ドラキュラZERO

【監督】ゲイリー・ショア
【出演】ルーク・エヴァンス/サラ・ガドン/ドミニク・クーパー
【公開日】2014年 10月31日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
強く優しく民衆から慕われる理想の君主・ヴラド・ドラキュラは、最愛の妻とひとり息子と共に幸せに暮らしていた。だがヨーロッパ侵略を狙う大国オスマン帝国の皇帝メフメト2世に、ヴラドの息子を含む1000人の少年達を兵士として差し出せと迫られる。帝国との全面戦争を決意したヴラドはひとり山に分け入り、古くから伝わる強大な闇の力と契約を結ぶ。だが力と引き換えにヴラドは耐え難い代償を支払わねばならなかった・・・。
『ぼくのエリ』や『トワイライトシリーズ』など、一応自分の知ってる近年の吸血鬼モノってどことなーく変わった作風が多くて、『ZERO』とか付いてたりする本作も当初はそんな変り種と似たような印象を抱いていたんですけども、こっちの方はなかなかどうして結構面白かった♪イケメン+ダークな映像美なんかも手伝ってて、確かに割と面白く仕上がってたドラキュラ物語だったと思いますね。
ブラム・ストーカーの小説のモデルにもなってしまってるせいで、今日ではすっかり恐怖の存在や化け物の代名詞ともなってるドラキュラ公ことヴラド3世ではありますが、史実では本作のように自身が統治していた国を侵略国から必死で守っていた偉大なる人物でもあるようで、そういうトコあんまり詳しく知らなかった自分もすっかりゲームとか色んな方面でのドラキュラ=悪の存在というような固定観念で毒されてるなと感じてしまった^^;(汗
そんな史実を基にしつつ、アレンジとして血を渇望する闇の力(ようするにヴァンパイア)に翻弄される君主・ヴラドのドラマは、長編作品初監督さんの拙さみたいなのもちらほらと滲み出てはいるけれど、こういうダークファンタジーな雰囲気は嫌いではないので個人的には見応えがあった方かな?予告編などを観て食指が動いていたのは、ヴラドが闇の力で大量のコウモリに変化したりして大暴れしている映像諸々に魅かれていたので、その辺りは本編でも見劣り無く迫力があって満足は出来たほうだし、コナミの某ゲームでもこういう能力頻繁に見てたのでゲーム脳も少し反応した次第(笑
あと鑑賞前までは『ソコ』に然程興味を示していなかったのですが、ヴラドを演じている主演のルーク・エヴァンスがとにかくカッコイイいいんですよね。正直男から観てもカッコイイw竜をかたどった鎧に王の威厳漂うマントとかも凄い似合ってるし、何より闇の力を得てからはオスマン兵をバッタバッタとなぎ倒すルーク無双状態にもなるから観ていてかなり爽快だった。中世世界やファンタジーのジャンルなどで一際映えるカッコイイ俳優さんだなぁなんてのも改めて思いました(・・と言うかそのジャンルでしか今の所観た事が無い人だったり^^;)
しかし国や妻子、そして民衆を守るべく得た強大な力ではあるものの、結果的には息子以外全てを失ってしまい、ヴラドにしてみれば何ともやり切れない悲哀に満ち満ちたものだったなぁ。まあ最後でちょっとだけ救いと言いますか癒しのような展開で終わってめでたしめでたし・・・なんて思ってたらすっかり忘れてた諸悪の根源が出て来て、新たなる闇の戦いをほのめかすようなこれまた何とも濁ったラストに・・・。
や、そういうのいいからっ!!・・・とは言ってももしあるんだったら、う~ん観ちゃうかもなぁやっぱし(今度はルーク目当てでw)