立つ行動もせずな人物でこちらも凄い生真面目な性格が伺えるんですけども、その姿勢からは端役を究めた者のみが滲ませる事が出来る佇まいみたいなものがあって妙にカッコ良かったのが印象的でもあった(後姿とか)
あとそのカッコイイで言えば最後の時代劇での殺陣シーンも素晴らしいんですよねコレがまたっ。大御所の尾上さんを香美山がさりげなく挑発した後の殺陣はその場の空気が変わったのを実感する程の張り詰めた緊迫感ぶりで、カッコイイも然る事ながら自分はこの辺りでもう涙も止まんなくなってしまったw愛弟子による一刀で斬られ、渾身の絶命を披露した香美山の体に降り積もる桜吹雪なども美しいことこの上なくで、時代劇にあまり詳しくない自分でもラストはもう十二分の感動を与えられたのでした。


『一生懸命やっていれば、いつか誰かが見ていてくれる』・・・というセリフは香美山がさつきにかける言葉ですが、コレなんだか福本さん本人にも当て嵌っているような言葉にも感じますね。斬られ役なれどその役をただひたすらに、真剣に、全霊に打ち込んできた極めし人が劇中で言う数々の言葉には凄く説得力がありそして『熱』も帯びている。だからでしょうかね、彼の一挙手一投足全てに目頭がジーンと熱くなってしまったのかもしれません。いやはやとてもイイ作品♪
・・・まあ若いプロデューサーがなんか突然イイ人になってしまったりとか、歳月の流れ方がいまひとつ軽かったりと言った気掛かりも一応見受けられはしましたが、それも福本さんの燻銀の前には些細なことかな?(笑
太秦にある映画撮影所に所属する香美山清一は、「斬られ役」一筋のベテラン俳優。しかし折からの時代劇減少に伴って出番が減り、今また国民的人気の長寿時代劇ドラマ『江戸桜風雲録』までもが打ち切られ、「斬られ役」も仕事がなくなっていく。番組の主役である大御所スター尾上清十郎は香美山に「いつかまた斬らせてくれ」と声をかけ撮影所を去ってゆく。そんななかで香美山は新人女優・伊賀さつきと出会い、香美山の生き方...
(C)2013 UzumasaLimelight. All Rights Reserved.映画「太秦ライムライト」作品情報 気になっていた作品なのに、気がつけば近場では終わっていたといういつもの状況に。けど捨てる神あれば拾う神あり。忘れた頃に下り方向の劇場で遅れて上映されていることに気がつき、最終日になんとかすべり込みで観賞できました。 冒頭から見せてくれます。5万回斬られ...
【概略】 京都太秦撮影所を舞台に、斬られ役として日本映画を支え続けてきた大部屋俳優と、その弟子となった駆け出し女優との交流を描く。 ドラマ 実際の斬られ役専門の役者・福本清三さんを本作でも斬られ役として出演させたドキュメンタリータッチの物語。 実際に昨今面白い時代劇がないという憂いや数自体が減っている、あっても人情ドラマだとか、ジャニーズ主演だとか、わけのわからない時代劇...

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初コメ失礼します

こんにちは。作中に「太秦にはエキストラはいない、全て表現者だ」という台詞が出てきましたよね。福原清三さんは、まさに本物の表現者だと思いました。台詞とか表情ではなく、背中で演技ができる、素晴らしい役者さんだと思います。

初めましてです^^

>ケフコタカハシさん♪

初めまして♪コメント有難うございます♪
『太秦にはエキストラはいない、全て表現者だ』。確か本田博太郎さんがあのムカツク監督さんに言ってたセリフじゃなかったでしたっけ?^^;
でも仰るとおり、福本さんは表現者として素晴らしい存在感を放っていた気がしますね。言葉少なくともその佇まいだけで感情や雰囲気を察する事が出来そうで、素人目でもあの人の『凄味』はかなり伝わってきました。

よろしくお願いします

そうです、そうです。ムカツク監督が「エキストラのくせに・・」みたいな発言をしたことに対する反論です。

後でトラックバックさせてください。ひょっとするとうまくできなくて削除のお願いをすることになるかもしれませんが、その際はどうかご容赦を。

ムカつく若い衆

>ケフコタカハシさん♪

あの監督は凄い傲慢だし香美山らをゴミとも言ってたので大層ムカつきましたねぇ^^;それにODANOBUでしたかな?主演の男優もかなり自分勝手でどうしようもなかったですし・・。福本さんももしかしたらああいう体験があったのかもしれませんね?


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こんにちは

冒頭から魅せてくれましたよね、あの演出はなかなか。
やっぱり廃れつつある時代劇と言う枠の中で、
それでも斬られ役として表現者としての動きはさすがなものがありました
ドキュメンタリーのようなフィクションですから、いちいち、台詞や境遇が胸に響いてくるんですよね
ラストシーンでは私も涙がでてきてしまいました

圧倒されました

>makiさん♪

確かに冒頭から上手い演出でしたよね。自分ももう随分と時代劇と言うのはご無沙汰な感じがしますので、本格的な作品の雰囲気みたいなものにはスクリーン越しでも圧倒されるものがありましたね。

香美山さんの境遇も福本さんの今までの人生を落とし込んだキャラクターのようでもありましたから、それが尚更感動を誘発してて、こういった見せ方もまた上手いなと思っちゃいましたね。
斬られ役と言うのも実際どういう段取りとかあるのだろう?と少し疑問にも思ってたので、なんか色々ためにもなった気がしますw

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