るろうに剣心 伝説の最後編

【監督】大友啓史
【出演】佐藤健/武井咲/伊勢谷友介/青木崇高/蒼井優/神木隆之介/土屋太鳳/田中泯/大八木凱斗/江口洋介/福山雅治/藤原竜也/他
【公開日】2014年 9月13日
【製作】日本
【ストーリー】
日本征服を狙う志々雄を阻止するため、京都に辿り着いた剣心は志々雄一派に立ち向かうが、志々雄は甲鉄艦・煉獄で東京へ攻め入ろうとしていた。志々雄に連れ去られた薫を助ける為に剣心は海へ飛び込み、一人岸へ打ち上げられたところを師匠の比古清十郎に拾われる。今の自分では志々雄を倒せない。剣心は清十郎に飛天御剣流の奥義の伝授を懇願する・・・。
8月に公開された『京都大火編』に続く2部構成の後編にして完結編。前作でもアクション、役者さんの魅力ともに申し分なく、更に終わり間際ではサプライズゲストまで現れたりと色々な楽しさを与えてくれましたが、本作も負けず劣らずですね。ただかなりてんこ盛りしてるせいで大分原作と異なる結末になりはしましたけども、『これ以降は無い』と思えば無難な纏め方で、やはり面白さかった事に変わりは無かったかもしれませんね^^;
自分は一応兄貴が所持してた漫画の方の記憶はまだ結構残ってるのでその記憶と照らし合わせますと、今回は前2作以上に変わった展開が多くて、個人的にはなんだか別物のように見えてしまう時がありましたねぇ。前作のラストで剣心と師匠の比古清十郎がああいう出会い方をした時点で違う方向性になっていく予感はしてましたけども、見た感じ前半の清十郎との奥義会得シーン以外はまた映画独特のアレンジが目立ってたように思う。それ故にちょっとガッカリな部分が見受けられたりもして、十本刀の殆どがザコ扱いで端折りの対象のようになってたことがやはり残念でしたねぇ。宗次朗、あとかろうじて安慈だけは見せ場がありましたけど、その他はなんというか・・・悲しいものです(汗)。
それでも今回の内容、別な歩みをしていた分、ポジティブに考えれば予測できない面白さというのもあったかなとw十本刀との死闘が省かれてるため他の人物の役回りもかなり変わってましたし、蒼紫や宗次朗との対決にしても志々雄のアジトでの戦いとは全然違う雰囲気があって、個人的には本作の戦いの方が好きだったかもしんない。
前2作を楽々超えるアクションシーンの多さと迫力にも脱帽し、あまりにボリュームアップもしてたので自分は結構呆然としながら観てた部分もありましたねwクライマックスの志々雄との対決なんかはもうヤッベヤッベ言ってましたし、志々雄as藤原さんの暴れっぷりは宗次朗の言うとおり正に怪物そのものだった。細かいトコでも志々雄の必殺技の一つである紅蓮腕がちゃんと現実的に再現してあるのも良かったですねw
・・とは言え、無限刃の火を出す仕組みや天翔龍閃の概要が凄い説明不足になっており、分からない人にとっては『何故火が出る?』、『どこが奥義?』という突っ込みが避けられない見せ方になっちゃってたのがまたなんとも痛い痛いっ。ここら辺は原作を知ってる人だけが得する感じになっちゃいましたね(良く見ると天翔龍閃はちゃんと左足の踏み込み演出が入っていたりしたので)。
まあ冷静に見れば大分ハイスピードアクションに助けられている感じもあり、登場人物のバックボーンにしても剣心以外おざなりになってて、続編が出来るたびに失速そして唐突感が増しているのも正直あります。けどそういった大なり小なりの粗さをそのハイスピードアクションで十二分に補っているのも然りであって、ドンパチ好きな自分にはそれだけでお腹が満たされたのもこれまた正直な所。アクションの凄さは映画、物語の深味は漫画という風に一長一短が分かり易くて逆にいいんじゃないでしょうかね?キネマ版のようにどこか似て非なるるろうに剣心とも思えば楽しく観れたので、京都大火編ともども自分は好きな作品になりましたね♪