GODZILLA ゴジラ

【監督】ギャレス・エドワーズ
【出演】 アーロン・テイラー=ジョンソン/渡辺謙/エリザベス・オルセン/ブライアン・クランストン/ジュリエット・ビノシュ/サリー・ホーキンス/デヴィッド・ストラザーン
【公開日】2014年 7月25日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
1999年、日本人研究者の芹沢博士はフィリピンの鉱山で謎の巨大古代生物の痕跡を発見する。同じ頃、日本の原子力発電所で大事故が発生。原発で働いていたジョー・ブロディは最愛の妻サンドラを失ってしまう。15年後、ジョーの息子フォードは、父が立ち入り禁止になっていた原発跡地に不法侵入し警察に逮捕されたという知らせを受けて身柄を引き受けに向かうが・・・。
日本特撮映画の金字塔であり、おそらく日本人なら(お子ちゃまとかは除いて)誰もがその存在を知ってるであろう怪獣王ゴジラ。二度目のハリウッド作となった今回も一応特撮好きとしては非常に楽しみにしていましたし、その期待通り本作は最高の興奮を与えてくれといったところっ。昨年は『パシフィック・リム』に心を鷲掴みにされましたが、今年もまた同じ特撮系の作品に魅了されてしまいましたねぇwこれならゴジラ好きな人も結構納得の出来映えじゃないかと思うし、自分もかなり好きになれました♪
・・しかし『特撮好き』と公言してはいるものの、このゴジラに関して言えば実は熱心なファンと呼べるものではなく、ゴジラデヴューも84年に公開されたトコからであり、1作目である54年度版もつい最近リマスター版を一度鑑賞したのみなんですよねぇコレがまた。だからぶっちゃけちゃいますと中々の『にわか』なのですが、新鋭監督ギャレス・エドワーズはそんなにわかにも楽しめる要素を劇中に幾つも盛り込んでいた感じがする。
オマージュ的な楽しみ方だけで見ても渡辺謙さんが演じていた芹沢博士の名前は、アイパッチが印象的だった元祖芹沢博士と本多猪四郎監督を掛け合わせたものになってましたし、ゴジラを抹殺する事が狙いだったと言う水爆実験シーンも1作目に酷似していましたね。また『リスペクト』という意味でもギャレス監督のこだわりな部分が今回のゴジラの風貌からもビシビシ伝わって来るのが素晴らしいっ。ただリスペクトしてるだけじゃなくて、そこに自分たちなりのゴジラ像を肉付けしてるようでもあり、100メートルを超える高身長に加えモリモリな体格のマッチョゴジラなんていかにもアメリカらしくて面白かった。ゴジラの雄叫びにしたって凄く似ており、その姿があらわになったと同時に発せられた第一声には身震いしてしまった程っ。
興奮のクライマックスではゴジラと敵対する新怪獣MUTOとの怪獣バトルもあり、ここがやはり自分も一番見応え満点だったなぁ♪昭和ゴジラの方ではなく平成ゴジラで慣れ親しんだ者としては、どうしても『ゴジラ対○○』のような怪獣対決が楽しみであったから、そういうのもちゃんと取り入れていたギャレス監督はとても『分かって』いますね(笑)。ゴジラとMUTOの対決は基本取っ組み合いに終始していてそれほど激しいと呼べるものではないんですけども、その若干のもっさり感がある分スーツアクターの存在を匂わせる動きにも見えてしまい、それも狙ってたのかな?なんて勘ぐるとどこか頬もニヤけてしまう。
あと出し惜しみしてたのか満を持して放つゴジラ必殺の放射熱線も、背ビレが青白く明滅した瞬間『おおっ出たーっ!!この光は!!』と変に実況しそうなくらい熱くもなってしまった^^;(笑)・・なんかにわかでもこれくらいボルテージ上がってしまったもんですから、もしかしたらファンの人ならばもっと興奮出来たかもしれませんね?(或いはその逆かもしれませんが・・(汗)
けどまあ思えば去年の『パシフィック・リム』もそうでしたけど、作り手側が作品の題材に対して人一倍の『愛』と『情熱』を持っていますと、ハリウッドパワーも相まってやっぱり凄い力作になりますね。ゴジラが暴れるだけな大味な内容でもありませんし、ドラマ性もおざなりにしてなかったように見えたのも個人的には良かったですね。
・・・でも子供たちも観る事を踏まえますならば、前半なかなかゴジラが出て来ないからもしかしたらそこそこ耐える鑑賞を強いられるかもしれない。それと場面によっては津波・地震・原発の崩壊と、観てて過敏に反応してしまう要素もありはしますが、3.11の出来事を監督が知らないなんて思えないだけに、そういった部分にもちゃんと真摯に向き合って作り上げている姿勢のようなものも自分は本作から感じ取れたような気がする。フォードの父親が言っていた『事実から逃げるな』というセリフも妙に印象的でしたので尚更ね・・。